Colad スナップリッドシステムを取り寄せてみた
ここ10年、センターカップスプレーガンが普及した感凄くありますよね。
一昔前はアメリカやヨーロッパはセンターカップが主流で、日本などのアジアはサイドカップが主流というイメージでした。
単にカッコいい!というのもありますが、自動車のボディーカラーに高難度塗色が増え、従来のスプレーガンだと再現が難しくなっている為高機能なハイエンドセンターカップガンの需要が高まっている点。
職人の世代交代が進み、よりグローバルな視点や従来の固定的な職人の考えからは違う角度で鈑金塗装を見直す職人さんが増えている点。
例えば今までブラックボックスに近かった鈑金塗装の作業内容を動画サイト等にアップして見える化することで途中作業自体の価値に意味付けをしたりする職人さんが登場したりしています。
他にもSNSで容易に国内外のペインターさんが使いこなしている様子などが手のひらでチェックできるため物欲をそそられる。というのもあるかと思います。
自分なんかは基本自分が使いやすいだろうと踏んでセンターサイド問わず買って使ってみます。たまにCDのジャケ買いのように、カッコいい!と思ったガンを買ったりしています。
前置きが長くなりました、
そんなセンターカップスプレーガンに欠かせないのが、3MのPPSを代表に各社からラインナップされている使い捨て(ディスポーザブル)調色兼塗装カップだと思います。
PPS普及以前の塗装システムを簡単に説明すると、
調色するだけのカップで塗料を調色をして、いざ塗装の時にはスプレーガン付属の純正リユーザブルカップに別売りのストレーナーを通して塗料を移し塗装する。
というのがスタンダードなやり方でした。
(今も普通にこの方が簡単な場面はあります)
しかし、PPSの考えは、
「どうせ調色カップ捨てんだから、塗装用カップとストレーナーも兼任させればよくね?」というエコロジーかつタイパ的考えから来ています。
たぶん。
自分なんかは
「もったないなー(物質的にと割高感)」
という安直な理由で特に導入する予定はなかったのですが、いざ使ってみるとなかなか優れもので「なるほどなー、やっぱでかい会社のやることはすげーわ」←なにが?
というマジでとりとめのない無難な感想を漏らす次第でした。
ただやっぱり物質的に、PPSのリッド部分がもったいなくて、だってねじって留める部分までその都度棄てる。というのがどうにもこうにも気がかりなんですよねー。
ほんとにエコなのかよ!とすら思うほど購入時の箱も、出るゴミも嵩張ります。
そんなことに疑問を感じながら次に登場してきたRODIMのも使ってみました。なかなかこれも良くて、ねじって留める部分は何度も使えて経済的ではあります。だけどカップとリッドの密着が良くてつぎ足し時に外しづらくね?
という部分が気がかりになっていきました。
かといって従来のトヨリヤマさんの調色カップの使い勝手もよくて捨てられず色々使っている。という現状です。
ですがそこでふと、以前RODIMのUVセットに付属していたカップシステムを思い出し工場内から発掘し使ってみたところ、コレがなかなか良いじゃないの!
で色々調べて当時購入した材料屋さんに聞いたりしたのですが、既に廃盤。
ですがなんか諦めきれず、海外サイトをウロウロしてる時に良く似たColadのスナップリッドシステムを見つけました。
結論探していたRODIMの物と全く同じ物と言うことが今回取り寄せて判明しました。
(おそらくRODIMがColadのOEM)
このスナップリッドシステムの何がいいか?
それは他のシステムと比べて構成パーツが少ない。という事です。
シンプルにリッドとカップのみという構成です。
ハードタイプのカップにストレーナー付きのリッドを被せるだけでオッケー!
なので簡単に準備できる事。
継ぎ足しも蓋を開けるだけという手軽さ。
PPS系なようなネジってロックさせるような安心感はありませんが、蓋を閉めるだけで必要十分な固定感があります。
それとPPSのような柔らかいインナーカップはないので、中の空気を抜いて密封状態にし、ガンを逆さまにして塗装するというやり方はできません。
ですが、Coladは密封状態での塗装のデメリットを以下のように説明しています。
”なぜ重力送りシステムを使用するのですか?
真空システムでは強い圧力がかかるため、濾して取り除きたい粉塵や大きな塗料粒子の一部が、強い圧力によってフィルターを通過してしまいます。Colad Snap Lid System は、スプレー中にすべての粒子が濾過されることを保証する重力供給システムです。重力供給システムは、オリジナルのスプレーガンの設計とエンジニアリングに基づいているため、連続的かつ一定の材料出力も保証します。”
Colad HPより
各社物は言いよう。とは言いますが、確かに圧力のかかる状況ではフィルターをゴミが通りかねないよな。と思うのも確かです。
この辺はお好みで。
で、各メーカーのシステムを使う場合はシステムに応じたガンとリッドを接続するためのアダプターが必要ですが、このスナップリッドシステムも例外なく専用のアダプターが必要になります。だいたい1つ10£ぐらいです。
ラインナップは
88ml、350ml、700ml、900ml
の4つの容量パターンに
90μ、130μ、190μ、280μ
のストレーナーを組み合わせになっています。
Coladホームページ
一番のネックは現在ヨーロッパから取り寄せる以外手に入らない事。
送料と関税がめっちゃかかります。当然ですが、為替の影響ももろに受けます。
自分はイギリスからなのでポンド(£)
取り寄せたときの為替レートは 1£=183円ぐらいでした。(2023/07/02換算)
たけー!!!!
350mlのカップリッド50セット1箱を現地購入だと47£=¥8225 ほどなのですが、コレを日本まで取り寄せると送料だけで50£以上=¥9150かかり、(この時点で品物より送料が上回る笑)さらに関税が¥7,700という感じで送料と税金で1.5万程必要になります^^;
そこまでして買う必要は正直無いのですが、好奇心から取り寄せて使ってみる価値が自分にはあると思ったので取り寄せしてみました。
今回は各サイズ取り寄せたのでしばらく使ってまた感想を書こうと思います。
まだまだ海外には楽しそうな鈑金塗装資材が沢山眠っているので余裕のある時にボチボチ輸入しよっかなーと企んでいます笑
そろそろ国産のこういうシステム作っても売れそうな感じするんだけどなー
ヨトリヤマさんとか作ってくんないかなー