忘却のかき氷
『忘却のかき氷』
※この文章は 2020年に書いたものです。
食べて思い出すコトもあれば
食べて忘れるコトもある。
今回は 最近 気がついた
食べて忘れるコトを書きたいと思います。
今年に入ってから
かき氷を食べたいと思う回数が減っています。
自分でも不思議に思っていたんだよね(笑)
前は あんなに欲していて
仕事の打ち合わせと 打ち合わせの合間…
少しでも時間が取れれば かき氷 目掛け
浅草の吾妻橋を 全速力で走り渡っていたのに。
それが今。。。
週末 食べに行ける時間があっても 食べに行かない。
かき氷に対する感情が覚めてしまったようで
ものすごく怖いです。
『忘却のサチコ』ってご存知でしょうか?
先日 念願叶って
ドラマ版の『忘却のサチコ』を 全話
見ることができました。
結婚式当日 婚約者に逃げられた サチコさんが
相手を忘れるために
美味しいご飯を 沢山食べる話です。
サチコさんが 面白い。
ご飯が美味しそう。
でもね。。。
私が このドラマに 引き込まれたのは
相手のことを どれだけ好きだったか。
相手が与えてくれた物事が
どれだけ特別だったか。
それを 自分はどう感じていたのか? を
回数を追うごとに サチコさん自身が
実感していくところです。
美味しそうなご飯に ヨダレを垂らしつつ
切なさで 涙も出ちゃうから
毎回 水分補給は欠かせない ドラマ鑑賞となりました。
最終話で サチコさんが
相手を忘却するために食べてきた
ご飯を語るシーンがありまして
あのシーンを見ていた時に
気付いてしまいました。。。
私も 忘却してたんだってコトに。
2018年頃から 日々の生活に行き詰まっていて
このままだと自分を 見失ってしまいそうだから
どうすればいいのか? 悩んでいたんです。
その頃に食べた かき氷。
日々の辛さから解放されるような感覚に陥り
食べている時は 前向きになれた。
かき氷のことを考えて
かき氷に向き合っている時だけが 幸せ。
自分の時間。
自分へのご褒美。
日々の辛いことや 悩みなんて 全て忘れられる!
そんな『忘却』タイムだったんです。
サチコさんの姿と
自分が少し重なってしまいまして
最終回を見た夜は
久々に 枕を涙で濡らしました。
今の 私には『忘却』したいコトがない。
だから かき氷を 前ほど食べたいと
思わなくなったのですね。。。
もちろん。
かき氷が 嫌いになったわけではないので
マイペースに食べ続けると思うのですが
これからは『忘却のかき氷』ではなくて
『至福のかき氷』にしていきたいと思います。
一年中 お口と胃袋を冷やす準備はできている。
しかし 心の温かさは 忘れない!
ごちそうさまでした。