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とよしまさやか 藍の花
からり
守破離は、芸事の型とのつきあいかたを表す。
千利休の規矩作法に由来する。
規矩といえば、大工だ。
ぶんまわし、かねじゃくを使い、建てる。
とよしまさやか は、藍の花を建てようとした。
のをぶんまわし歩き、なきじゃくり笑い、拙い技術でつたを編み、藍の花を建てようとした。
藍の花は小さい。葉を染めに使い、種を次につなげる藍という草の、あいだの時間に咲く花だ。
花と華で字は違うが、藍の華といえば、藍甕の中で発酵し、染めを待つ好調な染液に浮かぶインディゴの純度の高い泡を指す。
その華が咲くことを、藍が建つという。
守破離、は、守と破は入口が同じだけれど、離は入口が別だ。離の入口を見つけるヒトは、初めから離を見つけていたりする。からり。からり。からり。
だから、守破の入口にたつことの意味を分からなかったり、憧れたりする。
それでも、時間が、守破の前に立ちつづけたヒトに、入口から中をのぞかせる。
種になる前の、花の様な時間。
とよしまさやか は、そんな時間をたてようとした。
はやしごうへい / 歓藍社
2018/12/28
シャンティニケタン