【ADVPCG】2022年の海外オンライン大会のデッキについて【RS-PK】
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はじめに
今回は5月2日にTCG ONEで行われたADV・PCGシリーズのオンライン大会「EX Mega Battle – May 2022」の結果や使用デッキについて記事にしようと思います。時差の関係などで自分を含め日本人参加者はほとんどいないように思えますが、賞金が出ることもあって参加者は25人と多く、使用デッキも優勝に向けて考えられたものが多くあるように思うので参考になるところもあると思います!
大会の結果やレシピは こちら から確認できます。
また大きな大会は年1回開催で今回2回目のようですが、通常の大会は頻繁に行われていて結果は こちら から見ることができます。
ほとんどが海外のプレイヤーのデッキで、PCG発売当時から日本のトレンドとはまた違った風に改良されているデッキが多くあるので比べてみるのも面白いでしょう。
大会ルールはこのような感じです。リンク先に詳細があります。
・ADV1-WCPまで、勝利のリングや劇場版など日本限定の一部使用不可
・デッキは事前に登録したものから変更不可
・各対戦は二本先取
・スイスドロー5回で上位8人を絞ってからトーナメント
・1ゲームの制限時間は設定されていないが、各ターンの操作や着席が遅すぎる場合は警告やゲームロスがある
現代PCGの流行、オドシシ(PCG4)多投
前提として重要なので先にオドシシについて触れておきます。
自分で確認できたのは去年からですが、TCG ONEではオドシシを3~4枚採用し初手から複数体連続で「つきおどす」をし続けてくるデッキが流行しています。漂流者を通してすぐに封印の結晶を付ける動きもほぼ共通しています。
このシリーズの区分ではサポーターもトラッシュできるため何体か連続で使えれば事故を誘発できます。暴風やワープポイントを捨てさせて封印の結晶を維持したり、ふしぎなアメやポケモン回収装置を捨てさせるのも理想的な場を作るのを邪魔してきて厄介です。
また「あやしいなきごえ」も意外と厄介なワザで、1体だけアタッカーを用意できても混乱チェックを何度も強いられると押し切りづらいです。
他に封印の結晶やスタジアム、エネルギーリムーブなどを回収するマイナン、出したくないポケモンを呼びだして後にマジックハンドで縛るのにも役立つアンノーンEも採用されやすいです。オドシシやこれらに共通して言えるのは放置するとデッキのリソースを消耗させられ続けることで、なるべく早くきぜつさせる必要に駆られることで、結果的にサイドを先行されるのでマジックハンド等のカードも活かしやすいのが厄介です。
私のミュウロックのデッキ紹介でも紹介したことがあり、以前から有力カードの一つではありましたがミュウexで使う選択肢の一つや、終盤の幹部と組み合わせてのピンポイントの使用という役割が多いのと比べて初手からゲーム全体で使用していく違いがあります。
今までなぜこのような使用例がなかったのかというと、当時のイベントでの使用を前提にすると制限時間の関係で勝ちきれないから検討が進まなかったことが考えられます。
しかし順調にゲームを進められれば相手の手札はかなり減っており、ポケパワーを使えるポケモンもきぜつしているか封印の結晶が残っている場合が多く1ターンにかかる時間は減るように感じます。
お互いにスムーズにゲームを終わらせる意識があれば普通のデッキと比べてそこまで時間がかかることはないようにも思います。
オドシシの流行によってポケパワーやトレーナー(のちのグッズ)で展開していく動きが失敗しやすくなり、他のデッキにも影響を与えている場合があります。また直接関係ないものの、相手のエネルギーに干渉するカードが併用されることが多く、ホロンのポケモンのデメリットも出てきています。
DPシリーズ前半にアブソル(DP3)が流行したときに感覚は少し近いですが、アブソルほど無差別に使える性能ではないので立ち回りは考える必要があります。
使用者25人のメインポケモン・デッキタイプ集計
まず参加者全体の使用デッキを確認しどんな環境だったのかを見ていきます。元のサイトにもメタゲームのページがあります。
ポケモン別
6:黒バンギマイン(ピジョット1、なし5)
3:悪いマインカイリュー(すべてRニューラメイン)
3:ナッシーライチュウ
1:ハリテヤマex
1:サーナイトex(ピジョット)
1:オドシシラッタ
1:オドシシバクーダ
1:オドシシレックウザexδ
1:ウインディexヘルガー
