ハチミツとクローバー
マグさんと見てる!
1〜4話
本当に楽しい。もうすでに楽しい。
はちくろは漫画を読破済みで、本当に大好き。大好きすぎてまだ原作を咀嚼しきれてない段階なんだけど、私よりハチクロのこと大好きでアニメのこと愛してるマグさんと見てるのでこんないい機会ない。今だと鰻さんに見守られながらやってるうみねこ、古畑任三郎がこれに並ぶ。なんて幸せものなんだ…。
まだ4話しか見てないけどアニメが抜群にいい。柔らかくて優しい線を動かすのってめちゃくちゃ大変だと思うんだけどそこの折り合いをつけてキャラクターが動いてるし、漫画的な表現を音とか動きで拾ってるし、逆に漫画ではできなかった「ムーンリバーを直接流す」を最大限に活かしてるし何より声がつく…!!!声…!!声優さんの凄さを噛み締めるのは人生で何回もやってるけど本当に声がつくってすごい。
好きな女の子と近くにいるだけでドキドキしてるのにその子の危機となれば抱き上げて自分ではない人の元に連れて行くことができる男の子の声、の正解を出されるとこっちはどうすることもできない。あと未亡人に惚れてクリスマスの朝にコーヒーを手渡して帰る男の「これ、どうぞ」とかを体に浴びるともうどこにも行けなくなってしまう。助けてほしい。
これから先の展開を全部知ってるからこそ刺さるセリフとかもめちゃくちゃある、しゅうちゃんの諸々はぜーぶん刺さった。この人がはぐちゃんを大切に思ってるのはみんな知ってたけど「唯一」さの程度を本人が自分自身でさえも騙してきた言動を並べられると本当に「お前さ!!」になる。他の男の子たちが若さとかで容易く開け渡したり踏み込んだりする「あなたの変わりはいないから自分にもそう言って」という必死さと危うさがないのは必至だからではなく「大切な人」を作る怖さをりかさんとかで思い知ってるからだし、年齢とかで先に置いて行くことに対して付き合ってもないのに申し訳なく思ってるからなのでこいつ…!!こいつ…!!ってなる。でも彼の行動や言葉が恋ではなく愛なのは間違いないので何も言えない。はぐちゃんがこんなに愛されてる人間なのは愛を受けてるからです。
こんなテンションで2クールいけるのか?わかりませんが行くしかないです。こわいよ。私は真山と山田が本当に好きなんですが当然間宮も好きなのでアニメが怖いです。
5〜8話
早いなあ
大好きなシーン、「真山 大好き 好き」「…うん」がもう来ました。ハチクロ、名シーンしかないのか?
山田の好きなところはもちろん真山を思ってるのに報われないところだけど、なにより最速でふられても「そんな簡単に終わり!とはならない」「まだときめいちゃう、もうこっちなんて見てないのに」を間宮が出てくるまでやってくれるところ。そうなんだよ、そう、恋って告白にOKが返ってきたら終わりじゃないし振られたから幕引きじゃないわけ!!!受け取られなかった恋は自分で精算しないといけないわけ!!愛してるよはちくろ、そこの感情をずっと大切にしてくれるから…。
「真山が私を見て悲しい顔をしなくなった」。もすごい好き、心が抉れる。自分はまだ真山に近づくと胸が高鳴って体温上がってもう少しを望んでしまうのに当の真山は自分への罪悪感を終わらせているんですよ。この男はさ…。この罪悪感って振ることじゃないんだよね、山田が自分を好きだと言われたら最後、振らなくてはならないというプレッシャーへの解放でつまり「山田を傷つけてしまう瞬間」をずっと悲しんでたわけなんですよ。山田が大切だから。大切な女の子だから傷つけたくないしいつかやってくる悲しみを予見してずっと辛かったわけ。どうしたって自分はそれに頷けないから。
そしてそれらを全て分かった上で山田にちょっかいかけたり支えになったりする森田さんが最高だった。この2人の友情大好き。森田さんは変な人だし掴みどころがないけど情緒を解さないわけじゃなくて分かった上でやや無視してるだけなので落としちゃいけないところは落とさないし誠実に接して立ち行かない山田のことはちゃんと大切にしてる。お父さんと被るしね山田って…。
9話〜12話
