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パラノーマル・アクティビティ

マグさんと見た!!!2人でずっと「あかりをつけて寝ろ」「クラブで踊り明かし気絶するように眠れ」「見通しのいい日本家屋に引っ越せ」を繰り返してました。

あとマグさんがミカのことを「ぴ」と呼んだのが面白かったので終始「ぴ ケイティのこと全然心配してくれないじゃん」とか言ってた。

カメラ越し

デイトレーダーのミカと英語教師志望の大学生のケイティが家で妙な音がするので原因を確かめるためにカメラを用意した—ところから映画がスタートする。

はじめから終わりまでずっとこのカメラから2人の様子を伺うことになるので、必然的にカメラの持ち主であるミカが撮るケイティが映画のほとんどを占める。

ホラーを見ると「怒鳴る」「叫ぶ」などの感情的な人々が不快な要素として出ることが多い。カラーアウトスペースとかニコラスケイジとか一生怒ってたと思う。今作のケイティもずっと不安定だし怒ってるんだけど、不快かと言われると全くそうじゃないのが面白かった。なぜなら不快な感情は「理不尽」とかに由来すると思うんだけど、ケイティの怒りは至極真っ当で妥当で同居人に求めるのに正しいものなので彼女が声を荒げても「そうだね…!」とか「もっと怒ったほうがいい…!!」とか応援の気持ちが湧き上がるしミカへの「なんだよお前は」の感情が募る。

デイトレーダーとして自分の判断で儲けが発生し、豪邸を建てるまでになってるミカが「自分の選択」を否定しかねるのもなんか質感としてわかる気がする。成功体験というか。だからデイトレーダーなんだろうか…家にいる職種ならいいもんなこの設定…。

激しくなっていくケイティの妥当な怒りを受けながら進む本編、何が起こるかと言われるとあまり起こらないのにずっと怖いのがすごかった。正体のかけらも掴めず、なぜケイティにつきまとうか少しも明かされないけど確かに「いる」存在を追えるわけでも払えるわけでもない緊張感がすごいよかった。途中で「悪魔かも」と言われるけど悪魔らしいことは特になく「幽霊ではない」ことしか明かされない霊障ってかなり怖い。

「悪魔かも」はかなり序盤で言われるんだけどヤギの蹄が小麦粉に浮かび上がるとかでもなくウィジャ盤が悪魔の名前を示すことなどもないので知ってる土俵に上がってくれない怖さがある。「エクソシスト」って固有名詞があるくらいだから悪魔祓いは信じる信じないを置いておいて学問たりえるけど何かわからない恐怖はどうしようもないし、今作は激しくなってくる霊障が何を契機に始まって終焉を迎えてるのか本当にわからないところも面白かった。

ケイティの発言が正しすぎる、みたいな話をしたけどじゃあミカが間違ってるかというと「どれかは間違ってるかも」でしかない。そもそもカメラを置く前から霊障は始まってるし、ミカも煽るような発言をするし、ケイティの夢遊病も何が由来か分からないから本当に謎なんだけどこれが謎だとわかることは基本的にない。ルールが発表されるタイプの映画ではないので。

その点ヴァチカンのエクソシストはルールが発表されるタイプの映画だったな…。

この「何もわからない」と「死ぬまでは日常生活が送れないこともない」のバランスが良かったので見てないけど2以降は…蛇足かもしれない…。なんか5になると五月雨式に悪魔が出てくるらしいからな…。

90分の短い時間と4人の登場人物と家一つでかとったとは思えないくらいホラーの全部が詰まってる映画だった。

めちゃくちゃ面白かったし怖かったけど確かに事前に聞いてた「何も起こらないホームビデオ」の評が嘘をついてないのも確かだった。暇させちゃいけない稲川淳二が勝手に話し出すのもわかる。「何か起こりそうな緊迫感の中何も起こらない」を謎の技術で90分やる映画なので…。

ホラーを見始めたときに流行り始めたのがモキュメンタリーなのでもきゅもきゅしたやつを親だと思っている節があり、こういう作品は好きなので楽しかった!!!!

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