ほんとうに恐ろしい「管理人が消えるマンション」の話[ニュース拾い読み]
週刊現代の記事で興味をそそるものがありました。
時事ネタっぽいのに、ミステリー仕立てになっていて、どうなるんだろうと読み進めると……。
あるマンションで、70代の女性管理人(正確には管理員)が、突然いなくなったという出だし。
当該マンションを訪れると、屋上には「古びた食器棚やカーペットが放置され」「破けたゴミ袋が散乱し、異臭を放っている」という状態。
つまり、共用部分の清掃などがされていない状態で、住人が勝手にゴミを捨てているというわけなのです。
荒れた状態の影響は物件の売買にも現われ、売り出しても買い手が付かないという状態になってしまったといいます。
こうした管理員が見つからない状態で荒廃していくマンションが全国でも増加している、というのがこの記事の導入になっています。
管理員不足の原因は、この業務を担ってきた中心的な存在のリタイア世代が高齢化していることにあるとしています。
高齢化でも、仕事があれば人材は見つかるはずですが、要するに3Kの仕事であることが主因というわけです。
さらに、対応する居住者のモンスター化や外国人の増加など、現在の日本が抱える問題の縮図が「マンション管理員」という職場に顕著に表われてしまっているのです。
記事では、管理員に管理組合の通帳や印鑑を預けるという、あり得ない例を挙げていますが、こうした「マンション管理リテラシー」の低い管理組合のマンションが、管理員不足に陥りやすいと言えるのかもしれません。
翻って、マンションの管理員は、共用部分の清掃をするぐらいで、あとは暇な仕事だというような認識があるかもしれませんが、その「すべき業務内容」はかなり専門性を要して、バイト感覚で就業できるようなものではないという指摘も、記事ではされています。私もそう思います。
管理員は、官吏会社担当者の現場の目となり耳となり、そのマンションの管理をするうえで必要な情報を収集し、場合によっては管理組合の代理としてトラブルを迅速に収める役割を担うこともあります。
これができれば、問題が複雑化する可能性も抑えられるわけですから、事情に通じていてスキルもあり、当事者として対処できる(マンションにとって身近な第三者である)管理員の存在が、いかに重要かがわかっていただけるのではないでしょうか。
ところで、記事後半では、またまた管理業務を担当する人がいなくて環境が悪化してしまったマンションの事例を紹介しているのですが、これがまた自主管理のマンションの話。
週刊現代さんに文句を言うわけではないのですが、自主管理と管理員の問題は分けて話すべきで、管理会社に業務を委託しているほとんどの分譲マンションにとって、あまり刺さらない事例じゃないかと思うのですね。もしかしたら、オーナー物件と分譲マンションの区別が付いてない状態で取材されているのかと邪推してしまいます。
まぁ、それはさておき、分譲マンションにとっても管理員の問題は切実なので、文句ばかり言っているのではなく、管理会社と向き合って、業務改善を視野に入れながら、働いていただける人を大切に育てるという視点も必要で、しかも急務なのではないかと思います。
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