2021年秋季シーズンKCAFL記者会見レポート
2021年9月28日、関西学連による秋季報道説明会が行われ、Div.1に所属する八校の監督・コーチの記者会見も開催された。
(photo by 佐藤誠)
今年は新型コロナウイルスの影響で、当初9月3日に予定されていた開幕が10月2日に延期に。さらに、A(立命館大学、神戸大学、近畿大学、桃山学院大学)、B(関西学院大学、関西大学、京都大学、同志社大学)二つのミニリーグに分かれてリーグ戦を実施し、その後順位決定戦を行うこととなった。
Div.1の上位三校が、毎日甲子園ボウルへと繋がる全日本大学アメリカンフットボール選手権へ進出する。
初戦の組み合わせは以下の通り。
2021年10月2日(土)
11:30K.O. 神戸大学vs近畿大学
14:30K.O. 立命館大学vs桃山学院大学
2021年10月3日(日)
12:00K.O. 京都大学vs関西大学
15:00K.O. 同志社大学vs関西学院大学
各校監督・コーチは、今のチーム状況および注目選手、初戦相手校の印象、そして初戦への意気込みを語った。
【立命館大学 古橋監督】
昨年のレギュラー選手が多く卒業し、春夏でチームの強化を行うとともに経験を積みたかったが、コロナの影響で思うように練習が出来なかった。また、あまり試合が出来ていないのでどこまで力が付いたかがわからない状況。一試合一試合重ねる中で自信を付けていきたい。
注目選手は、QB#9 野沢研(4年)。高校で日本一になった経験があるが、大学ではあまり経験を踏んでいないので、どれだけビッグゲームで機能していけるかが鍵となっている。また、ディフェンスでは、LB、DBの多くが新しくレギュラーとなったメンバーなので、これからの成長にかかっている。
初戦相手校の桃山学院大学は、非常に構築されているチームだと感じる。LINE陣の洗練されたパスプロテクションと、強肩を持つQB#11 木村道正(2年)によるオフェンスをどう止められるかが重要。ディフェンスでは、LB#42 木原幸生(1年)に注目していたが、メンバー表を見ると#10 岡田吉城(1年)に変わっているので、それ以上の選手なのではないかと思い警戒をしている。
【神戸大学 矢野川ヘッドコーチ】
今年は例年と比較して、4年生がスターティングメンバーに多く揃っていることが特徴。毎年学生が主体となってチーム作りを行っているが、4年生を中心に今年は特によく出来ているなという印象を受ける。
一方で、フットボール未経験者が多いため試合での経験が重要であるが、コロナの影響により、春に予定していた5~6試合のうち2試合しか出来なかったという点に関しては、不安材料となっている。
注目選手は、主将 RB#27 森分優人(4年)。今年はラン中心のオフェンスとなっていくので、彼をいかに走らせていけるかというところ。ディフェンスではDL#8 寺川陸(3年)が未経験ではあるもののいい判断、プレーをしてくれる。
近畿大学とは、3年連続初戦で当たっている。QB#0 清水大和(3年)を中心としたランをどう止められるかにかかっている。ディフェンスに対しては、相手チームがどうこうというよりはQB#9 馬庭功平(4年)を中心に、自分たちのオフェンスがどこまで出来るか次第だと思う。また、RB#27 森分が個人技で、近畿大学のLB、DB陣に勝ってくれることを期待したい。
【近畿大学 大城監督】
この2年間ほとんど試合で勝てておらず、昨年に関しては秋シーズン全敗となってしまった。今年はなんとしてでも勝つべく、主将OL#50 天野敢太(4年)が中心となり、強力なリーダーシップを発揮しながら練習に励んでいる。
注目選手は、QB#0 清水大和(3年)で、ランプレーを中心としたこのチームでは清水がどれだけ走れるかが重要。また、DL#5 山下凌(4年)は攻守ともにチームの要となっているので活躍に期待したい。
我々としては、ここ2年連続初戦で神戸大学に負けているので、三度目の正直という気持ちでなんとか勝ちにいきたい。RB#27 森分をどうやったら止められるかというところを考えている。試合経験の少ないメンバーが多いが、能力的には十分だと思うので、力を発揮してくれることを期待している。
【桃山学院大学 藤原監督】
2019年にDiv.1に復帰した時のレギュラーメンバーが今の4年生に多い。特にOLには昇格を経験したメンバーが揃っているので、武器にして戦っていきたい。
