三本目 『挑戦!柔道ブンデスリーガ』
さあ、始まりました『ドイツ柔道部物語』通称"DJM"(世間に浸透するまで毎回言い続けます)
今回は三本目にして早々と切り札的テーマであるドイツの柔道ブンデスリーガについて書いていこうと思います。
このテーマはかなり深く掘り下げることができるので少しずつ情報を投下していければいいかなと思っています。
それでは早速本題に参りましょう。「はじめ!」
ブンデスリーガ(Bundesliga)って何ですか?
みなさんもどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。おそらくサッカーファンの方や、昔よくフジテレビのスポーツニュース番組「すぽると!」などを見ていた方はご存知かもしれませんね。
まだ僕が高校生ぐらいの時は高原直泰選手とか小野伸二選手ら日本人サッカー選手がドイツのブンデスリーガで活躍している様子がよく取り上げられていた記憶があります。今ではさらに多くの日本人選手が活躍していますね。
しかしこのブンデスリーガというのは日本のJリーグのように何もサッカーだけに与えられたリーグ名ではなく、ドイツ国内の様々なスポーツの最高リーグを称している言葉です。これは各スポーツの規模にもよって違うかもしれませんが、柔道ではブンデスリーガで試合をしている選手をプロのスポーツ選手、それ以下をアマチュアのスポーツ選手というように定義付けることができると思います。
日本人も柔道ブンデスリーガに出れるの?
はい。実力さえあれば出れます。
ブンデスリーガに出るには二つのアプローチ方法があります。
①すでにブンデスリーガ1部または2部で試合をしているクラブチームと交渉し助っ人外国人枠として試合をする。
②下位リーグのクラブチームに所属し、これまた助っ人外国人枠として試合に参加しブンデスリーガへ昇格するというものです。
①に関しては日本でジュニアなり実業団なりでそこそこの成績を残している選手であれば実力としては十分ではありますが、もちろんわざわざ遠い日本からブンデスリーガのためだけに年に何回も呼び出しては航空券代を払うのはコスパが悪すぎます。なので東欧や中東の国などから選手をレンタルしているチームがけっこうあります。
元ギリシャ代表でロンドンオリンピック金メダリスト(-81kg級)のイリアス・イリアディス選手や
元イラン代表(現在はモンゴル国籍)の2018年バクー柔道世界選手権金メダリスト(-81kg級)のサイード・モラエイ選手などもブンデスリーガで試合をしていました。
現在はスイスでコーチをしている島達人先生や、スコットランドでコーチをしている北原隆文先生が助っ人外国人としてブンデスリーガ1部で選手として参加されているのでお二人からも有力な情報が得られると思います。
②についてですが、まずはドイツ国内にどれくらいのリーグがあるのか見ていきましょう。僕の住んでいるノルドライン=ヴェストファーレン州を基準に説明していきます。
ノルドライン=ヴェストファーレン州ではブンデスリーガを含めると全部で7部のリーグが存在します。
上から
1部 1. Bundesliga プロリーグ1部
2部 2. Bundesliga プロリーグ2部
3部 NRW-Liga 州上位リーグ
4部 Oberliga 州下位リーグ
5部 Verbandsliga 州を南北で分けた地域リーグ
6部 Landesliga 県リーグ
7部 Bezirksliga 市リーグ
(右の日本語はリーグの規模の大体のイメージです)
のような構造になっています。なのでクラブチームが何部に属しているかによってブンデスリーガ昇格まで必要年数は異なります。
ちなみにリーグ昇格はその年のシーズンの優勝・準優勝チームのみ可能です。つまり7部からスタートした場合毎年昇格するとしてもブンデスリーガの2部にいくまで最短でも6年かかるわけです。
そして僕の所属するJudo Club 71 Düsseldorf e.V.(JC71)は2014年のシーズンからチーム登録をし、7部からスタートしました。
ブンデスリーガの試合方法
いろいろ話をする前に、ブンデスリーガがどのような試合方式をとって勝ち負けを決めるのかという説明がまだでしたね。
ブンデスリーガを含め全リーグでは7人制の階級別団体戦で勝負が決められます。男子だと -60kg/-66kg/-73kg/-81kg/-90kg/-100kg/+100kg
女子だと -48kg/-52kg/-57kg/-63kg/-70kg/-78kg/+78kg
といった感じです。
余談ですが自分の階級よりも上の階級で試合することは認められています。(-73kg級の選手が-81kg級や-90kg級で試合するみたいに。)
階級の順番は試合の日程ごとに変更されます。というのも、ブンデスリーガでは1日に2試合のみしか行われません。その日試合をする2チームがどちらかのホーム道場または会場で7人制の団体戦を2回行うのみです。
また2回目の団体戦の時には最低2名の選手を入れ替えなければならないというルールがあります。相手がどの階級を入れ替えるか予想し、逆に自分のチームのどの階級の控え選手でポイントを取るかなどの駆け引きがあり非常に面白いルールだと思います。
毎回2人まで外国人助っ人を使うことができるのですが、ここは特にポイントゲッター的役割で契約金を払って招集している選手がほとんどなので変わることはまあ少ないです。
試合のルールは国際試合審判規定と同じで引き分けはなく、本戦の4分間で決着がつかなかった場合、ゴールデンスコア方式でどちらかがポイントを取るまで続行されます。7人制の団体戦なので勝敗がはっきりと分かれるのでいいですね。実にわかりやすい。
というわけで今回はドイツの柔道ブンデスリーガについての解説でした。まだまだ書き足りない部分があるので今後さらに詳しく記事にしていきたいと思います。(チームカラー道衣、契約金、予選・決勝ラウンド、自身のブンデスリーガまでの記録etc...)
なにか質問や要望(これについて触れて欲しいなど)あればコメント欄に書いていただけると嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それまで。ではまた。