1:カメルギア(ピジョット)
1:アーマルドグラードンex
1:フライゴンδナッシーδ
1:ラフレイハ(ミロカロスδ)
1:アリアドスブースター
1:メガニウムメタグロス
1:ライボルトexデンリュウ(ピジョット)
こちらで独自にレシピを見て展開ポケモンが入っている場合は記載しましたが、バンギデッキは日本ではピジョットやマグカルゴが入っている方が多いと思われるもののこの大会では入っている方が珍しいです。
いま日本のADVPCGユーザーで対戦会をした場合に複数人使用しそうなアブソリューション(ブイズexとアブソルなどのたねexのデッキ)がいないなどの違いも見られます。
戦法別
主観で系統別にどのようなデッキ配分だったかもまとめてみます。
サイド先行型(主に1匹のポケモンに大きなダメージを与える動きがメインと思われるもの) 13/25
3:マインカイリュー
1:ハリテヤマex
1:サーナイトex
1:ウインディexヘルガー
1:カメルギア(ピジョット)
1:アーマルドグラードンex
1:フライゴンδナッシーδ
1:ラフレイハ
1:アリアドスブースター
1:メガニウムメタグロス
1:ライボルトexデンリュウ
逆転型(ベンチへのばら撒きや手札・場への妨害がメインのもの) 12/25
6:バンギマイン
3:ナッシーライチュウ
3:オドシシ
どっちに分類するか微妙なものもありますが、攻撃方法による分類は半々くらいかなと思われます。
結果から振り返れば正面から殴り合いをするデッキはカイリューは多いもののばらけているため素のデッキパワーの高さが求められそうです。
また逆転・妨害系のデッキは闘弱点にかなり偏っており、Rニューラが多いことを加味しても闘タイプのアタッカーが入っている方と有利に戦えそうでした。
ポケパワー別
またベンチにポケパワーを毎ターン使用するようないわゆる「展開ポケモン」を置くかどうかでも比較してみました。どのラインまでを展開ポケモンに入れるかは微妙なところですがエネルギーを手札へ系は入れていません。
展開ポケモンあり 9/25
1:バンギマイン
3:マインカイリュー
1:サーナイトex
1:カメルギア
1:ラフレイハ
1:メガニウムメタグロス
1:ライボルトexデンリュウ
展開ポケモン無し 16/25
5:バンギマイン
3:ナッシーライチュウ
1:ハリテヤマex
3:オドシシ
1:ウインディexヘルガー
1:アーマルドグラードンex
1:フライゴンδナッシーδ
1:アリアドスブースター
この比較では極端に差がないものの、やや展開ポケモンなしのデッキの方が多かったです。
前述しましたがバンギがメインと初手用カードのみで構成されているデッキが多いのは特徴的です。
国内の大会によっては必要な相手に当たったら諦める前提で本来必要な暴風やワーポを入れずにデッキパワーをあげるという作戦が有効なこともありますが、この大会においては妨害を意識した構築は必須なようです。
上位5つのデッキレシピと考察
次に上位5名の方のデッキレシピがちょうど違うポケモンがメインなので、これを見ながら勝手に推測・検討したいと思います。
1位 Tord Reklev さん オドシシレック
オドシシデッキの中で一番最初に定着した黄レックをメインアタッカーにしたタイプです。
オドシシで相手の手札や場を弱めてからベンチ攻撃をするのは合っていますし、たねポケモンで用意しやすくポケボディーも働きやすいです。
場に残っていると厄介なピジョットを素早く処理できるなど純粋な攻撃力が高いのも魅力的です。
漂流者でサーチできるのでサポーターや道具は色々な種類をタッチして状況に応じて選ぶようにも組めますが、このレシピはシンプルに効果の高いカードを入れています。
たねポケモンをサーチするカードは他のデッキであまり見られないだいすきクラブが使われています。導師でHP110の黄レックが取れず、マユミも雷1枚、オドシシ1枚しかサーチできないので一番マシなものと言えるでしょう。
このレシピには採用されていませんがエネルギーリムーブもよく採用されます。
2位 Frosty さん バンギマイン
以前紹介した自分のバンギマインと異なるところも多いですが、このような構築がTCG ONEでは主流になっています。
まずわるいサナギラス(HP80)がかなり多く採用され、ふしぎなアメが少なかったり入っていなかったりします。これはオドシシやライボルトexに対してはトレーナーであるアメを経由するのが不安定なうえ、サナギラスの地点で悪エネ+10やマヒで互角以上に戦えるのが大きいためと考えられます。バンギデッキ自体がサイドは負けながらスピンテールをするデッキで少し進化が遅れてもごまかしがききやすいのもあるでしょう。
