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【ADV-PCG基本記事】トレーナーロックについて

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はじめに

 この記事ではADV-PCGシリーズにおけるトレーナーの使用を封じる能力について書きます。
 このシリーズをまだあまり経験していない方への紹介とともに、自身のデッキ紹介記事においてこのページのリンクをつけることで同じことを何度も書かないようにできればと思っています。

ADV-PCGにおける「トレーナー」について

 シリーズによって呼び方や分類が変わることがあるため、まず「トレーナー」について確認します。
 このシリーズのトレーナーロックは「トレーナー」「トレーナーのカード」「トレーナー(サポーターはのぞく)」の3つの表記があります。

・「トレーナー」「トレーナーのカード」は同じ!


「トレーナー」と「トレーナーのカード」はポケモンとエネルギー以外のすべてのカードを指します。サポーターも使わせないため非常に強力ですが、
コイン判定があるなど簡単には使えないようになっています。なお「トレーナーのカード」という表現のゆれはWCPというパックが日本ではDPシリーズになってから発売されたためです。

・「トレーナー(サポーターはのぞく)」はスタジアムやどうぐも含む!

「トレーナー(サポーターはのぞく)」はこのシリーズで一般的な効果で、書かれている通りサポーター以外のすべてが対象になります。この効果でも後のグッズに加えてスタジアム、どうぐ、ワザマシン、化石を封じることができるので十分強い効果といえます。

トレーナーロックの何が強いのか?

次に具体的なカードを何枚か取り上げながら、このシリーズのトレーナーロックがどう強いのかを説明したいと思います。

・ふしぎなアメ

まず挙げられるのはふしぎなアメです。ADV-PCGシリーズでは場に出してすぐのポケモンにも使えるため、1ターン待つ必要がある他のシリーズと比べて大きく使い勝手が異なります。突然強力なワザを使われやすい2進化ポケモンを簡単に出されなければある程度安心して戦うことができます。

・逆転!マジックハンド

いわゆる負けているときだけ使えるカードで、2つの効果はどちらも厄介です。当時からよく使われているカードですがここ数年はトラッシュから再利用して5回以上使うデッキも増えてきています。このカードの存在からサイドを積極的に取りに行くのを躊躇することもよくありますが、トレーナーロックをしながらであれば安心してサイドを先行することができます。

・そっくり!テレポーター&ポケモン回収装置

様々なトレーナーがあるなかでこの2枚は特に強力です。ADV-PCGシリーズはサポーター1枚でポケモン1枚をサーチするような環境なので、これらのカードを使ってターン1回のサポーターとは別にポケモンを用意することですばやく継続的にメインアタッカーを供給することができます。
トレーナーロックをすることで相手のスピードを落とすことができるほか、これらのトレーナーを大量に採用して実物のポケモンが少ない相手はリソース切れを起こさせることも狙えます。

・バトルサーチャー&ホロンのトランシーバー

この2種類のカードは複数のサポーターから選んで使うことができます。対戦相手から見ると強さを感じにくいところもありますが、その場において強いサポーターを使い続けることで安定性を高められます。(サポーターをのぞく)の方のロックでもこれらを封じられるので事故を狙えます。

・封印の結晶

どうぐの中では特に厄介なカードで、すべてのポケパワー・ポケボディーを封じることができます。つけられるポケモンも多いためあらゆる相手から急に逆転されてしまう一因になっています。トレーナーロックができれば次のターンは封印の結晶を新しくつけられないので自分の特殊能力が使いやすくなります。

・超古代のワザマシン「岩」

ワザマシンの中では最も使われるカードで、場のポケモン全員を退化させるので一気に場が崩壊してしまう恐れがあります。1エネで使えてつけられる対象も広いので色々なデッキに入っている可能性があります。トレーナーロックは進化ポケモンが持っていることが多く負け筋を減らしていることにもなります。

・クリスタルビーチ&呪われたほこら

スタジアムも「トレーナー」に含まれることは書きました。トレーナーロックをすることで相手に別のスタジアムを出されたり暴風で捨てられたりされなくなるため自分の出したスタジアムを場に残すことができます。このシリーズには場にあると自分に大きなメリットがあるスタジアムはあまりないため、この2つをはじめ相手を妨害するカードが使われやすいです。

 大ざっぱにまとめると展開の補助として使われているトレーナーを止めて事故やスピードダウンを期待したり、強力な効果を持っているトレーナーを止めて相手からの圧力を弱めたりする効果があるといえます。


