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【調査】横浜駅から乗換0で、市内の駅の何%に行けるのか?
Yocco18アンバサダーの寒桜です
今年最初の記事は少し趣向を変えて、横浜の駅に関する1つの調査結果を共有します
はじめに
横浜市最大のターミナル、横浜駅
1日平均乗降客数は約230万人にのぼり、これは全世界の鉄道駅で第5位(つまり国内第5位)
さらに、JR東日本・京浜急行電鉄・東急電鉄・相模鉄道・横浜高速鉄道(みなとみらい線)・横浜市交通局(市営地下鉄)の6社局も乗り入れており、1駅でこの事業者数は堂々の日本一です
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このように世界有数の規模を誇る横浜駅に対して、ふと1つの考えが浮かびました
「横浜駅を起点にすれば、横浜市内の大半の駅に乗換なしで行けるのでは?」
そこで、横浜駅を除く横浜市内の旅客駅138駅を対象に、横浜駅から最小乗換数で行ける経路を調べてみました
18区ごとに横浜駅から乗換0回、乗換1回…の順にまとめて、最後に区内の全駅に対する乗換0回で行ける駅数の割合を「乗換0率」として百分率で求めます
それでは早速、横浜駅に近い区から順に見てみましょう
調査結果
・西区
乗換0回
新高島/みなとみらい:みなとみらい線
平沼橋/西横浜:相鉄本線
戸部:京浜急行
高島町:横浜市営地下鉄ブルーライン
乗換1回〜 なし
乗換0率=100%(6/6)
まずは横浜駅がある西区
やはりと言うべきか、すべての駅まで1本で行けます
西区の面積が18区最小であることもあり、遠くても横浜駅から2駅先に収まっています
・神奈川区
乗換0回
神奈川/京急東神奈川/神奈川新町/子安/京急新子安:京急本線
三ツ沢下町/三ツ沢上町/片倉町:ブルーライン
反町/東白楽/白楽:東急東横線
東神奈川/新子安:JR京浜東北線
大口:JR横浜線(京浜東北線直通)
乗換1回
羽沢横浜国大:相鉄本線→西谷→相鉄新横浜線
乗換2回〜 なし
乗換0率=93.3%(14/15)
東西に長い区内に多彩な路線が走る神奈川区
横浜駅に近い東部はすべて1本で行けるのに対し、2019年に西の外れに開業した羽沢横浜国大駅のみ相鉄線内の乗換が必要で、惜しくも1欠けとなりました
大口駅を通る横浜線は東神奈川止まりですが、桜木町発着の直通線に乗れば1本で行けます
ただし直通線は1時間あたり1〜6本と限られるうえ、快速通過駅のためタイミングが悪いと40分以上空いてしまい、東神奈川で乗り換えたほうが早い場合も多いです
・中区
乗換0回
桜木町/関内/石川町/山手:JR根岸線
馬車道/日本大通り/元町・中華街:みなとみらい線
伊勢佐木長者町/阪東橋:ブルーライン
日ノ出町:京急本線
乗換1回〜 なし
乗換0率=100%(10/10)
西区と並んで「横浜の顔」を務める中区
観光の拠点として一大ターミナル・横浜駅との結びつきが強く、乗換0率100%を達成しました
阪東橋は南区役所の最寄駅ですが、所在地は中区 大通り公園と共に南区と真っ二つに分かれています
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赤い点線が区境で、これより北が中区
・保土ケ谷区
乗換0回
天王町/星川/和田町/上星川/西谷:相鉄本線
保土ケ谷:JR横須賀線
乗換1回〜 なし
乗換0率=100%(6/6)
横浜駅の真西にある保土ケ谷区
区内の駅は横浜駅から伸びる相鉄本線とJR横須賀線に属し、乗換0率100%です
その中でも一際存在感を放つのが、相鉄の全列車種別が止まる西谷駅
相鉄新横浜線が開業した2023年、相鉄全体のハブに急昇格しましたが、駅周辺は以前と変わらず閑静な住宅街
この景色もやがて変わるのでしょうか?
