パキスタンがサウジアラビアにコワーキングを開設する、そんな時代:今日のアウトテイク#290(2024-09-03)
<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定
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#今日のコトバ
#「コワーキング曼荼羅に学ぶローカルコワーキング基本のキ」受講者募集開始
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#現代のおどろくべき「世間師」の数奇な人生
オモシロイものを読んだので共有する。今、併読しているうちの一冊が、加藤秀俊氏の『社会学 わたしと世間』だが、
最初の方に「世間師」の話が出てくる。
「世間師」については、以前、少し触れた。
世間と世間のあいだを行き来して、情報やさまざまな価値観などを交換していく人のことを「世間師」という。ぼくらのような全国のコワーキングで仕事する「移働者」(リモートワーカー)は、現代版「世間師」と言えるかもしれない。で、そういう人は、まあ、いろんな経験をしている。
で、この本の中にこんな一節がある。こりゃ、スゴイ。
波乱万丈というか行き当たりばったりというか、その変わりようが図抜けている。が、どこかスジが通ってるようにも見える。
きっと、枝太郎師匠は人生を楽しんでたのだろうなぁ。やりたいことをついつい優先するあまり、思わぬ道に引きずり込まれてしまう。電車で落語家に会うとか、金庫の上で弁当食ってたとか、偶然もあるけれど、意外とこういう人ほど偶然が幸いするんじゃなかろうか。つまり、行動する人だ。
最近、よくキャリアブレイクという言葉を耳にする。今の仕事を一定期間離れて、自らのキャリアを見つめ直す期間のことを言うらしい。
しかし、この言葉には、人は必ずどこかに属していなければならないというある種の固定概念が裏に潜んでいる気がする。少なくとも日本では、「無職」であることを否定的に捉えているように思われるがどうだろうか。
でも、卑下する必要は全然ない。ポッカリ空いてしまっても、文字通り、生き方を考え直す機会として堂々とその時間を使えばいいと思う。
ただし、籠もってしまってはいけない。考えながら体を動かす。動かせばアタマも働く。誰かに会う。会って話をすれば、アイデアも浮かぶ。仲間もできる。次の道も拓けてくる。だから、そういうときにこそ、コワーキングを使うのだ。
師匠を見ろ。コワーキングは使わなかったと思うが、元の落語家に戻って浅草演芸ホールまで作ってしまった。それは、しかし、ずっと落語家で過ごしてきたらできていなかったかもしれない。いろんな寄り道をしていろんな経験を積んだから、そしていろんな人間関係を結んできたからできたんだと思う。
この本のサブタイトルは「わたしと世間」だ。そうそう、世間と関わって生きていこう。
#パキスタンがサウジアラビアにコワーキングを開設する、そんな時代
これはちょっとオドロイタ。が、十分あり得た話。
在サウジアラビア・パキスタン大使館が、サウジアラビアの市場参入に関心のあるパキスタンのスタートアップ向けにコワーキングスペースを、大使館敷地内に設置することを決定した、と。え?と思うでしょ。
パキスタンは資金難にあえいでいて、経済多角化で急成長する湾岸市場の恩恵を狙っている。
そこで、海外市場でビジネスするための資金を調達しようとしているスタートアップ向けに、自国ではなくて、サウジアラビアにコワーキングスペースを開設するらしい。
繰り返すが、このスペースは、「サウジアラビアでビジネスを立ち上げようとしているパキスタンのスタートアップ企業、起業家、技術系企業」に提供される。
つまり、他所の国に自国のスタートアップのためのコワーキングを作る、という話。
早速、引用する。
スタートアップ的には、大変、合理的かつ、実効的な発想かと思う。
大事なのは、「地元企業とのコラボで、パキスタンのスタートアップがサウジアラビア市場を開拓するのに役立つ」というところ。よく判ってると思う。
コラボといえば例の「知の再結合」だ。ただ、あれはデジタルノマドを対象にしているが、これはスタートアップを動員して起こそうとしているわけ。
しかも、受け入れ側の国ではなくて乗り込んでいく側の国が「結合」を企んでいる。あまりにストレートで笑ってしまったが、これを国策と言わずして何と言おう。
で、これが、在サウジアラビア・パキスタン大使館が投稿したX(旧Twitter)。
パキスタンのスタートアップには、すでにドバイでの資金調達に成功してサウジアラビアで金融・物流サービスを開始した企業もあるそうで、海外での資金調達に積極的に取り組んでいる模様。そこを大使館がバックアップする。その中心にコワーキングがある。←ここ、大事。
これぐらい胆力のある発想と行動力が日本の政府にもほしいと思うのはぼくだけだろうか。コワーキングをただの作業場だと思ってる限り、そんなこと、思いもつかないかもしれないが。
スタートアップだけに限ったことではない。ただハコを創るだけではなくて、個人、法人問わず、さまざまなカツドウをサポートするコワーキングというスキームを、政策の中に盛り込むことをもうすこしマジに考えてほしい。まずは、公民館の再生からどうか。
ただ、パキスタン大使館はひとつだけ間違いを犯している。
コワーキング(Coworking)にハイフンは要らない。
ということで、今日はこのへんで。
(カバー画像:Haidan)
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