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他人の投資戦略に物申す記事①
ちょっと攻撃的な題名を書いてみました。
「投資は自己責任だから勝手にさせろ!」という声があれば、それが100%正しいです。
と、いうことで、このシリーズのコンセプトは、「こんな投資戦略が存在する」というのを色々紹介していく記事です。
投資に成功している人が、実際どのような考え方で投資してるのか、色々知っておくのはとても良いことですので、紹介していきます。
紹介した上で、私なりの考えを記載します。
この部分が、もの申すの部分です。
今回取り上げるのは、アメリカの金融系雑誌で紹介されている、シンガポール在住のアメリカ人女性です。
アメリカの大学を卒業後、20代前半から投資を始めて、32歳で経済的自立を達成した方です。
プロフィールはこんな感じです。
投資歴10年前後
32歳
資産 数千万円(円換算)
会社経営者(5年前に起業)
学生時代にゴールドマン・サックスにてインターンとして働いた時に、市場や金融の動向を占う方法ではなく、習慣の方を学んだと話しています。
どういうことかと言うと、何に投資するかを考える方法よりも、「さあ給料が入った。さっそく投資しなきゃ」というような、お金をそのままにしておかない習慣を学んだとの事でした。
ここ、ポイント①です。
私も昔から記事で何度も触れてきましたが、投資で大切なのは、何に投資するか以上に、今投資できるかどうかです。
今はまだ・・・という考え方は、ベストなエントリーポイントに狙いを定める事が世界中で自分だけには可能なだと勘違いしている証拠となります。
最初はそのように、自覚なく自信過剰になってしまうのが投資ですが、経験していくと、狙いすました場合の機会損失額は狙わなかった場合の利益額を上回ることに気づきます。
そしてなにより、狙えない事に気づきます。
それを理解している人が増えたから、狙いすまさない積立投資が流行っているとも言えます。
※余談
皆さんは、ポーカーをご存知だと思います。
ポーカーには複数のルールがありますが、一番主流となっているテキサスホールデムを前提に話します。
ポーカーで最も大切な要素は、何だと思いますでしょうか?
ポーカーフェイスという有名な言葉があるので、多くの人は表情に出さないことを一番大切と考えるかもしれません。
しかし、実は最も大切な要素は、ポジションなんです。
なんのこと?って思う人も多いかと思います。
ポジションとは、親に対して自分がどの位置に座っているかです。
そのポジションによって、考え方や身の振り方が変わってくるのがポーカーの大切な要素なんです。
これは、多くの初心者の方にとって、想像もしていない事だと思います。
投資も似た部分があります。
多くの初心者の方が考えている事と、実際の投資は性質が異なります。
ポーカーのポジションと同じくらい、初心者が知らない大切なことは、投資をしている事であるとも言えます。
さて、記事の内容に戻ります。
この女性は最初ETFに投資する所からはじめました。
日本ではNISAを使って投資信託から投資を始めた方々が多いと思いますが、ほとんど同じ軌跡です。
その後、慣れてきたら個別株も買い始めたようです。
具体的には、アップル、アマゾン、グーグル、テスラといった株です。
要するに、NASDAQですね。
その後、この方は、ご自身の投資戦略を開発されてます。
内容は至ってシンプルです。
ローリスク資産と、ハイリスク資産の両極端に投資して、中間には投資しないという戦略です。
具体的には、ETF(ローリスク)と、暗号資産(ハイリスク)にのみ投資するという方法です。
割合は、ローリスク65%、ハイリスク35%だそうです。
元々はローリスク資産の割合がもっと多かった(ETFから投資をはじめているので)でしょうが、次第に利益を求めてリスクテイクに移行していっているのが分かります。
このバランスは、人によるとの事です。
この方法を取ると、ローリスク資産でしっかりと守りながら、ハイリスク資産で利益を追求することができて、もしハイリスク資産が0になっても問題は起こらないとのことでした。
ここでポイント②です。
ローリスクな資産で地盤を固めて、ハイリスク資産に手を出すことは私もしていますし、考え方としては私も似ています。
ある程度投資歴が長い投資家の方は、これをやり始める傾向があります。
土台(ポートフォリオ)を作ったあとなら、その土台が生み出す利益の範囲内でリスクを取るという考えが多いと思われます。
ポートフォリオのインカムゲインが年間100万あるなら、その年は50万までハイリスクな運用をしてみようなどです。
さて、ここまでで、説明は終わりです。
このような投資スタイルで成功した方がいるという部分、参考になさってください。
おそらく、この女性の成功は嘘ではありません。
十分あり得ると思います。
さて、ここからは、私の主観で勝手に物申します。
私自身が大した投資家じゃないので、勝手にメチャクチャ言うだけとなります。
大切な事は全部書いたので、この後の戯言は読まなくても大丈夫です。
はじめます。
まず、1番物申したいのは、ETFに65%投資しているので、暗号資産に投資している35%の資産が0になっても問題無いと書いてますが、問題無いわけありません。
それほどの金額の暗号資産が0になるほどのショック時に、ETFが下がってない事など有り得ません。
確実に暴落しています。
その時点で資産の半分以上を失っている可能性が高く、それは問題です。
景気と強烈な正の相関を見せている側の金融商品に全フリしてる時点で、両極端に投資しているわけではありません。
中程度のリスクと、極大リスクを取ってるだけですので、かなりのリスクテイカーです。
これは悪いわけではありません。
リスクテイカーということは、つまりそれだけ大きな利益を狙えるということです。
リスクを取らないつもりなら、投資などするべきではありませんし、投資をすると決めたということは、リスクを取ると決めたという事と同義です。
ただ、この方本人としては、破綻リスクも高めであるということは理解してやっているべきです。
現金を持たないで全部投資してると言ってるなら尚更です。
また、暗号資産は所得税が確定する瞬間が極めて特殊です。
損失リスク以上のリスクが内在しています。
大きな損失でも、確定させてしまうと、通貨間取引が行われていれば大きな税金が課せられる場合があります。
また、その通貨間取引をしないと手に入らない通貨がほとんどですので、投資の中でも知識無く安易に手を出すべきではないものです。(以前から記事にしていますが、私は暗号通貨に投資しています。)
※暗号通貨を投機ではなく投資と表現した理由:暗号通貨はそれぞれ目的を定めた開発プログラムが付随していますので、買う行為はそのプロジェクトへの支援となるため、投機ではなく投資に近いと考えています。
2つ目に物申したいのは、シンガポールは物価が安くありません。
数千万円で経済的自立達成と言うのは早すぎます。
日本ですら、一億円未満でFIREするなど、現実的には正気の沙汰とは言えません。
死ぬまで何の病気もしない超人である必要があります。
3つ目は、この方、普通に会社の社長さんです。
経済的自立は起業したという意味ではありませんし、法人の代表って普通に会社員(会社役員)です。
私も自分で立ち上げた会社の代表取締役ですので、この女性と同じ立場なわけですが、少ないとはいえ給料(役員報酬)を受け取ってますので、私も自分のことを経済的自立と言うのは背伸びしすぎだと感じます。
ただし!
この女性のスタンスは、私が推奨している内容と同じです。
私も、FIREは推奨していません。(FIREは絶望を連れてくるという記事に書きました)
起業して役員報酬を得ながらセミリタイアするという方法を推奨している身としては、全く同じことをしている方ですので、発想は近いと思います。