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日々、
ライブが終わって、家に帰宅し、
すぐに最寄りのコンビニに酒を買いに行った。
酒好きの男友達と、故郷にいる女友達と電話をし、おすすめの酒を聞いたのだが、最寄りのコンビニは品揃えが悪い。カルーアすらない。
結局どこのコンビニでも見る角ハイボールと、ビールと、黒いデザインのよくわからない酒を買った。
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つまみに、たこわさと、さけるチーズと、キャベツの漬物を買った。その時点でひどく自分が疲れていることに気づいた。
しかし買ったからには、その全てを堪能しないと勿体無い。
家に戻り、すぐに手を洗った。
風呂に最長4時間ほど入る癖があるので、洗面所は常に何かしらの娯楽で散らかっている。ニンテンドースイッチ、二リットルペットボトル、充電器、など。今は片付ける気力はない。
石鹸で手首までしっかり洗った後、自分の服で拭いた。本末転倒だと、頭ではわかっている。
リビングで、3人掛けソファに寝転がり、すぐに荻上直子監督の「めがね」をAmazon primeで購入し流した。
一つ目の酒を一気飲みした後、キャベツの漬物を半分食べた。二つ目の酒を途中まで飲んだ時に、自分が酔い始めたことを自覚した。
意識がふらつく中、好きなアーティストのSNSを見た。
何も投稿していない。この時期に?
どうせ恋人と、セックスでもしているか、全裸で抱き合いながら七面鳥の丸焼きでも食べているのか、ケーキを体中になすりつけあって遊んでいるか、クリスマスツリーのふりをしている恋人に飾り付けでもしているのだろう。
好きなアーティストが、好きなことをしているのは、おそらく良いことだ。
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バンドメンバーから写真が送られてきた。
良い1日を過ごしたなと思う。スタッフを含めて、二十人、くらいいたのだろうか。
誰かが僕のことを「座長」と言っていたのを思い出した。僕はそんな大きな役割を担えるほどの人間ではない。僕はただ、歌って、眠って、書いて、笑って、人と食事をして、一人で食事をして、泣いて、褒められたいだけだ。
気づけば、映画はスタッフロールを流していた。
3本目の酒も、いつの間にか開けていた。
酔いが回り、汗をかいていることに気づく。
そういえばライブ衣装のままだった。脱ぎ捨て全裸になって、這うようにベッドに行く。
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酒は、年に1、2回しか飲まない。
人前で酔うことも、酔っている人間も、あまり好きではない。
なので、一人で酒を飲むのは好きだった。酒を飲んで眠るのも好きだった。
東急ハンズで買った嫌に硬い枕を壁にぶん投げて、掛け布団を枕にする。
暖房の温度を27度に設定し、三年使っている電気毛布に包まって、目を瞑る。
次第に暑くなってきた。汗をすぐ掻いてしまうので、自分の体は好きではない。
汗だけじゃない。手も、爪も、黒子の多さも、毛も、目も、鼻も、口も、歯も、首も、胸も、腹も、足も、指も、全部が嫌いだ。
僕は僕ではない何かになりたかった。だからこんな仕事をしているのかもしれない。
そんなことを考えてしまい、すぐには眠ることはできなかったのだが、アレクサが読み聞かせてくれたので、意識はすぐに途絶えた。
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朝、喉は枯れていた。今年は喉を使うことはないので、まあ、良いだろう。
ペットホテルに預けていた犬が夜に帰ってくる。なので今僕は一人ぼっちだ。それは随分懐かしいことだった。犬が来てから、僕の生活サイクルは犬を中心に回っていたのだから。
暇だったので、3ヶ月ほどライブを言い訳にしてやらなかった家の掃除を、全裸で音楽を聴いて踊りながらやった。サカナクションの「忘れられないの」は、とても踊りやすいということがわかった。
掃除に飽きて腹が減ったので、風呂に入ったあとサイゼリヤに行った。
家族連れが多かった。部外者のような気持ちになりながら、一人席に座る。
モッツァレラのサラダ、ほうれん草のソテー、エスカルゴのオーブン焼き、モッツァレラトマト、ダブルサイズのアロスティチーニ、ドリンクバーを頼んだ。
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隣の席の女性が、小説を読んでいた。文庫本だ。何を読んでいるかはわからない。
それで思い出した。僕は小説を書いていた。
ライブの準備ですっかり忘れていた。
毎日が続く限り、僕は僕を辞めることはできない。物を作り、売り、そして作り、売り続けなければならない。
しかしそれに恐怖はない。やりたいからやっているし、やるしかないからやっているのだ。
やらなければ、僕は僕を保つことが出来ない。
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女性が出て行った。
時間を見ると一時間半も立っていた。女性も本を読み終わったのだろう。
僕も小説の続きをかかなければならない。
しかし、コーラを飲み終わる前に、好きなアーティストのインタビューを見てしまい、その人が潔癖症気味であることを知った。
潔癖症と断言したわけではないが、潔癖であると断言しているような答え方をしていたから、そう思った。
これではいけない。
まずは家に帰り、飽きて中断した掃除の続きをしよう。
そして、常に清潔でいるように心がけよう。
いつ死ぬかわからないように、いつ推しと会えるかわからないのだ。五分五分の確率なら、ぜひとも後者が良い。そう願うなら尚更、僕は清くならなければならない。
ん?なぜ、「いつ死ぬかわからないように」なんて考えたんだろう。
そろそろ死ぬのだろうか。それとも死にたいのだろうか。
ふと、考えるのも面倒くさくなり、コーラを飲み干し、氷を噛み砕いて飲み込んだ。
好きなアーティストは、氷を噛み砕く人間は好きだろうか。と頭をよぎったが、それすら考えるのも面倒くさくなり、サイゼリヤを出た。
日々、
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ライブのアーカイブ視聴は12/25(月) 23:59まで
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2023/12/25