【PCG1-PCG8(ADV1-PCG9)】わるいヤドキングの概要とジラーチ型のデッキレシピ
今回はわるいヤドキング、略して悪ヤドをメインにしたデッキについて紹介します。
デッキの概要
初手はヤドンの「へんなねんぱ」やジラーチの「ほしのねがい」などを使い、極力2ターン目にわるいヤドキングに進化して「ポイすて」でサイドを取っていく速攻デッキです。サポーターやヤドキングの「アイテムサーチ」を使いながらコストになるカードを供給します。デッキに捨てる道具がなくなってきたら最大ダメージになる「リサイクルブロー」に切り替えます。
悪ヤドや秘密メカが出たPCG3から組めるデッキですが、ヤドキングや道具が増えたPCG4から少しずつ組まれるようになったと思います。最初の頃はとても目立たないデッキだったように感じますが、封印の結晶や漂流者が出て有力デッキに弱点がつけるようになったPCG後半からが特に存在感がありました。有利不利がはっきりしているデッキですが、地区大会で優勝している例もあり十分大会で使う候補になるデッキといえるでしょう。
今回は60枚デッキの紹介ですが、ジラーチを入れたものはハーフデッキでも人気でよく使われていました。
ADVのカードはほとんど使わないのでPCG以降のレギュレーションでも使えます。
DPシリーズになってからはインフレについていきづらくなってきましたが、一方的に弱点がつけるデッキも残り続けていたので意表を突く形ではしばらく実用に値するものだったと思います。DP2後半で確立されたハピナス単が非常に厳しく、続いてDP3でのアブソルも抵抗力とハンデスが相性が悪く、このあたりで役割を終えたといえるでしょう。
このデッキの強みと有利な相手
メリットが仮想敵ありきなところがあるためまとめて触れたいと思います。
1:タイプが強い
悪ヤドは悪・超の2タイプを持っていて、環境で有力なサーナイトとそれをアンチするのに適しているジュペッタexの両方の弱点を突くことができます。この2つには色以外にも有利な点が多く、サーナイトを中心としたメタゲームになっている場合まとめて勝つことができそうです。
またDPシリーズに入った後ですが、新カードで強くなったカイリキーや、最新のルカリオ、ドラピオンなどにも色で有利なためこれらが悪ヤドの苦手なわるいバンギラスやライチュウδを弱めてくれるDP1環境では相対的に強くなっているといえるかもしれません。
2:攻撃ペースが速い
2ターン目から80から90程度とPCG環境では高いダメージを出せるので、Sレックなどの序盤の立ち上がりが弱点のデッキは押し切りやすいです。カメルギアに対してもexは1:2、非exは1:1で戦えるので序盤に封印の結晶などでリードできてそのままサイドを同じペースで取り合って勝ちというパターンが狙いやすいです。不利なマッチアップでも相手が事故を起こしている間に押し切れるケースがあるのは速攻デッキの利点といえるでしょう。
3:絶対に勝てない相手がいない
速攻デッキはハッサム単も有力ですが、神秘の守りのキュウコン等極端に相性が悪い相手がいます。効果を考えなくてもexをメインにしたものは弱点を突かれると極端に厳しくなりがちですが、悪ヤドは非exでもともと一撃でやられる前提のような扱いのため絶望的なものにはなりにくいです。
トゲチックやヌケニンなど無効化してくるポケモンもいますがかなりマイナーな部類で、封印の結晶などの抜け道もいくつかあるので問題ありません。
デッキレシピ
今回はジラーチを入れたタイプのレシピを紹介します。他にもよくあるパターンがあるのですがあとで少し触れたいと思います。
ポケモン:14枚
4:ヤドン(PCG1)
4:わるいヤドキング
2:ヤドキング(PCG4)
4:ジラーチ
サポーター:12枚
4:ダイゴのアドバイス
2:ロケット団の幹部
3:漂流者
2:オーキドはかせの研究
1:クルミのリクエスト
トレーナー:22枚
2:ロケット団のモンスターボール
4:そっくり!テレポーター
1:どっきり!タイムマシーン
4:ポケモン回収装置
4:封印の結晶
4:学習装置
2:ちからのかけら
1:水晶のかけら
エネルギー:12枚
8:超エネルギー
4:悪エネルギー
トレーナー以外の採用カード解説