見終わった時に「あそこの場面ってクライマックスだったよなあ」って思う場面って全体の終盤だと思いがちだけど、はちくろはなんかもう「ここってこんな序盤だったけ?」が続く。そもそも漫画としても10巻とかしかない。
前回は山田真山回だったけど、今回は竹本はぐちゃん回だった。竹本は一貫して「きみのことをたいけつにおもっている」という感情を安心や受容を添えて出力してくれて、それがしゅうちゃんと近い形をしてるからはぐちゃんは心を開いてるわけなんだけど同じ形で心を開いてるからこそ森田さんになれないししゅうちゃんに勝てない。
自分で書いてびっくりしたけど竹本くんははぐちゃんの人生で本当なら何にもなれない。優しい同級生にしかなれない。でも!!!底抜けに優しく!!慈しみ深く!!孤独を知り!!クリスマスが怖くなくなった彼ははぐちゃんの大切になれるんですよ。
竹本くんの素敵なところは彼のモノローグが常に少し寂しくて満ち足りてる声音なところで「クリスマスが嫌じゃなくなった」も「きっとこんなクリスマスは最後なのだろうと思った」も同じ温度なんですよね。作中で誰より喜びと悲しみを同じに扱える人なんですよ。結構泣いたり叫んだりするからねみんな。
今が幸せであるという自覚と、それが終わるという予感を同じ重さで扱えるから最終回を締めくくるのに相応しい人物だし、はぐちゃんは竹本のこと大好きなんだよ…。何かを得ることに常に終わりを感じるからこの瞬間の輝きを大切にするし悲しみも覚える男、本当に恋に向いてない。竹本って酔えないからみんなに頼られるんだよな…。
13話〜16話
野宮!!!!!!!!
もちろん野宮のこと大好きなので待ちに待った登場なんだけど、ほんと、ほんとにアニメってすごいね…。
声がさ、声がつくと逃げられないのよ全てから。
真山を脅す時の「キープしてるんだ?」と山田に対しての「返しておくよ、そのコート」の声音が全然違うわけ。ずっと声のいい優男だけど、自分の言葉がどう影響するのか知ってるやつの話し方をしてるんですよ。ずっるい男ですよ。
でも野宮がアニメで信じられなくてでも真っ直ぐなのは確かで山田のことどう思ってるかわからない怪しい男であればあるほど、この男が結局は山田あゆに振り回されて最後まで真山に勝てないまま幸せにエンディングを迎えたことの味が深まる。この男、山田さんに振られるから許されてるところあるよ。
いや許せないけどさ…でもお前を許してないのは誰よりもお前だから私からは何も…何も…。
17話〜20話
いや野宮ってすごいよ。
野宮もすごいし、アニメってすごいよ。何回でもいうけど何回でも思う。
もちろん「そういうの嫌いなんだよね」と「クッション役、みたいな」のことは大好きだったんだけど、映像になるとインパクトが違う。野宮が山田と一緒に画面を横切ることの衝撃ってすごいよ。事実として真山の横を通り抜けてくことも、それを追いかけないことを追加で描写されるから尚更すごい。
真山はあの瞬間当然追いかけることができたんだよね。車はすぐに出発したわけではないわけだし。でも追いかけなかったし、追いかけられなくて、なりたい自分の具現化みたいな人が大切な人を連れ去ることをどんな意味だとしてもよしと思ったから真山には追いかける資格がない。それを本人が誰よりも知ってるし、ここが引き際だと思ったから真山からはもう何もできない。と!思ってんのは真山だけなんだけどね!!山田はいつだって追いかけて欲しいわけ!!!!山田はそんなことないって思ってても野宮さんから自分を助け出して欲しかったわけ!!!
ないよ!!!!!!、!!!!だって真山は野宮みたいになりたいんだもん…。そして野宮は真山みたいだった自分を恥じてるしから本当の本当に追いかけてきたら山田は渡すと思います。
しんどくなってきた。でも真山の元に山田を返せるのはこの瞬間までで、自分で手がけた大事な景色(観覧車)を見せて、吐いてる山田を介抱して、実家に折り目正しく彼女を返しちゃったのでもう野宮は山田を真山に返せないんですよ。本人もうっすら自覚してる通り、クッションとして機能した(利益は一つもない)をしてるんですよ。すごすぎる。はちみつとクローバーじゃなきゃ献身の男として名を馳せてますがこの作品ははちくろなので「わかりにくい男」として君臨しています。