トレーナーロックができるポケモン一覧

 それではこの効果を使えるポケモンを紹介して比較もしていきます。なおどうぐやスタジアムといった対象をより狭い範囲に絞るとさらに多くのポケモンがいますが、今回は広く「トレーナー」を対象にできるカードに限定したいと思います。

ワザかポケパワー・ポケボディーか

 大きく分けてワザによるトレーナーロックと、ポケパワー・ポケボディーによるものがあります。個別のポケモンの前にこちらを比較していきます。

ワザによるロック
メリット
・相手のターンに解除されることがない
・すでにポケパワー・ポケボディーが封じられていても使える
・そのままターンが返ってきたら継続して使える
・比較的ワザエネルギーが少なく軽いコストで使える

デメリット
・エネルギーが揃っていないと使えない
・特定のワザしか使えない
・ダメージは普通のワザと比べると小さい
・ねむり、マヒ、こんらんや「ドわすれ」などでワザを使えないとロックが解けてしまう

ワザによるロックは確実性や速度に優れており、序盤からトレーナーロックを続けて勝つデッキを組む場合はこちらが使われることの方が多いです。


ポケパワー・ポケボディーによるロック

メリット
・エネルギーがなくても発動する
・ワザを封じられても発動する
・特定のワザ以外も使える
・特定のポケモン以外も使えることがある

デメリット
・相手のターンに解除されてしまうことがある
・ポケパワー・ポケボディーを封じられると使えない
・継続して使い続けるのが難しいケースがある

 ポケパワー・ポケボディーによるトレーナーロックは別のポケモンや別のワザを組み合わせてより妨害を強められるのがメリットです。一方で単にトレーナーロックをするだけならワザの方が確実なケースが多く、ゲームの途中から狙っていくことになる場合もよくあります。


ライボルトex(でんじしょうがい)

メリット

・1進化で2エネと準備しやすい
・進化前が強い
・「メガショット」も強い
・分岐進化でex対策にも攻撃できる

デメリット

・HPが比較的低い
・闘弱点で対策されやすい
・進化ラインにδ種がいない
・色指定がある

 ライボルトはADV-PCGシリーズのトレーナーロックをするポケモンとしてはもっともメジャーな存在で、最初に検討されるカードといえそうです。
進化前のラクライは強いワザをもっているのが複数いますが、「こうしゅうは」のものを選ぶとよりトレーナーロックに特化したデッキになります。
なおコダック(PCG3)もラクライと同じ効果のワザを持っていますが、進化後の関係でトレーナーロック主体のデッキとしてはラクライより優先されることはありません。

 相手を考えなければ最も簡単にトレーナーロックを実現できるポケモンですが、ライボルト以外にも闘弱点の有力カードが多いため弱点で押し切られやすいです。「でんじしょうがい」でロックを続けていてもわるいサナギラスなどの中間進化に通常の手張りだけで競り負けてしまうことがあります。
また分岐進化の「でんじタックル」による大ダメージも強いことは強いのですが、向いているエネルギーの種類がライボルトexと異なる面もあり他のポケモンほどは多彩な戦法を取りづらいです。

このカードを使ったデッキ例

・ライボルトex単(ライボルトex)
https://note.com/kanten620/n/n3e6e71d31ab0

.・ミュウボルト(ライボルトex+ミュウex)
https://note.com/kanten620/n/n33d6568858cf


カイリューexδ(つんざく)

メリット

・弱点がない
・HPが高い
・「つんざく」には色指定がない
・分岐進化が強く、このカードのサポートもできる
・自身も進化前もδ種のカードがいる
・「りゅうのさけび」も強い

デメリット

・2進化のexであり負担が大きい
・抵抗力でダメージが通りにくい

 カイリューもこのレギュレーションではメジャーな方で、トレーナーロックをしたいけれどライボルトは色相性が悪いと考えたときに候補に挙がりやすいポケモンです。
また分岐進化のわるいカイリューやカイリューδ(雷タイプ)は自身だけでメインポケモンになれるようなカードなので、それらが中心のデッキにカイリューexをタッチして有効な相手にだけ出す使い方も可能です。この2種類はエネルギー操作のポケパワーをもち「つんざく」に色指定がないので相性も悪くありません。他には本体も進化前もすべてδ種で組めるというのもこのポケモン固有の強みで、全体的に安定性を向上させやすいです。