・南区
乗換0回
黄金町/南太田/井土ヶ谷/弘明寺:京急本線
吉野町/蒔田/弘明寺:ブルーライン
乗換1回〜 なし
乗換0率=100%(7/7)
横浜中部では珍しく、JRの線路が通らない南区
京急本線とブルーラインの2路線で、乗換0率100%です
どちらも「弘明寺駅」がありますが、両者はルーツが異なる別の駅です
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駅名の元になった「弘明寺」は京急側にある
京急の弘明寺は、前身の湘南電気鉄道の駅として1930年に開業しました
その後京浜電気鉄道、東急湘南線を経て1948年から京急本線の駅になったそうです
駅のすぐ東には名前の元になった弘明寺、西には弘明寺公園があります
一方でブルーラインの弘明寺は、1914年に開業した弘明寺電停(横浜電気鉄道、後の横浜市電)にさかのぼります
電停は1968年に廃止されましたが、1972年、横浜市電に代わる横浜市営地下鉄(当初は伊勢佐木長者町〜上大岡)が誕生したとき、電停とほぼ同じ位置の地下に弘明寺駅として開業しました
京急の弘明寺駅から東に500m程度離れた位置にあり、弘明寺商店街が両者を結ぶように通っています
・港北区
乗換0回
妙蓮寺/菊名/大倉山/綱島/日吉:東急東横線
岸根公園/新横浜/北新横浜/新羽:ブルーライン
小机:JR横浜線
乗換1回
日吉本町/高田:東急東横線→日吉→横浜市営地下鉄グリーンライン
新綱島:JR横浜線→新横浜→東急新横浜線
乗換2回~ なし
乗換0率=76.9%(10/13)
新幹線駅の新横浜を擁する港北区
5社局(JR東日本・JR東海・東急・相鉄・横浜市交通局)の線路が網目のように通る、北の玄関口です
横浜北部を東西に結ぶグリーンライン(日吉〜中山)の2駅に加えて、2023年の相鉄・東急相互直通運転開始に伴い新開業した新綱島も1回乗換が必要でした
・磯子区
乗換0回
根岸/磯子/新杉田/洋光台:JR根岸線
屏風浦/杉田:京急本線
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(6/6)
根岸湾沿いに細長く伸びる磯子区
JR根岸線と京急本線が通り、乗換0率100%です
新杉田駅は無人運転の新交通システム・横浜シーサイドラインの起点であり、金沢八景まで金沢区の海岸線沿いを走ります
なお、京急本線の屏風浦は地図や住所など一般的に「屏」表記ですが、駅名標には旧字体の「屛」が使われています
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・鶴見区
乗換0回
生麦/花月総持寺/京急鶴見/鶴見市場:京急本線
鶴見:JR京浜東北線
乗換1回
国道/鶴見小野/弁天橋/浅野/安善/新芝浦/海芝浦:JR京浜東北線→鶴見→JR鶴見線
矢向:JR東海道線→川崎→JR南武線
乗換2回~ なし
乗換0率=38.5%(5/13)
鶴見駅で乗換が必要な鶴見線が大半を占めるため、乗換0率が一気に下がりました
浅野駅から本線(→安善)と海芝浦支線(→新芝浦・海芝浦)に分岐しますが、すべて鶴見駅を発着しています
一方でかなり異質な存在なのが矢向駅
横浜市内唯一のJR南武線の駅で、川崎市よりギリギリ外側です
電車で行くにはどうあがいても横浜を出る必要があり、横浜の駅では他に例がありません
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尻手駅は逆にギリギリ川崎市内にある
・旭区
乗換0回
鶴ケ峰/二俣川/希望ヶ丘:相鉄本線
南万騎が原:相鉄いずみ野線(相鉄本線直通)
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(4/4)
相鉄本線といずみ野線の分岐点である二俣川駅がある旭区
本線の3駅に加えて、分かれてすぐの南万騎が原駅も入っています
いずみ野線単独の運行は少なく、深夜を除いて本線や新横浜線に直通しています
そのため、いずれも本線の終点・横浜駅から1本で行けて乗換0率は100%です
・戸塚区
乗換0回
東戸塚/戸塚:JR横須賀線
舞岡:ブルーライン
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(3/3)
18区最大の面積ながら駅数は少ない戸塚区
区の大半がJR横須賀線・東海道線の通り道で、戸塚駅と東戸塚駅があります
戸塚はJR横須賀線・東海道線にブルーラインが乗り入れており、横浜市内で横浜駅に次ぐ乗降客数
東戸塚は1面2線の規模ながら周辺人口が多く、1日あたり乗車人員は5万人以上でJR東日本全体でもトップ100に入ります
その一方、舞岡はブルーラインで戸塚の隣駅ですが、周辺はマンションどころか一軒家もまばらで、所謂横浜のイメージとはかけ離れた景色 里山の原風景を残した舞岡公園が有名です
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・港南区
乗換0回
上大岡/港南中央/下永谷/上永谷:ブルーライン
港南台:JR根岸線
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(5/5)
南部の要所・上大岡を擁する港南区
区内の路線は上大岡に乗り入れる京急本線とブルーラインに加えて、南を通るJR根岸線の3本
いずれも横浜駅から伸びており、乗換0率100%です
なお「下永谷」というバス停もありますが、地下鉄の下永谷駅から北に1.7kmも離れており徒歩20分以上かかります
下永谷駅最寄りのバス停は「スポーツ公園前」なので気をつけましょう
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・都筑区
乗換0回
仲町台/センター南/センター北/中川:ブルーライン
乗換1回
川和町/都筑ふれあいの丘/北山田/東山田:ブルーライン→センター南/センター北→グリーンライン