またヒーリングエネルギーも多く採用されています。これもオドシシデッキに有効で、ワーポはつきおどすでトラッシュされてしまう一方でリムーブ効果が多いため総数の水増しになり、オドシシの混乱効果も対策できるためだと思われます。バンギはエネエネボンバーとおしつぶすで特に活用しやすいですが、他の非ex進化ポケモンのデッキでもたびたび採用されています。
3位 Jason Klaczynski さん オドシシバクーダ
実際のPCGシリーズの世界大会で結果を残されたJasonさんはかなりこのサイトで積極的に活動されています。
このデッキはバクーダ(PCG2)が採用されており、ドンメルのメラメラはリムーブ・マジハンと組み合わせるとさらに強力で、バクーダはばくれつだんのベンチ攻撃に加え、かねつも加速しづらいオドシシを連続で使うつなぎとして最適で、リムーブ効果が多用されるミラーマッチにも役立ちます。
封印の結晶をつけることもでき、1進化やバトル場への圧力がかからないデメリットを加味しても最も相性のいい相方の1つといえるでしょう。
このレシピには入っていませんが定番といえるマイナンや、たねにつけられないもののバクーダが大幅に使いやすくなるスクランエネもよく採用されています。
サポーター配分は手札を捨てることがデッキ圧縮、かねつへの応用、ミラーでまったく捨てるカードがない場合がよくある等デメリットとメリットが複雑で、ホロンサポ・TVレポーターと他のドロソや導師とだいすきクラブの選択はどれがベストかはかなり難しいです。
4位 BIGGIE さん サーナイト
ポケモンは比較的いまの日本でもよく見られる配分ですが、その他は少しずつ違う点も見られます。
カメックスδは私のジュカインデッキでも使用していましたが、弱点を消しつつ主要な闘弱点を一撃で倒せる60ダメージも出せる便利なカードです。2進化exを使う色々なデッキで検討されるでしょう。
エネルギーはリムーブ系やクリスタルビーチが多いためδレインボーやレインボーといった1個で色付きのものが多く採用されています。サーナイトデッキはかえんだまとエネスイッチで2個分のホロンのポワルンを移動する動きが特有の強みとしてあると思うので1個のエネルギーの比率が上がるとデッキの最大値が落ちる恐れもあり、有用ながら枚数配分は難しそうです。
またホロンのサポーターではなくマユミでたねを展開する構築になっています。ライボルトexなどのトレーナーロックやオドシシなどのハンデスが増えてくると主流になるサポーターも変わってくるのかもしれません。
5位 ahoodedman さん マインカイリュー
近年のPCGシリーズ環境では人気が出てきているデッキタイプで、私の記事でも取り上げたことがあるのですが、このレシピをはじめTCG ONEではニューラを主力にしたものが圧倒的に多いです。ニューラはデッキにあってはいるもののHPが低く非exと1:1交換になりやすい点や悪以外の優秀なシステムポケモンを置きづらいといったデメリットがあって自分の評価は低かったです。
しかしオドシシ系デッキをはじめ入れ替え手段が少ないデッキはひきずりだすで序盤の動きを妨害できる点や、頻出する黄レックを一撃で倒しやすいのが有効な気はします。またホロンのポケモンの扱いづらさやカイリューがメインアタッカーの場合無色弱点や祠で載ることが環境にあっていないなど、色々考えさせられます。
おわりに
今回は記事のまとまりの都合で上位5名のデッキのみ取り上げましたが、その他のデッキも個性的なものが多く、まだ見てない方がいたらLimitlessの際ともぜひ見てみましょう!このレギュ以外でも古い時代のカードの大会が行われていますし、アイコンや画像でも表示されるので自分のように英語が苦手でも情報はつかみやすいです。
今まであまり話題になっていなかったデッキが流行ってきたら、そういったものの紹介の記事もまたやっていきたいと思います!
PCGデッキのまとめ
https://note.com/kanten620/n/n0f54f94af7e0
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※カード画像やデッキレシピ画像は
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(https://pcg-search.com/card/search.php)
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