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⑤ 監査役会(監査役協議会)の運営状況

⑤ 監査役会(監査役協議会)の運営状況
上場審査では、監査役会が監査役会規則に従い、適切に開催され、運営されているか、監査役会の招集手続き、参加者、議題が適切か等の事項が確認されます。また、監査役会には、非常勤監査役を含めて監査役全員の出席が求められます。非常勤監査役であっても欠席が生じないように、年間のスケジュールを定めて事前に監査役全員の出席を確認しておく必要があります。監査役会の開催はWEB会議での実施も可能ですが、必ず双方向で意見交換ができる形式が求められます。

監査役会の議題の一つとして取締役会の議案の精査があります。取締役会の議案に関して、質問事項や監査役として指摘すべき事項がないかを監査役間で協議するため、監査役会の開催は取締役会の前に開催する必要があります。また、取締役会の議案については、常勤監査役は議案上程前の経営会議等の社内会議に出席することで、事前に内容を把握することができるため、監査役会においては、非常勤監査役に議案内容を説明する役割も求められます。

監査役会議事録は、出席監査役の押印済の議事録の写しの提出を求められます。監査役会については、議事録だけでなく、会議に使用した資料の提出も求められます。各監査役会議において使用した資料については、議事録の添付資料として同時に管理保存しておく必要があります。

⑥ 取締役会への出席状況、取締役会における発言の状況
取締役会についても監査役会同様、非常勤監査役を含めて監査役全員の出席が求められます。取締役会についても年間のスケジュールを定めて事前に関係者全員の出席を確認しておく必要があります。非常勤監査役であっても、取締役会への欠席があった場合にはその理由を詳細に問われることになります。非常勤監査役の本業の都合で欠席が頻出するようだと、監査役就任の適性を問われることになります。

取締役会での監査役の発言は、必ずしもすべて取締役会議事録に記録されるわけではないため、重要な監査役の発言については、監査役の調書にその内容を記録しておく必要があります。監査役の発言のうち、議案内容に関する質問や確認事項でその場で解決したことについては、その回答者や回答内容も含めて記録しておく必要があります。また、将来的に改善を要する指摘事項や提案については、言いっぱなしにならないようその後の改善状況等会社の対応状況をその後もフォローしていく必要があります。
(続く)

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Ⅰ 上場審査と監査役
(1)証券会社の審査の目的(続き)
(2)証券取引所の審査の目的
2.監査役の業務に関しては、具体的にどのようなことが審査されるのでしょうか?
(2) 提出資料/(3) 審査の内容、観点
③ 監査計画の作成


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