道具やスタジアムは細かいことになるので別に分けて書くことにして、それ以外について先に触れます。
ポケモン
今回のレシピのようなジラーチ型では1・2ターン目の星の願いで必要カードを集め、2ターン目はそっテレでヤドンに交換し、そのまま悪ヤドに進化させて攻撃に移ります。
ヤドキングラインは4:2の配分が最もメジャーなものです。
ヤドンは他にも便利なワザを持つものがいますが確定混乱ができるPCG1のものが相手の初動を崩しやすく最も優秀です。2ターン目は原則進化するのでデメリットもほぼありません。
サポーター
後続の悪ヤドや次のサポーターを準備するためにカードを多く引けるものを採用します。
漂流者は一見基本エネと道具が入るためにうってつけのものに見えますが、アイテムサーチの存在や構築上単にドローしても大体同じようなものを引ける可能性も高く、必ずしも4枚必須というわけではありません。
幹部は封印と合わせて相手を妨害するのに使えますが、自分がサイドを先行しやすいこととは相性が悪く、思い切って入れない選択もありえます。
PCG期ではあまり入れないカードですが、最大ドロー枚数が多いオダマキはかせも候補になります。
エネルギー
漂流者でサーチしつつワザの指定を満たす超エネと、ポイすてのダメージをあげる悪エネを入れます。
Wレインボーは威力が下がってしまうのでエネルギーが追い付かないようなよほど早いゲームを想定しない限りは採用されません。
ポケモンのどうぐ・ロケット団秘密メカ考察
このデッキ全体で考えられることとして、同じような効果が得られそうなものはなるべく道具や秘密メカを入れることを意識したいです。必要なときはそれらの道具を使い、余った時はポイ捨てのコストにすれば無駄がないからです。漂流者やアイテムサーチでとれる面もあります。
道具やスタジアムは相手の暴風で捨てられてしまいますが、このデッキにおいては3枚以上貼って1回使われても場に残せるという動きも考えられます。
レシピに入っているもの
・封印の結晶
ポケパワーを使って展開するのを防げるのでぜひ入れたいです。自分のアイテムサーチやわるぢえも止まってしまいますがメリットの方が多く、暴風を使われたり倒されたりした際にこまめに使えれば十分です。
・学習装置
エネルギーを引き継ぐことで途切れずにポイ捨てを使うことができます。これによってWレインボーがなくても間に合わせることができます。この時の学習装置は1回使ったら捨てる効果ですが、その分攻撃時に違う道具を付けることができます。
・ちからのかけら
ポイ捨ては2枚制限でそのままだと80ダメージなのでこれを付けて底上げをします。悪エネルギーや砂漠の遺跡を使って1回で相手を倒せるようにするのが非常に重要です。
・水晶のかけら
無色弱点の相手が出たときに使います。他のデッキと違っていらない相手でも無駄にならないので入れやすいです。一応抵抗力も消せます。
・そっくり!テレポーター
星の願いからヤドンに入れ替えて進化させます。初手以外にも中盤以降でも使えます。やはり余ったら捨てることができるのが大きいです。
・どっきり!タイムマシーン
悪ヤドをヤドキングに変えたり、眠りやマヒを解除するのに使えます。
元の枚数やRボールで悪ヤドだけ集まりやすいのを利用してポイ捨てのコストを水増ししつつ、ヤドキングサーチのカードとして扱えます。
・ポケモン回収装置
1度悪ヤドを使った後はポケモンをサーチするカードになり、捨てて30追加もできて大変便利なのでぜひ4枚入れたいです。
その他考えられるもの
・神秘のかけら
exの攻撃を防げて強力そうですが、1ターンで捨てることになるのでこの間だけ暴風やリバースを使われたり非exが出てきたりして思ったほどは安定しません。
ただしミュウδを入れる場合はこれをミュウにつけ続けて技を使うだけでハッサムに勝てるので必ず併用すべきです。
・ふわふわのみ
悪ヤド以外のポケモンがバトル場にいた場合に使います。ふうせんのみは悪ヤドにもつけられますが、それ以外に何度も使えるこっちのほうが使いやすそうです。
・オレンのみ、まもりのかけら
これらを入れて勝てるようになるかは微妙なところですが、ばら撒き系デッキや悪ヤドが一撃耐えられるようになると判断した場合は採用を検討できます。
・びっくりボム!