 欠点としては似たようなトレーナーロックを2進化のexが行なっていることに集約されます。他のポケモンと比べると1段階余計に進化しなければならない、サイドを2枚取られる、40ダメージずつしか与えられないと別のカードの方が強いことができるということも起こりがちです。

クロバットδ(しょうがいおんぱ)

メリット
・非exである
・逃げる0で混乱に耐性がある
・「しょうがいおんぱ」は色指定がない
・「きずをねらう」も強い
・分岐進化がある
・自身は鋼タイプのδ種である

デメリット
・ダメージが30と小さい
・2進化である
・HPが低い
・草と鋼の2タイプとも抵抗力でダメージが通りにくい

 クロバットの最大の強みはexでない普通のポケモンであることです。サイドを1枚しか取られず、封印の結晶やWレインボーといったexでは使えないカードを使うことができます。
分岐進化も何体かいて、うまく入れ替えられればクロバットexやわるいクロバットのポケパワーでダメージを増やすことが期待できます。
 
 欠点は非exということもあって2進化でもHPが低く、ロックワザの威力も小さいところです。トレーナーなしの相手とのワザの打ち合いでも負けてしまうことがあるのでサポートを工夫させる必要があります。

ラフレシアex(ぼうがいかふん)

メリット

・エネルギーなしでもロックがかかる
・自身が特殊状態でもロックがかかる
・ワザによるロックと比べて攻撃力が高い
・分岐進化の「ヒーリングダンス」で回復できる
・進化前はδ種がいる

デメリット

・3エネワザのみで重たい
・先に封印の結晶をつけられているとロックできない
・1体のみだとサイクロンエネで解除される
・一部のポケパワーやポケボディーで解除される
・攻撃ワザには色指定がある

 ポケボディーによるトレーナーロックで代表的なものはラフレシアです。
場に出ているだけでロックがはたらくのは安心感があり、初手でアメとこのカードが揃っている場合はいち早く妨害することができてマヒや眠りに頼った対策ができないのも強みです。

 欠点としては3エネワザしか持ってないところで、初動や2体目以降の継続した攻撃手段に苦労することが多いです。また使い手がそこまで多くないとはいえサーナイトexの「ふういん」やブラッキーexの「ダークリング」などで無効化されてしまい、自ターンで宣言すれば解除されないタイプのロックよりは不安定なところもあります。

このカードを使ったデッキ例

・ラフレイハ(ラフレシアex+キレイハナ)

https://82725.diarynote.jp/201007191924314656/

https://82725.diarynote.jp/201803010222461760/

トドゼルガex(フリージングブレス)

メリット
・サポーターも対象になる
・エネルギーなしでロックがかかる
・特殊状態の影響を受けない
・ワザのダメージが大きい
・自身以外のポケモンでワザを使うことができる
・分岐進化が強く、このカードのサポートもできる

デメリット
・場に出したときなので継続使用には工夫がいる
・ポケパワーが使えないと発動できない
・自身で戦う場合は3エネワザのみで水指定2個と重たい
・進化ラインにδ種がいない

 トドゼルガはシリーズ最後のパックで登場したため使用率は最も低いですが、サポーターも含めて封じる強力なポケパワーを使えます。
 場に出たターンしかロック効果は使えないので繰り返し使うにはどっきり!タイムマシーンや巨大な切りかぶ、「おおきくはばたく」など場から移動できるカードと組み合わせたいです。ただし普通に場に出せる3ターンくらいの間ロックが続くだけでもかなり相手に負担はかかるでしょう。
 ベンチでポケパワーを使うだけでいいのでバトル場にだすポケモンや使うワザが自由なのも強みですが、上記のベンチ処理のギミックを入れるとデッキスペースがぎりぎりなのでこのポケモン自身や分岐進化で戦うケースが多いです。進化ラインはδ種のカードこそありませんがエネ回収のできるトドグラー、エネ加速ができるトドゼルガなどがいて優秀です。
 ポケパワーを封じるジュカインexδが水抵抗も含めかなり厳しく、どれくらい相手に使われそうかが勝敗の鍵になります。


ヘルガー(ロンリーハート)

メリット
・ベンチで発動するためバトル場に別のポケモンを出せる
・1進化でエネルギーがいらないので用意しやすい
・特殊状態の影響を受けない
・非exでサイドを取られにくい
・自身のワザのダメージが比較的大きい

