MAZDA46G塗装を失敗しないコツ

この記事の前編「MAZDA46Gを補修して感じた必要な失敗とは」を読んで頂くと話がより掴めます。


先に46G攻略の要点は、
・新品パネル、ぼかしパネル共にしっかり塗装肌を落として平滑な面にしておく
メタリックベースはウェットさせず、ゆーっくり4コートしながらミストを置いてくる
に尽きます。
 塗装前に動画やマニュアルで予習しましたが、メタリックベースの表面がどんな感じか?を詳細に知ることができませんでした。ミディアムコートや薄く均一などの表現も、マニュアルを作成した人と実際の現場で今塗装しようとしている人では捉え方に幅が出るため曖昧になってしまい自分にはよく分かりませんでした。
また、各車体ごとの色の個体差(メタルの並びや色味、年式)があると考えれば一概にこのやり方さえすればいい。という訳ではないのも理解できるはずです。
あくまで今回の車体(R2年式 CX-30)はこの塗り方が適していた。に過ぎません。

 今回使用した塗料、センタリ6000の場合の塗装工程は、
・ベースカラーのブラックを2コート
・メタリックベースを3~4コート
・クリアーを2コート
の計8コートする必要があります。
しかもぼかしの場合、各コート間にミッドコートを挟む必要があり、メインの塗装の8コートにミッドコート4回の全12コート程の工程になります。

 その間も常にゴミ付着のリスクに注意しながらメタリックベースを薄膜で均一な塗膜に仕上げる必要があるため、細心の注意を払う作業が長時間続き、失敗すると最初からやり直すという不安が付きまといます。

 主な修理はリアドア取替ですが、塗装範囲は側面4パネル
フロントフェンダー・フロントドア・リアドア・クオータを想定しました。
その理由はコート数の多い塗装ほど、ぼかすために必要な範囲が広がることになるからです。
例えば、水滴を落とした時にできる波紋のようなイメージで修理部分を中心にコート毎に外側へ塗装をしていき補修の色をなだらかにグラデーションさせて目立たなくする。というのがぼかし塗装の仕組みです。
ですのでコート数が増えるほどより広範囲への塗装が必要になるのを想像できるのではないでしょうか。

 そして何よりこの塗装で一番避けたい失敗は、側面塗装をやり直す事です。なのでぶっつけ本番をする前にリハーサルをしようと思い、前の記事でも触れた通り以下の方法で塗装を進めました。

最初から側面塗装。という前提だったのでザックリの考えはこうです。

ある程度調色した時点で新品パネルをブロックで塗装し、色の方向性やメタルの並びを確認補正した後、側面塗装ではリアドアごとメタリックベースから塗装をスタートして周辺パネルへぼかすことができるのではないか?という感じです。

範囲の広い側面塗装で、すでに近似色に塗装してあるリアドアであれば第一ベースのブラックをパスしていいのではないか?そうすればその分ミストやゴミのリスクを減らせるし、隣接パネルのオリジナルの塗膜を活かしながらぼかせて過剰なザラザラミストになることも防げるのでは?
それができれば46Gはコート数が多いのに膜厚は付けられない。というジレンマからも解放されます。

実際の手順としては、そこそこ調色を済ませた段階で(この時は完全を目指さず)テストピースに塗装した通りに実物を塗ってどうなるか?(色やメタルの感じ)を見るための様子見のブロック塗装をクリアまで塗ります。
(CC6750が硬化が早く側面塗装工程での塗膜トラブルのリスクが少ない)

塗上がったパネルを取り付け、外で隣接パネルとの色の違いやメタル感を確認します。そこから再度微調色と塗り方を調整して側面塗装をします。
ここで得たテストピースとリアドア、そして実車との違いを側面塗装前に補正し本番に活かしましょうという事です。

さて、側面塗装に移る訳ですがこの塗装の肝はメタリックを塗りません。
”塗る”と表現するとウェットをイメージしてしまうので使いませんでした。
”塗る”のは第一ベースのブラック(側面では省略)と、最後のクリアです。
つまりメタリックベースを塗った瞬間失敗です。
外国のペインターがYouTubeで46Gを塗っている動画をいくつか見ましたが、恐ろしくベタ塗りフルウェットなので真似するのは控えたほうがいいと思います。

肝のメタリックベースは塗らずにミストを置いてくる。とか、ミストを隙間なく敷き詰める。のようなイメージです。
ドライ寄りのミディアムコートぐらいの感じじゃないと特有のペタっとしたメタリック感の無い無垢の金属みたいな塗装になりません。
ミディアムコート(50)という表現が、ドライコート(0)とウェットコート(100)の真ん中の位置付けだとすると
、46Gのメタリックベースは限りなくドライ寄りのミディアムコート(10)というイメージです。ギリギリしっとり程度です。
文学的に言うと「限りなくドライに近いウェット」と言う感じでしょうか。

条件を変えてテストピースを10回ほど塗って(ブロック前7回・側面前3回)分かったのですが、ウェットさせると途端に塗りあがりのコントラストが無くなり普通のシルバーのようなギラギラになってしまいます。

テストピースを塗る中で得たものは、
・ガン距離50cm離す
・10cm進むのに1秒
・パターン9割重ねる

できるだけこの塗り方を意識すれば無垢な金属の質感に近い塗装になることがわかりました。これはメタリックベースを塗るとき限定です。
またミッドコート→メタリック→タッククロスをコート毎に実施するのにも気を遣いました

ガン選定も側面を塗装する前提で選びました。
テストピースも同じガンで塗装しています。
使用するガンに求められるスペックはパターン幅が広く、塗料を均一に微粒化してくれて、それなりの容量がある物が望ましいです。また、今回使用したガンは絶対ではなくウチにある中で46G塗装に相応しいと思われるガンを選択しました。
ですので塗装対象に求められるスペックを満たしているガンであれば各自使いやすいものを使うのが良いと思います。

塗装環境、使用したガンと塗料
11月晴れ 気温19℃ 湿度60%
TD3Pro 25℃

カラーベース   Meiji ファイナーコア1.3 (ブロック塗装時使用)

メタリックベース ANEST IWATA WS400evo 1.3HD
         全閉から吐出2.5回転開 パターン全開から2.5回転閉

アクサルタセンタリ6000 (%)シンナーは385遅乾
カラーベース  BK220 シンナー
  100     10   80
メタリックベース BK220  シンナー
  100      5    300

結果、ガンの性能と最初のブロック塗装に助けられたとはいえ、側面ぼかし塗装にはかなりの時間がかかりました。(3.5時間程)

初めてなので慎重に進めたのもありましたが主にメタリックベース用の塗り方の
・ガン距離を一定に保ち、ゆ~っくりコートする
・コート毎充分なセッティングとその後にタッククロスをかける(余計なミストは除去する)
が特に時間が必要とされる作業だと感じました。

塗装を終えて、ブロック塗装の時に比べてかなりオリジナルに近い雰囲気を再現できたと思います。ですが一番はやはり気を遣う塗装です。心身共に結構疲れました。

46G塗装時の参考になれば幸いです。

では。

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