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BANPAKUはBANGKOKに学ぶべし

年末にエアアジア航空のチケットが安く取れたので6日間タイへ行ってきました。

エアアジア航空はマレーシアのLCCで、日本からタイへの便は全部スワンナブーム空港ではなくて、ドンムアン空港(古いほう)での発着となります。

 初めてタイを訪れたのはまだ大学生だったから40年くらい前の話。

関西空港もスワンナブーム空港も存在していない80年代、バックパック一人旅に憧れていた私はタイ航空利用で伊丹からドンムアン空港へ。

 ドンムアン空港にはタイ国鉄の駅もあって、そこからバンコクまでは各停電車に乗って45分で行けた(バックパッカーの間ではよく知られていた裏技)んですが、逆方向、つまり北行きの電車に乗れば10バーツでアユタヤに到着するのです。所要1時間。

 初めてタイに来た時にこの方法で空港からアユタヤに行き、数日滞在して、すっかりアユタヤが気に入ってしまいました。

 当時はまだ世界遺産に登録されていないですから、遺跡群も放置状態で、どこの寺院遺跡も誰でも無料で自由に入ることができました。


アユタヤ遺跡公園 外国人は50バーツ タイ人は無料

 世界遺産に登録されて以降、遺跡公園の整備が進んで、外国人観光客は入場料が必要となり、観光客目当てのアトラクション(象乗りとかコスプレ)も充実してきました。

 今回、ドンムアン空港着ということを知って「じゃあバンコクに行く前にアユタヤで宿とって2,3日過ごそう」と奥様に提案したわけです。

 観光バスで大量に押し寄せるバンコクからの日帰りツアー観光客も、夕方になると帰っていきますから、それ以降は昔ながらの静かな町に戻ります。市場周辺も昔の雰囲気そのままですし渡し舟も健在。一瞬でタイムスリップした不思議な感覚(物価は3倍くらいになってますが)。

 時間がゆっくり流れる町、0.5倍速でDVDを再生しているようです。

「アユタヤもいいけど、せっかくタイに来たんだからバンコクにも滞在したい」という奥さんのリクエストで、3日目にアユタヤ駅から電車でバンコク(ホアランポーン駅)に移動しました(所要1時間45分 15バーツ)。

 バンコクへ来るのは6年ぶりです。地下鉄が開通したニュースは知っていましたが、今回滞在してみて、自分の予想のはるか上を行く発展ぶりにただただ驚きました。

 何というか、バンコクという都市全体がひとつのエンタメ観光都市に変貌しておりました。

 かつてバンコクは、外国人旅行者が個人で気軽に移動するには難易度の高い都市でしたが、地下鉄と高架鉄道が整備された今、誰でも簡単に行きたいところへ移動することができます。

 そして最新の人気観光スポットはリバーフロント地区。チャオプラヤ川のワットアルンの近くにメガアミューズメント施設が誕生しました。



クルーズ船から眺めたリバーフロント

 ナイトクルーズ観光とニューハーフショー(エンタメ)とナイトバザール(ショッピング)各国料理(レストラン)が一度に家族で楽しめる施設で、これが中国人ファミリーだけではなく、世界中の観光客に大人気なのです。

 地下鉄路線はまだリバーフロントまでは開通していなのですが、リバーボートでの移動手段が整備されているので、押し寄せる大量の観光客もさばけているようです(一流ホテルに宿泊している金持ちは急行ボートでホテルまで帰ることができます)。

 チャオプラヤ川沿いはかつては、高級ホテルが建つセレブな地域で、エンタメといえばディナークルーズと水上マーケットくらいしかなかった。

 それが今や、USJの何倍もある広大な敷地(工場の跡地だそうです)に子供から大人まで楽しめるアミューズメント施設が誕生したのです。

 現地で大人気のナイトクルーズ(午後7時30分発)を予約しようとしたら「明日はもうどの船も満席ですソーリー」と言われたので、若干空き席が残っている午後5時出発のサンセットクルーズ船に乗ってみました。

 バイキング形式の夕食付きでひとり3200円(所要90分)。
遊園地の敷地内の港から乗船するんだけど、各社のクルーズ船が同時刻に出航するから、乗船場はもう人種のルツボと化しております。

 阿鼻叫喚地獄を乗り越えて何とか乗船してしまえばそこは優雅な空間。

ワットアルンに沈む夕日が見れたので感激でした(タイトル写真)。

バンコクでは何をするにしても大阪の1.5倍くらいの速度で時間が過ぎていく感覚でした(実際エスカレーターの速度も1.5倍くらい)。

「シンガポールも大阪も一気に抜き去って、今やバンコクがアジアで一番魅力的な都市になってるよなー、すごいわー」としみじみ実感したのです。

3か月後に万博開幕を控える大阪(盛り上がってはいません)に戻ってきてため息交じりにつぶやく私がいます。
「大阪が浮上するためにはバンコクをお手本にするべきなのに。万博跡地がなんでカジノやねん」

 今更遅いんですけどね、万博関係者はバンコクに行くべきですよ。
(続く)



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