デメリット
・相手の場の状況次第でロックが解除される
・「デュアルオーラ」などの効果で解除される
・分岐進化が他のポケモンより弱め
・進化ラインにδ種がいない
・HPが低い

 ヘルガーは1進化の非exをベンチに出すだけという軽い条件で使えるのが強みです。
【ドルヘル】や【チャーヘル】などの妨害効果に優れるポケモンと組み合わせて強固なロックを維持する使い方と、【ウインディヘルガー】や【レックヘルガー】などのシンプルに戦闘能力の高いメインポケモンのサブに採用されロックの維持に必ずしもとらわれない使い方の両方がされています。

HP70と1進化の中でも低い部分についてはベンチにいればそこまで気にはならないものの、自身がバトル場でポケボディーをはたらかせながら戦いにくくなっているため欠点になっているともいえます。

このカードを使ったデッキ例

・チャーヘル(チャーレムex+ヘルガー)

https://82725.diarynote.jp/201809112055177843/

ドルヘル(ユレイドル+ヘルガー)

https://82725.diarynote.jp/201809102026127882/

・レックヘルガー(レックウザexδ+ヘルガー)
https://note.com/kanten620/n/n47a6f8ee8b7e

https://note.com/kanten620/n/n6e283ebeb37d

【参考】オドシシ(つきおどす)

 使うこと自体を封じるロックとは異なりますが、トレーナーを選んで捨てられるオドシシもよく使われています。「つきおどす」で逆転!マジックハンドやポケモン回収装置をあらかじめ捨てさせると結果的にトレーナーロックに近い効果が得られます。たねポケモンで入れやすいのでトレーナーを多用する相手の対策をしたい場合はこちらも検討してみましょう。

トレーナーロック対策としてよく取られる行動

 これまでの紹介で触れている部分もありますが、トレーナーロックで戦うときに対抗として取られやすい動きについて紹介します。難しいところもありますが、できればこれらにも対応できると勝率が上がるでしょう。

1:ポケモンex対策を使う

 ライボルト、カイリュー、ラフレシアはexである自身がバトル場にいる必要があり、全体的にトレーナーロックはポケモンexに偏重しています。そのためexからの攻撃を受けない「しんぴのまもり」「アイスバリア」「サイコシールド」といったワザを使われるとロックは続けられていてもダメージを与えられず負けてしまうことがあります。
 「しんぴのまもり」は「デュアルオーラ」や宇宙センターをこちらが使うことで無効化できることが多いです。またワープポイントやサイクロンエネルギーで入れ替えさせることでダメージを通すことも有効です。
 最終的にはトレーナーロックのワザ以外でex対策のポケモンを攻撃しないといけない場面もよく出てくるので、別のポケモンで該当するポケモンを一撃で倒せるようになっているとなおいいでしょう。

2:ねむり、マヒ、こんらんにする

 ライボルト、カイリュー、クロバットはワザを使うことでトレーナーロックがかかるので、特殊状態にしてワザを途切れさせることでロックの解除を狙うことがよくあります。上でふれたオドシシによる混乱のほか、多くの進化前のポケモンがマヒや眠りにするワザをもっているためどんな相手にも使われる対策です。
 ワープポイントやワープエネルギーなど自分を入れ替えるカードが使いやすいです。また逃げるを減らすカードも混乱対策やロック側が1匹しかアタッカーを準備できていないときに対応しやすいので有用です。

3:ダメージを回復、軽減する

 トレーナーロックはダメージが40~50とそこまで大きくないものが多いため、相手の効果によってはほとんどダメージを与えられないことがあります。ロックワザが抵抗力になることがあり、ハッサムexやレジロックexといったダメージを与えにくいカードはもともと使われやすいカードです。
 自分が使うポケモンと想定する相手によって事情が違うので一概に対策をあげるのは難しいところもありますが、こちらの攻撃力をあげる、ほこらでサポートポケモンから倒す、別のワザで倒す手段をつくるなどの方法が考えられます。ダメージを受けないという点ではex対策と重なる部分も多いかもしれません。


おわりに

 ADV-PCGシリーズのトレーナーロックに関わることについては大体触れることができたと思います。強いといわれるプレイヤーはトレーナーの使い方で構築面、プレイング面ともに差をつけているケースが多いので、大会の場では不意の行動をされにくいトレーナーロックのデッキを使うのもありかもしれませんね!


PCGデッキのまとめ
https://note.com/kanten620/n/n0f54f94af7e0

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https://pcg-search.com/card/search.php
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