就任直後に気を付けたいこと
早いもので、下記noteを書いてから1年になりました。
3月決算会社の株主総会で、新たな会社に就任された方、再任された方、様々いらっしゃることでしょう。
この度初めてご就任される方のため、自戒も込めて、気を付けたほうが良いと個人的に考えていることをコメントさせていただこうと思います。
あくまで、自論です。
余計なお世話だと思われた方はどうぞここでUターンしてくださいませ。
ありがちパターン1 いきなり臨戦態勢
時々、社外役員たるもの、会社の問題を何か発見して指摘しなければならない、と、いったスタンスで来られる方がいらっしゃいます。
初回の役員会で、○○は問題だ! ××すべきだ! と主張される方もおられるとか。
なめられないように、なんでしょうか?
もちろん、だれがどうみてもコンプライアンス違反やモラルに反する等の問題が発見されれば指摘する必要がありますが、就任したばかりで自身の理解が及んでいない可能性のほうが高いです。もし疑問があれば、「質問」の形で確認されるのがよろしいかと思います。
取締役会の構成員の略歴、スキル、就任してからの年数などの公表情報は事前にわかりますが、それ以外に個人の性格や、誰がどちら派なのかといった内部情報、過去にその案件がどのように扱われてきたのかといった背景を極力理解してから発言すべきとの考えです。
ただ、無邪気に?発言しても、女性の場合なんとなく許される雰囲気があったりもします。
それが戦略的無邪気さ、であればよいのですが、詰問調で「これは問題です!」などとやってしまうと、その後うまくやっていけるのか心配になります。空気を読まず考えを発言すべき、などとよく言われますが、何でも思ったことを口に出せばいいというわけでは当然ありません。
ありがちパターン2 いきなり経営会議に出席を依頼
別の話で私自身の失敗として、就任直後に、今まで社外役員が呼ばれていなかった経営会議に出席したいと申し出る、というのがありました。
やる気に満ち溢れた勇み足とでも言いましょうか。
他にどのような会議体があるのか、取締役会と経営会議との関係、出席者、頻度、話し合われている内容などよく理解しないままに、「経営会議」なるものに社外役員は出て何が話し合われているのか把握すべきだという思い込みによる失敗でした・・・
出席するにしても、もう少し事情をよく理解してからのほうが、得られた情報は格段に違ったものと反省しております。
類似のパターンで、いきなり大量の資料提出を依頼する、というのもありがちかと思います。対応いただくにも工数がかかることを想像すべきと思います。
ありがちパターン3 女性活躍推進についての主張方法の失敗
男性役員の中には、この時代にも、女性は仕事しないでいるほうが楽であるのに、なぜ管理職や役員になりたいのか理解に苦しむ、そんな女性など自社内には存在しない、といった考えをお持ちの方が存在するようです。
そういう方に「労働力不足の中、また、社会の要請もあるので女性活躍推進をすべきだ」などといっても、なかなかご理解いただけません。イメージとしては、女性蔑視発言で問題となった以前の首相のような方を思い浮かべていただければと思います。
経営者としての手腕は素晴らしかったりするわけで会社の業績も好調、となると、女性活躍推進をしないことで何が問題なのか、と。
同じパターンで何度も主張したところで、残念ながらキャンキャンうるさいだけ、となってしまうので、大人の対応をしつつ、味方を増やして多くの人を巻き込みながらじっくり取り組んでいく覚悟が必要となります。
必要なのは「メタ認知」能力か
以上サンプルでお伝えしてきましたが、共通するのは、自身の言動が相手にどう受け取られるかの想像力を働かせる必要あるといったことだと思います。まさに「メタ認知」能力。比較的女性はメタ認知能力が低いという調査もあるようで、そういう意味でもありがちな失敗なのかもしれません。
参考
メタ認知、については、先日読んだこちらの記事も興味深かったのでご案内しておきますね。
賢明なみなさまが就任後、スムーズにオンボーディングされることを願っております。