カンザキ局員の身体診断報告

所属名:カンザキ(神崎)
所属部署:研修課

入社後、医務課で行われている健康診断他、当局員の能力調査を行った。

まずは健康診断の結果より。
容姿その他身体的特徴ではほぼ「ヒューマノイド(所謂人間)」であり、機械部品などを用いた形跡などは一切見られなかった。
ただし、通常のヒューマノイドとは大きく異なる点が2つあり、本人もヒューマノイドであることを否定している。(本人は自らを竜(龍?)といっており、「ドラゴニュート」と推測することが出来るが、特徴などに不一致な点が多く存在するため、正式な決定は行わず現在は亜人種と定義づけることになった)

異なる点についてだが、まず一つは生体電気の生成量が尋常ではないほど多く、またそれらを蓄電することが可能であるということだ。
普段から帯電しているというわけではなく、おそらくは本人の意識でこの電気は操作することが出来、科学の仕組みに応じた運用をすることで様々な応用を利かせることが可能なようだ。
普段は問題が起きたことはないのだが、感情が昂った時に時折制御から外れたと思われる電気が身体から発せられ、周辺の機械等に変化が起こったり、静電気が発生するということが記録に残っている。
本人の運用方法としては、開発部に依頼して作成したサポートアイテムの起動をしたり、スタンガンのように対象に電気を流す、また電気的なロックを施されている施設への干渉なども可能なようだ(プログラム的な制御の場合、現在は打つ手がないと本人談、おそらくは鳥居に戻る前の世界で会得した技術と思われる)

もう一つは、入社時に行われる残機システムの登録にエラーが起きたこと…その他、オーパーツとの相性が比較的悪いことである。
別にオーパーツが壊れたりということはないのだが、残機システムであれば登録された情報がエラーまみれとなり、一切の使用ができないのである。
またこれに関連しているのかは不明であるが、彼女は約50年前(CC1970付近)よりこのヴィルーパでの存在が確認されているが、その時点と容姿は今も変わらず、また当時と運動能力に一切の変化が見られない、通常のヒューマノイドであれば異常なことである。
例えるのであれば、まるで彼女だけが制止した時間の中にいるかのようである、しかし怪我をすることもあれば生物に必要な生理現象もあることはあるようなので、その例えそのままと考えるのは決して適切ではないだろう。

最後に能力について、基本的な身体能力はヒューマノイドの成人女性平均より多少ある程度である。目立った部分としては反射神経が驚愕するほど高いことと、柔軟性が体操選手並みに高いことであろうか。
身体能力に関しては詐称なく上記の通りであることは確認済みだが、驚くべきはその活かし方のほうであり、通常身体能力とは握力などの直接的なものでない場合、50%近くの能力は無駄に扱われるのであるが、彼女はそれをほぼ100%発揮して行動することが出来るのだ。短くわかりやすく言うなら「驚異的な技術力をもって体を制御している」という一言に尽きる。
入社前でもその柔軟さを活かして活動をしていたようだが、入社後は開発部が作成したサポートアイテムも活用し、現在では研修課の活動の他諜報観測なども行っているようだ。

                    医務課:⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

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