注目選手は、副将 OL#74 徳田慶次郎(4年)、WR#14 内海晃輔(4年)、DB#15 松原拓海(4年)。1年生の頃から試合経験を積んでいる選手たちなので、活躍を大いに期待したい。
初戦相手校の立命館大学とは、正直なかなか力の差があることは否めない。例年であれば胸を借りる、というコメントで終わるところだが、今年は短期戦となっており、当校としてもしっかり勝ちにいきたいと思っている。チームとしても、ポジションに関わらず全員で一丸となって取り組んでおり、Div.1定着に向けた大事な試合ということで頑張っていきたい。
【関西学院大学 梅本コーチ】
QBが新しくなり迎える初めての秋シーズンであるので、その点でどのように戦っていけるかが今シーズンの鍵となっている。春にかなりの数の試合経験を積むことが出来たので、新QB#15 鎌田陽大(2年)も落ち着いてプレー出来るようになった。
注目選手、オフェンスはQB#15 鎌田、副将 RB#26 前田公昭(4年)。あとはOLがどこまで頑張れるか次第かなと。ディフェンスは、主将 DL#95青木勇輝(4年)と副将 DB#25 竹原虎ノ助(4年)が引っ張っていって、しっかり止めてくれたらなと思う。
同志社大学は、LBの四人が思い切りのいい動きをするなという印象。そこに対して自分たちのオフェンスが後手に回らないように、当日最初のシリーズを大切にしていきたい。
【関西大学 磯和監督】
昨年はディフェンス力に頼ったチームであったが、今年はオフェンスとディフェンスでバランスの取れたチームになっていると感じている。
オフェンスでは、主将 OL#52 岩本士(4年)をはじめ、副将 RB#1 前川真司(4年)、RB#5 柳井竜太朗(3年)に注目してほしい。ディフェンスでは、DL#93 新倉達也(3年)、DL#22 宮本一(4年)、LB#18 仲村優志(3年)、DB#0 金山将龍(3年)などが、コンビネーションよく頑張っていってくれたらなと思う。
昨年も初戦で対戦した京都大学。結果としては勝利したが、内容的には負けていたと考えている。選手の中では苦手意識を持っている人も多いが、そのイメージを引きずらず頑張っていきたい。QB(#16 中畑、#17 泉)はどちらが出てくるかわからないが、どちらも関西を代表するような選手だと思っている。不安もあるが、初戦に勝たないと次には進めないので、全力を尽くしてしっかり勝ちにいきたい。
【京都大学 相原監督】
OLとディフェンスのたくさんの選手が卒業し、ほぼ一からチームを組み立てるような状況だった。そんな中、コロナの影響で試合があまり出来なかったので心配はしているが、やっていくしかないなと思っている。
今年は京都大学としては珍しく潤沢に、二人も心強いQBがいる。QB #16 中畑尚大(4年)、#17 泉岳斗(2年)、そして2年生の頃から経験を積んでいるWR#34 大阪弘毅(4年)のパフォーマンスに期待している。ディフェンスでは、主将 DL#99 渡部大智(4年)とDB#97 板井彪太朗(4年)の二人に、新しくなったディフェンスをまとめていってほしい。
この初戦は本当に大事な試合だと思っている。関西大学の大型ラインに押し負けないようにしたい。自分たちとしては、経験の浅い選手をどうカバーしながら相手に向かっていけるかが重要になってくるので頑張っていきたい。
【同志社大学 藤原監督】
日々、学生主体でチーム作りを行っている。
WR#85 丹澤久輝(4年)と、RB#32 多田羅達也(4年)の二人がどれだけ活躍してくれるかが、オフェンスの鍵になってくると思う。ディフェンスでは、主将 LB#56 髙島瑞生(4年)の判断力と、DB#11 泉勇太朗(2年)、DB#9 強力幹央(3年)の優れたパフォーマンスを発揮してほしい。
初戦相手校の関西学院大学は、RBにスーパースターが揃っているので、こちらのディフェンス一人ずつでは止まらないなと。二人、三人でなんとか止めていきたい。あとは自分たちのWRが頑張ってくれたらチャンスが少しはあるかなと思っているので、頑張ってもらいたい。
各校、新型コロナウイルスの影響を受けながらも初戦に向けて準備を重ねてきた。今年は試合数が少ないため、例年以上に一戦一戦の勝敗が重要となっている。全日本大学アメリカンフットボール選手権に駒を進められるのはどのチームか。今週末、いよいよ開幕を迎える。
記事:高田妃菜