今日のアウトテイク#177「道東からあらためて共創を学んだ琴平の夜」(2024-05-13)
<アウトテイク>
・SNSに投稿する前の推敲(もしくは配慮)なしのメモ、殴り書き
・ブログ記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
※三原〜尾道〜福山〜岡山〜琴平〜高松の3泊4日で、また新しいご縁をいただいた。感謝。
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#今日のコトバ
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#道東からあらためて共創を学んだ琴平の夜
昨晩は、香川県琴平の「コトリ コワーキング&ホステル 琴平」さんで、『緩やかに連帯する広域の地域づくり』と題するイベントに参加した。参加してホントよかった。
プレゼンターは、一般社団法人ドット道東の代表理事である中西拓郎氏。
ドット道東については、特に地域づくりに携わっておられるのならご存じの方も多いかと思う。いわゆる、「北海道の東、もしくは、右」エリアを「道東」と呼び、この広範囲な地域でさまざまなカツドウをしている一般社団法人だ。
その道東ってこの青い部分。めちゃくちゃ広い。
これだけではピンとこない人のために、これを。
ぼくは3年前にはじめて北見におじゃまし、
昨年10月にも、札幌〜帯広〜中標津〜北見〜札幌の841kmを一周してきた。(その時、取材した原稿がまだできていない。すみません!)
ドット道東は一般社団法人だが、そのカツドウぶりを見ると企業というよりローカルの課題解決のための共同体、と言ったほうがいいかもしれない。
ウェブサイトには、こうある。
熱い。非常に熱い。熱いのだが、ぜんぜん暑苦しくない。参加するメンバーの若い発想と個性豊かな表現力のなせる技か、実にスマートに、かつ楽しく、ぼくなんかには映る。
そして、「住むと決めた場所で楽しく生きたい」というメッセージは、昨晩のイベントでもはっきり伝わってきた。この気持ちを共有することが彼らのカツドウの原動力になっていることは間違いないと思う。
ドット道東では、「オホーツク・十勝・釧路・根室の可能性を掛け合わせ、新しい価値を生み出し、地域の魅力を高める」としているが、これを「道東」というひとつのアイデンティティに統一したいわけではない、というか、したくない。「それぞれのまちの文化やアイデンティティを壊さずにつながる相利共生を目指す」としている。この各自の自律性を重んじる考え方はいい。
そして、それらが連携することで「ハードの整備だけに依らず、文化を醸成していくことで、ヒト・モノ・カネが広域で循環する社会、広域「文化」経済圏」を作ろうとしている。実に天晴なココロザシだ。
それは後述する、みんなが得意なものを持ち寄って一冊にしたという、道東のアンオフィシャルビジョンブック『.doto vol.2』でも、いかにもドット道東らしさとして発揮されている。
で、どんなことをやってるかは、ここに詳しいが、
また、引用すると、
これを図式化するとよく判る。
なにかやりたいことがあっても一人で悶々と悩んでるのではなくて、仲間を得ることで実現へと動き出す。そこをサポートする。
お気づきになったと思うが、実はこれ、チガラボさんやコダテルさんでもやってる「やりたいこと宣言&みんなで応援する会」と同じだ。
こういう、人と人をつないでコトを起こし、それを支援するのがコワーキングの役目だが、それと同じことをドット道東ではコワーキングという形態にとらわれず実践している。共感を禁じ得ない。
コワーキングでコラボが組まれ、ローカル経済を駆動するビジネスがいくつも回ることで、地域経済にも効果を及ぼし、それがまちづくり、地域づくりに貢献する。ぼくが、コワーキングは、畢竟、まちづくりの一手段だというのは、そういうことだが、そういう視点からドット道東を見ると、学ぶべき点が多々ある。
さっきちょっと触れた『.doto vol.2』は、道東に関わる1013人分の「やりたい!」や「なりたい!」、そして「できること」を可視化した、アンオフィシャルビジョンブックだが、その編集方針がいい。
道東に関わる1000人がいれば、それぞれの「理想の道東」も1000通りある。それを無理やりひとつの理想にまとめてしまうのではなくて、それぞれをそのまま表現する。いわく、「バラバラでいい、バラバラがいい」。
この精神に則って、本全体のデザイン上の統一感はない。それでいて、違和感はほとんどない。それぞれのページの担当者の個性が奔放にほとばしっている。そこがいい。バラバラでいい。
で、これもまた、コワーキングの精神とまったく合致する。個々に違うものを持っている人たちが、居場所、仕事場、カツドウ拠点を共にすることで、お互い触発されるものがあり、「知の再結合」が行われ、新しい価値を生み出す。
これがバラバラに起こってるのだが、そのコワーキングで培われたカルチャーがどのプロジェクトにも通底している。
ついでに、面白いのは本のカバーデザインが4種類あって、それを選んで注文することになってる。ぼくがドット道東のことを知ったのは、実はこの本からだが、そういう「選択肢を与える」という考え方にも、ぼくはビビビと来る。
ちなみに、この本の出版のためにクラウドファンディングも実施し、650万円余りを調達した。
で、この本の制作過程のお話が個人的には非常に参考になった、というか、忘れそうになっていたことを思い出させてくれた。
それは、どう進めようか、ひとり考えあぐねていた10年ぶりのコワーキングマガジンの再刊だが、どこから手を付けるべきかが判った。というか、迂闊にもそれまさにコワーキングだった。
このプロジェクトは自分の「やりたいこと宣言」として、昨年、プレゼンした。
これを、ひとり出版社としてやろうと思いつつ、日々のあれこれ(仕事ですけど)で十分に時間を割けず、ネタだけは集まってきているものの、ほとんど記事化できていなかった。それが悪循環していたのだが、やり方を間違っていた、と気づいた。
つまり、『.doto vol.2』と同じ方法を取ろうと思う。ざっくり書いておくと、
・エリアにゆかりのあるヒトを集める
・得意なことを得意な人に任せる
・それらを持ち寄って一冊にする
そうして、我々の考える「理想のコワーキング」を表現する。ポイントは「自分ゴトとして語れる共通体験を作る」ということ。←ここに痺れた。
なんのことはない、いつもコワーキングは「共創」の装置と言ってるが、それを実践するということ。なんで、これを忘れていたのかなぁ。バカバカバカ。しかし、これでスッキリした。
実は中西さんとは、前述の昨年10月のコワーキングツアーで道東を巡った際に、帯広でニアミスしている。そのときは「北の屋台」のある店で名刺交換しただけだった。今回、琴平で再会する機会を得て、聞きたかったことが聞けたし、予想以上のインサイトを得た。誠に有難うございました。
ということで、今日はこのへんで。
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