コイントスで1個載せるというかなり弱い効果ですが、一撃圏内にするという役割を重視するならこれの1個が生きることもあります。
ちなみにマジックハンドはサイドを先行することがほとんどなので入りません。
ボール考察
ニシキや導師でポケモンを用意するのは同じターンに次のサポーターや道具を確保できないので弱い動きになってしまうので、ボールを使ってポケモンを揃えるのがスムーズです。
どんどん使って手札を圧縮できるのも便利ですが、道具やメカで似たような動きができる場合はそちらを入れたほうがポイ捨てに活かせることは注意したいです。
・スーパーボール
ヤドンをサーチするのに便利ですが、ジラーチを使う型だとジラーチ→そっテレでもヤドンを取れるため記事のレシピには入っていません。また回収装置でトラッシュから用意することもできます。ヤドンしかたねポケモンを入れない構築なら優先度が高いです。
・ロケット団のモンスターボール
悪ヤドをサーチできるのでぜひ入れたいですが、こちらも2枚目以降は回収装置でトラッシュからも持ってこれるので入れすぎたら無駄になるかもしれません。
・マスターボール
1枚目の悪ヤドをサーチしたい場合はそれなりに高確率で引けますし、中盤以降もヤドンやヤドキングを引ければその分回収装置やそっテレを使う枚数を減らせます。
スタジアム考察
上のレシピにはスタジアムが入っていません。もともと壊さなければならないスタジアムがかなり少なく、戦い方を広げるなら道具を増やしたほうがポイ捨てに使えるからです。
最も問題になりそうなのは相手の呪われたほこらが割れないことで、今回は祠入りの相手は速攻で押し切るか諦めるかと思っていましたが勝つつもりなら入れたほうがいいでしょう。
同じ種類を4枚入れるよりもいらないときに自分で割れるように別々の種類を入れたり、枚数を抑えたほうがいいかもしれません。
・砂漠の遺跡
レックウザexやサンダースexなどをポイ捨て1回で倒せる可能性が上がります。
・クリスタルビーチ、バトルフロンティア、ホロンの聖跡
相手が止まっている間にリードするプランが取りやすくなるかもしれません。
・磁気嵐
これでもバンギを倒すのは困難ですが、アブソルやブラッキーを倒すのには役立ちます。
採用ポケモン考察
悪ヤドの能力の都合でメインポケモンを他に入れるのは難しいのですが、いくつかパターンがあるので紹介します。箇条書きで特徴を列挙します。
1:ヤドン単型
たねポケモンはヤドン4枚のみにします。
・初手が安定する
・無駄になるポケモンとそっテレを入れずにすむ
・途中の事故、特に終盤の幹部に弱い
・タッチポケモンがない分デッキパワーが下がる
2:ジラーチ型
今回のレシピで、クチート採用型もほぼ同じタイプです。
・初手にヤドキングやサポを引きやすい
・ベンチに置いておけば中盤以降に事故回避が期待できる
・そっテレ等が引けないと2ターン目にポイ捨てが使えない
・初手がヤドンのみで進むと腐ることが多い
・ポケパワーロックをされると無駄になってしまいやすい
3:サブポケモンタッチ型
キリンリキやルナソル、ミュウδ等をタッチします。
構築の都合上ほぼたねポケモンかわるいポケモンになります。
・ベンチに空きがあるのでデッキパワーが上がる
・スタジアムより安定して場に出せる
・初手でくると2ターン目ポイ捨てがかなり難しい
・相手によっては腐る
ヤドン以外のポケモンを入れる場合は初手にそれらが来た場合と、使わないときのことをどう考えるかによって決めます。
道具やメカのタッチはコストにでき、スタジアムは適当に出すこともできますがベンチでも手札でも邪魔になってしまうデメリットは他のデッキよりも大きいので要注意です。
まとめ
悪ヤドはプレイングは比較的簡単で、初心者にもおすすめのデッキです。
ハッサム単よりも実物のカードで組むときに安上がりなのと、ハッサムやSレックと違ってもともとの有利不利が極端ではないのでやる気がなくなってしまうことも防げます!
デッキ構築もこの2つはかなり固まっていますが、悪ヤドはある程度選択の余地があるので組み替える楽しみも体験できるでしょう。