保険と保険外の合わせ技でよりフィットする介護をゲットできるのか!?
“混合介護”というワードが目に止まりました。
介護保険制度が始まって20数年。
このおかげで日本の高齢者の介護の質が向上したことは確かだと思います。
しかし、利用者が増えるということは、給付も増えるということ。
財源が無尽蔵ではないため、公的介護サービスには一長一短があるのも当然で、仕方のないことでしょう。
こうした公的介護サービスの穴を埋めるために、介護保険外サービスも増えてきている、というのが、この記事の「混合介護」のベースとなる部分です。
医療では「混合診療」が原則として認められず、保険外サービスを利用すると医療保険まで適用外になってしまうことは、かなり知られているのではないでしょうか(先進医療や差額ベッド代など例外あり)。
そのため、介護保険でも保険外サービスを混ぜてはダメなんじゃないかと思っている人が多いかもしれませんね。
私もこの記事の見出しを見たときに、「あれ?、混ぜていいのかな?」と思いましたから。
いやいや、混ぜていいんです。
安心してください、混ぜてますよ、です(笑)。
もちろん、支給限度額を超えた分の全額自己負担と同様に、自腹を切ることになりますが、介護保険との併用が可能なのです。
自己負担には2種類あって、ひとつは介護保険の上限を超えてサービスを受ける「上乗せ」と、もうひとつは介護保険では提供できない/していないサービスを受ける「横出し」です。
自腹を切るんだから誰にも文句を言われないだろうと思うのですが、実はそうでもないので、注意が必要です。
自治体によっては混合介護を一切認めないというところもあるようなので、自分の利用するエリアはどうなのか、確認しておく必要がありますね。
さらに、介護保険適用サービスから介護保険外サービスを連続して受けるのもNGだったりしています。
これは介護保険の報酬請求の都合上、明確に分けてサービスを行わないといけないからという理由からなのですが、DX化が進めば解決できるのではないかと思います。
一部の自治体で、混合介護のモデル事業が2018年から始まっていて、「同時一体的なサービス提供」ができるように準備が進められているようですが、なかなかハードルは高いようです。
いずれにしても、介護保険は受ける側のQOLをあげるとともに、介護側(家族やケア事業者など)の負担を減らすというビジョンがあっての制度。
両方を手厚くするのは資金的にも人的にも難しいという問題だけに、どうバランスをとりながら、より多くの介護に関係する人たちが満足できる着地点を見つけられるかが課題のまま残っている状態です。
続報を待ちたいと思います。