激戦大阪 たつみコータローは自民支持層の受け皿となるか
激戦の大阪選挙区 戸惑う自民支持者
7月21日(日)投票で参議院選挙が始まった。
関西で特に注目されているのが定数4の大阪選挙区だ。大阪は4月の統一地方選で大阪維新の会が勢力をのばしたことに対し、これまで大阪市廃止(大阪都構想)に反対してきた公明党が廃止賛成で維新と合意を結んだ。また自民党大阪府連も新会長が、大阪市廃止を問う住民投票実施賛成に方針を転じたのである。
「自民党も公明党も維新に屈服してしまった」-ある大阪政界関係者は、こう話す。
これら政党の方針転換が支持者や有権者にどのように受けとめられるのか。2020年に住民投票実施が予想される中、大阪選挙区がどういう勢力図になるかは、今後の大阪政治にとって極めて重要である。
こうした中で、方針転換した自民党の支持層が揺れている。7月3日に発表されたJX通信社の世論調査によれば、自民党支持層の4割が自民党候補への投票を躊躇していることがわかる。
参院選 大阪選挙区の公示前情勢分析=JX通信社 大阪府内情勢調査(米重克洋) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/yoneshigekatsuhiro/20190703-00132748/
なお、選挙区での投票先をまだ決めていない態度未定者は6月29日・30日の調査時点で全体の5割近くに上っており、情勢は流動的だ。とりわけ自民党支持層の約4割、無党派層の約7割が投票先を決めておらず、時間の経過とともに情勢が大きく動きそうだ。
自民支持の経営者らが、たつみコータローの応援に
こういう人たちの受け皿になりうるのが、大阪生まれで大阪育ち、大阪選挙区の改選議員の中で「大阪市存続」を主張して筋を通している、たつみコータロー候補(共産党)である。
大阪選挙区は2016年の参院選で、維新2人と自民党、公明党が当選し、国政野党は閉め出される結果となっている。つまり、現在の大阪選挙区で維新に屈服していない議員は、たつみ候補だけとなっているのだ。
たつみ候補の公示日第一声で驚いたことがある。自民党支持者の企業経営者・中野雅司氏が、たつみ候補を応援するスピーチを行ったのだ(下段に書き起こし)。中野氏は大阪府庁の近くに複数の不動産ビルを所有する長年の自民党支持者として知られている。
また、別の自民党支持者の経営者は、たつみ候補のことを知り、経営者30人を集めて会合を持ち、支持を広げている。
もちろん、投票先を決めていない自民党支持層のすべてが大阪市廃止に反対というわけではあるまいが、上記のような動きが広がり、大阪を愛し、大阪市存続を願う無党派の支持が集まれば、たつみ候補が浮上する可能性が生まれているのだ。
もし、たつみ候補が再選を果たし、維新や維新に屈服した自民・公明の一角を崩すことになれば、現在、維新がマウントを取っている大阪政治に別の風が吹くことは間違いない。
そしてその結果は来年実施が予想される大阪住民投票にも大きな影響を与えるだろう。
たつみコータロー第一声での中野雅司氏のスピーチ(書き起こし)
(※動画からの書き起こしのため、聞き取りづらい部分などは言葉を補った)
大阪市の分割廃止構想に反対の立場をとってきました。
また大阪がこれ以上、巨大な政党に支配されることは非常に危険だと思っています。早速、他の政党の市議と記者のやりとりを行政の人間が録音することが全く問題ないというようなホントにおかしなことを言い出しております。
また吉村知事は知事としてのツイッターで維新の出身候補者の名前をわざわざあげて大阪の皆様ぜひ応援よろしくお願いしますとツイートしました。
もはや選挙で勝つためには何の節操もないという嘆かわしい状態になっています。
この大阪の状態は必ず国政にフォローされます。これ以上日本の政治を恥も外聞もない節操のかけらもない愚かなものにしてはならないと思います。
そのためには、まずこの大阪で維新政治にお灸をすえ大人としての振るまいを教えていくことが必要です。
そのためには、たつみコータローさんをはじめ共産党さんや他の野党の候補者の皆さんにぜひこの参議院選挙で維新の牙城を崩していただきたいと強く思っています。
同時に私自身は自民党の支持者ではありますが、安倍政権に改憲は絶対にやってほしくないと思っています。
それは安倍政権下では、安保法制や特定秘密保護法やPFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)、種子法など重要な法律がどれひとつとっても熟議されることなく十分に国民にメリットとデメリットを周知することなく数の力で押し通してきたからです。
私たちの大切な憲法をないがしろにするようなやり方で改憲されてはならないと思います。
今の政治は改ざんや強引な主張が節度なくどんどんされるようになっています。正直言ってまともな国家としての形がどんどん歪められてものごとが進められています。
そのような日本がどんどん奈落の底に引きずり込まれるような流れをこの参議院選挙でストップさせ新たな潮流を是非起こしていただきたいと強く思います。
今回の参議院選挙は森友問題でも見事な指摘をされた、たつみさんにぜひ国会に戻っていただいて共産党さんや野党の皆さんの力の結集によって、維新の議席を減らすだけじゃなく改憲政党を減らしていただきたいと思います。
健闘をお祈りします。ぜひがんばってください。