ユーチューバーやアナウンサーを役員にする選択・・・みんな違って、みんないい?
女性ユーチューバーを社外取締役に選任する議案が話題ですね。
社外取締役の役割っていろんなところが出してますが、経産省の出している実務指針を引用すると、
1)株主からの付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督する。
2)成長のためには従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会等、株主以外の様々なステークホルダーとも適切に協働することが不可欠であることを踏まえ、様々なステークホルダーの視点を取締役会に反映させる。
ということなので
「様々なステークホルダー」つまり、主婦でも女優でも、の視点を取り入れたらいいじゃないか、ってことなのかもしれませんが、
それって1)つまり「経営」を監督できる経験、知識、スキルを持っていることが前提ですよねえ。
それ議論いる?
くらいの「あたりまえ」なんですが、女性活躍推進の流れと相まって、くだんの女性ユーチューバーやアナウンサーなどが候補者になったことが記事になっていました。
まあ、そういう記事が出ると、
そもそも社外役員ってどういう役割なんだっけ、とか、
役員のスキルマトリックスってどうなってるか、とか、
適任の女性がいないのに無理やり女性を1名いれるのはいかがなものか派vsいやまず1人入れるのが重要派とのバトル勃発、とか、
いろんな議論が起きることはよいことだと思っております。
取締役会制度が始まってから今までも皆さん当然毎年役員を選任し取締役会を開催されていたのに、という思いはあるものの、あらためて論点が言語化できたのだということかと。
あらためて考えるって必要かも、と思うのは、会計の世界でも、国際的な動向を踏まえて「新・収益認識基準」という基準が入ったときです。
大騒ぎして
「え?売上とはなにか?とか、今更考えるの?じゃあ、今までの売上、って何だったの?」
というイベントがあったばかりでした。
以前の「売上」とは「出荷基準」「検収基準」などなど業種や取引内容で別々の会計基準、あるいは税務によったりして体系的な収益認識の基準が存在しなかったということです。売上という重要指標、トップラインの数値の在り方を2022年とかに議論しているってすごいなとは思いつつも、今まで整理されていなかったことを整理できてよかったよかった・・・
ということもあるので、外圧でも強制適用でもきっかけはともかくとして、あらためて考える、ってとても重要なことなんだと思っています。
今朝、会計士のお友達から、3月決算6月総会の選任議案がリリースされました、今度どこどこの取締役に就任予定です、といったご挨拶がありました。彼女の場合、会計士の知識やスキル、以前の役員経験、それ以前の職の経験とぴったりあってて、確かに適任だ、よかったなと思えた事案でした。
(残念ながら私はそこの株主ではないのですが)
株主のためにも、会社のためにも、選任される方のためにも、すべての選任議案が納得感あるものであってほしいものです。