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シックス・センス

マグさんと見た!!全人類は今すぐシックス・センスを見た方がいい

プロローグとエピローグ

思えばスタートに全部あったな…。

家庭を顧みずに成果を出した小児精神科の先生が主人公。主人公がこの先生か?と言うのは最後まで見るとちょっと微妙なんだけど最後の最後まで見た時に「僕の元に現れた」のは先生なことを思うと起承転結の起こりは確実にこの人なので主人公ってことでいいんじゃない…?

過去に間違った診断をしてしまった患者が家に入り込み、心中を図る(そして成功する)ところから始まる本作においてその死から生み出される未練が「彼(死んだ方)の未練をなくす」ではなく「彼(死んだ方)と同じような訴えを次は間違えずに受け止める」であるところが成果を出し続けてきた医師としてのあり方を感じるし、終わったものを顧なさげなところは奥さんや死んでしまった彼をこの日まで忘れていたところに繋がると思う。良くも悪くも前向きであり、生きてこその人生だと思ってるからこそこの映画の爽やかさというか明るさに繋がってると思う。

この先生が目の前に現れた時のコールの心境を思うといつでも泣いてしまう。人生において生きてる人も死んでる人もコール自身のためにいるわけではないと知ってしまっている(少なくとも始まった時は母親のことん信じたいけど信じきれてなかった)彼にとって「自分を知るために現世に残った」マルコム先生の存在は救いだったと思う。この人が今自分の目の前にいることは一部の隙もなく自分のためなんだ、って気がついた時にコールは全てを打ち明ける覚悟をしたんだと思う。

コールの告白はマルコム医師の告白と同タイミングであり、幽霊は話を聞いてほしいんじゃないか?より前なのでコールは自分のために自分の話を聞いてくれているマルコム先生がそれを終えたら消えてしまうことも途中でわかってたわけで、それより前に全てを終わらせなければいけないと動いてたってことになるんですよ。一人で…!孤独から抜け出したかもしれないとようやく一息ついた子が…!再び孤独に向かって歩き出してるわけ…!画面外で…!!画面内でやれ…!そうするとオチがなくなるのでダメです…!はい…!!

プロローグをすっと流した後に細かく差し込まれる「幽霊は自分が死んでると気がついてない」「お互いがお互いを認識でない」「何かやり残したことがあるのでは?」を繋ぐと「死んだことに気がついてないマルコム医師」に繋がるのは当然なんだけどその上でそれに気が付かせないくらいにはマルコムとコールの対話で話を進めているのですごい映画。だってこの映画94分とかなんですよ。

血みどろの人々も出るし、胸糞悪い死もお出しされるけれどそれらを見ているコールに対しての後押しとこれからの賛美にあふれた映画だった。見るものは変わらないけどこれからはお母さんもその事実を受け止めてくれるし、友達もできそうだし、なにより自分のために時間を作ってくれた存在が過去にはいたんだと言う事実がこれから先もコールを生かしてくれると思う。でもマルコム先生と歩いたあの道とか秘密を伝え合ったあの病室とか一度は手を振り払われた教会とか全部コールだけの思い出なんだよ!!?これって喜びだけど福音ではなくない?自分の記憶の中にしかない救いってさ…!でもコールってずっとそうだからさ…!怖いだけの記憶に光が差しただけでもいいしマルコム先生のことはいつか忘れてもいいのかな…!?最後の患者だったことをコールだけが知ってて…そんな…。

なんかこのコールだけの記憶についてずっと引きずってる。いつかコールがマルコム先生のこと人に話す日は来るんだろうか…と思ってるしその続きがないなら全然二次創作を書くが…?とすら思ってる。コールがマルコム夫人のところに行って旦那さんの話を聞いて結婚式のビデオをみて「きっと先生は結婚記念日のディナーを一緒に食べたかったはず」って言うコールめちゃくちゃ見たい。めちゃくちゃになってる。コールが幽霊と対話して未練を次々に解消したりできなかったりマルコム先生のことを思い出したりする二作目が見たいしそんなものがないことって素晴らしいよ。引き際。

呪縛だったシックス・センスを祝福とまではいかないけどちょっとだけ人よりできることが多い。まで落としたマルコム先生はすごいよ。必要なのはその訴えを認めることとその先の改善策を提示すること。っていう主治医のやるべきことを全部やり切ったからほんとに…先生…!

なんかずっとこの映画の希望とか前向きさについて考えてしまう。人に分かってもらえないことも多いけど、真摯に向き合えばそれを受け入れてくれる人はいるし、その特異性は何かに影響するんだって話をこんなに面白くやってくれる映画があるのが嬉しすぎる。

徐倫

あのクソ女…!!!!

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