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調査官ク・ギョンイのOSTが素晴らしい件

 自分が外部顧問指導員をやっている高校軽音楽部で、7月中旬に、次々と体調を崩し、コロナ陽性と判定される部員が続出してしまった。
 感染防止対策はきちんと講じていて、部員も守ってくれていたのにショックでした。
 3年生の部員の引退記念の発表会まであと数日、というところで突然2週間の部活動停止となり、2学期以降の部活動のスケジュールにも大きな影響が出てしまっています。
(部活動は8月から少しずつ再開しています)

 早く2類からはずしてくれー、いったい何がまずいのだか。

 そうこうするうちに自分も発熱と喉の強烈な痛みが出てきて、地元の指定の医者に行ったら「陽性です。10日間自宅で隔離療養してください。」と宣告されてしまいました。あーあ。

 すでに独立して、現在は横浜在住の息子がかつて使っていた子供部屋が空き状態(荷物置き場と化している)なので、そこで10日間自主隔離。

 幸い3日目には熱も平熱に戻りましたので、残りの7日間は荷物置き場でひたすらヒマをもてあましておりました。

 隔離生活の毎日の楽しみはプロ野球観戦とネットフリックス。部屋を暗くしてスマホで鑑賞すると、集中力が増すような気がする。
 結果、韓国ドラマ2本(調査官ク・ギョンイとペーパーハウスコリア)と、映画3本をじっくりと鑑賞できたのでした。

 で、ここからが本題(ネタバレ注意)。

 「調査官ク・ギョンイ」は、アラフィフとなった今でも正統派美人女優として名高いイ・ヨンエ(チャングムの誓いの人ね)が主人公のサスペンス系ドラマ。

 イ・ヨンエはこのドラマで初めて汚れ役(夫が死んで以降、ネットゲーム三昧の自堕落生活を送る不衛生な女性)に挑戦。この宣伝文句に惹かれて見始めたわけだが、残念ながらこれはちょっとミスキャストだったかなー、というのが正直な感想。
 イ・ヨンエがいくら汚い身なりをしてアル中の演技をしようとも、どうしても気品高い美人が持つオーラは残ってしまします。それを打ち消そうとしてことさら下品な演技を強調する場面が挿入されるんだけど、これがちょっとくどい。ネットゲーム中毒という設定はいいとしても、不衛生な生活態度の描写は不要だったでしょう。

 で、もう一人の主人公がソシオパスの「K」役のソン・イギョン。この作品で百想芸術大賞TVドラマ部門新人賞を受賞しました。
 このドラマはソン・イギョンが笑いながら人を殺していくときの表情を堪能するドラマでもあります。
 
 女子高の演劇部だった頃の回想場面が、ジワジワと怖い。

 演劇部で面倒見ていた子猫が殺されたり、用務員のおじさんが死んだりする出来事が校内で発生します。

 その演劇部の顧問教師の奥さんが、当時警察官だったク・ギョンイ。
ク・ギョンイ警官は、演劇部の部員に聞き取り調査をするため来校した際に、ひとりの部員の言動に違和感を抱きますが、結局彼女は転校していってしまいます。

 でもこの2人、「K」と「保険調査官」として、のちに因縁の再会を果たすのですねー。

 「サンタ」というニックネームの寡黙な男の子、ボーイズラブ関係のカップル、財団の会長の秘書男性あたりがすごくいい味出していて、ドラマの味付けとしてはこれで十分だっただろうに。
 
  調査官ク・ギョンイ | オフィシャル予告編 | Netflix - YouTube

このドラマ、韓国では視聴率が伸びないままに終わったそうで、シーズン2の制作も望み薄な感じ。未回収の件もあるし、最後のほうの終わらせ方は結構バタバタしてるから、納得感は不十分。ほんと、イ・ヨンエがミスキャストだったとしかいいようがない。

 でも、オープニング曲、エンディング曲を筆頭に、このドラマはOSTのセンスがとにかく素晴らしい。

 このドラマの舞台は統営(トンヨン)。プサンのさらに南の果て。演歌かポンチャックしか流れてこないんじゃないかと思うほどの昭和テイストが似合いそうな地方都市。
 そこにセンスの良いシューゲイザーサウンドが流れてくると、あなたの脳内でこれまで未体験の化学反応が起こります。

                            (続く)

 

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