藍建てが始まった
あれもしよう、これもしようと思いながらも、日々雪に向かい、ヘトヘトになり、でも、ひとつき過ぎ、ふたつき過ぎしているうちに、もしかしたら少し身をこなせるようになってきたのかもしれない。今日は、昨日やろうと思ったことができた。一日先のことを書くのは、何だか変な気がしたが、立春ということで良しとする。
しかし、今日も良く降っている。軽いけど厚みのある雪で、あっという間に、この数日掘っておいたスペースを埋め尽くし、朝だというのに、夜より暗い。朝飯前にカッパ来て、スノーダンプを担いで雪に上がる。湯気で眼鏡は直ぐにしまうことになる。ふらつくまで、何度も雪を運ぶ。屋根に積もった雪との縁を切っていくと、時折どさーっと粉雪が滑って来て埋もれる。一度に、全部は落ちないので、だるま落としのように、何度かに分けて、下からとっていく。茅葺だったころは、ある程度屋根にためておいて、天気と雪の具合を見て降ろしていたそうだ。素材が変わって、様式が変わっていく。
ともあれ、15年も着ているカッパは、びしょ濡れになる。そいつを脱いで、干して、灰を炒り始めた。以前、東京で藍建てをしたいという仲間に灰とスクモを送った。その時に、昨年の薪ストーブで出た灰をふるっておいたやつがあった。測ると5kgあった。灰は、たいてい湿気ているので、アルミの鍋に入れて火にかける。しばらくすると、液体のように沸騰し、サラサラになる。かき混ぜながら様子を見ていると、ズッっという手触りになり、重たくなる。そしたら水の中に投入すると、ジャーンと音と煙を上げながら沈んでいく。灰を水に溶いた上澄みが灰汁だ。前に、一度にたくさん炒ろうとして、アルミのタライの底が溶けて抜けたことがある。灰の断熱性、蓄熱性を目の当たりにした。だから、今回は何回かに分けて少しずつ炒った。そうしている間に、犬の寝床の隣に場所を作り、掃除し、スクモの重さを測った。この家にあったプラの漬物桶を今回甕とすることにした。60Lなので、実際に使える容積は50Lくらいとして、7%のスクモとなると、うん4kgで行こうとなった。スクモには、灰汁を少しずつ馴染ませていく。今日は、スクモと同じ重量の灰汁を入れた。スクモが乾燥していたので、踏むのは明日になる。