乗換2回~ なし
乗換0率=50%(4/8)
横浜駅から1本で行けるブルーラインと乗換必須のグリーンライン、4駅ずつ半々に分かれました
センター北・センター南を軸にまとまっている新しい街で、全体的にアクセスは良好です
・緑区
乗換0回
鴨居/中山/十日市場/長津田:JR横浜線
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(4/4)
すべてJR横浜線の駅で、桜木町始発の直通線にのれば乗換0で行けます
中山はグリーンラインの起点、長津田は東急こどもの国線の起点に加えて東急田園都市線も通っており、北部との結びつきが強い区です
一方で南側の接続は一切なく、旭区や瀬谷区の北部と合わせて広い空白地帯となっています
グリーンラインを中山から二俣川〜元町・中華街まで通す計画はあるものの、現状目処は立っていないようです⋯
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・金沢区
乗換0回
京急富岡/能見台/金沢文庫/金沢八景:京急本線
六浦:京急逗子線(京急本線直通)
乗換1回
南部市場/鳥浜/並木北/並木中央/幸浦/産業振興センター/福浦/市大医学部/八景島/海の公園柴口/海の公園南口/野島公園:JR根岸線→新杉田→横浜シーサイドライン
乗換2回~ なし
乗換0率=29.4%(5/17)
金沢区の沿岸(新杉田~金沢八景)を走る新交通システム、横浜シーサイドラインの駅が大多数を占めた影響で、乗換0率はついに30%未満
京急逗子線は金沢八景の南で本線から西に分かれる支線で、逗子市の逗子・葉山駅まで伸びています 分かれて最初の駅が六浦で、同線内では唯一横浜市内にある、横浜最南端の駅です
・泉区
乗換0回
緑園都市/弥生台/いずみ野/いずみ中央/ゆめが丘:相鉄いずみ野線
踊場/中田/立場/下飯田:ブルーライン
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(9/9)
区名を冠した相鉄いずみ野線が大半を占める泉区
本線から直通する電車で横浜駅から1本で行けます
その南にはブルーラインも通っており、どちらも藤沢市にある湘南台が終点です
2線は泉区内では交わりませんが、いずみ野線のゆめが丘駅とブルーラインの下飯田駅が、どちらも2024年7月に開業した大型商業施設「ゆめが丘ソラトス」のすぐ隣にあります
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・瀬谷区
乗換0回
三ツ境/瀬谷:相鉄本線
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(2/2)
GREEN×EXPO2027の開催予定地となった瀬谷区
区内の駅は相鉄本線の2駅で、横浜駅から1本で行けます
・栄区
乗換0回
本郷台:JR根岸線
乗換1回~ なし
乗換0率=100%(1/1)
鎌倉市に近く落ち着いた雰囲気の栄区
本郷台が区内唯一の駅で、横浜駅から根岸線で1本で行けます
とはいえ根岸線は遠回りで駅数も多く、東海道線で大船まで行って乗り換えるほうが速いです
その大船駅は根岸線の終点で、横須賀線と東海道線の分岐点であり湘南モノレールの起点でもあるターミナル 北半分が区内にありますが所在地は鎌倉市です
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・青葉区
乗換0回
あざみ野:ブルーライン
乗換1回
たまプラーザ/江田/市が尾/藤が丘/青葉台/田奈:ブルーライン→あざみ野→東急田園都市線
恩田/こどもの国:JR横浜線→長津田→東急こどもの国線
乗換0率=11.1%(1/9)
横浜北西部にある、西区から最も離れた青葉区
ブルーラインの終点・あざみ野以外は乗換が必要で、乗換0率は驚異の11.1%
すべて東急電鉄の駅であり、横浜より川崎や東京との結びつきが強い18区の中でも異色の存在です
まとめ
以上の調査結果を表にまとめました
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横浜駅以外の138駅中、乗換0で行けるのは102駅 割合にして73.9%でした
市内の約3/4の駅に横浜駅から1本で行けるという結果から、「大半の駅に乗り換えず行けるのでは」との予想は的中しました
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区ごとに見ると、2/3の12区で見事乗換0率100%を達成しています
流石は乗り入れ事業者数日本一、と言えますね
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さらに、それ以外の36駅もすべて乗換1回で済む点も見逃せません
北部や西部はアクセスが悪い印象がありましたが、横浜線やブルーラインが手薄なエリアを巧く繋いでいました
終わりに
今回調査してみて、市の大多数をカバーしてしまう横浜駅の想像以上の強さに驚かされました
横浜市が377万人が暮らす日本最大の市に発展したのは、都市部から郊外の隅々まで1本もしくは2本で結ぶ鉄道網のおかげと言えるかもしれません
また、区ごとに個性が出た点も面白かったです
地図で見ると南部はほぼ1本で行けるのに対して、北部は約半数が乗換必須でした 一方で南部の金沢区(29.4%)、北部の緑区(100%)と例外もあり興味深い結果が得られました
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大阪市や名古屋市など、他の都市においても同様に調査して、中心駅からの「乗換0率」を比較するとさらに特徴が見えてきそうです しばらく先になりますが、全政令指定都市を対象に調査した結果をいつか記事にしてみたいです
果たして、横浜市よりも割合が高い都市はあるでしょうか?
最後までご覧くださり、ありがとうございました!