当帰芍薬散加減が早期・習慣性流産に対して及ぼす効果についての臨床研究
林麗娜医師、李淑萍医師、袁杰医師
江蘇省 常州市中医病院
1.目的 当帰芍薬散加減を使い早期・習慣性流産の血栓前の状態に患者の中医証候・血液項目の変化、安胎の成功率を観察。
2.方法 ランダムで76名早期・習慣性流産の患者を対照組と実験組分けて、対照組は低分子量ヘパリンカルシウムを皮下注射、毎回4000IU、毎日1回。実験組は対照組治療の基礎に、当帰芍薬散加減を服用、30日1コースで2組2コースを行い、両組の中医証候(流産歴【2回1点、3回2点、4回以上3点】、膝腰だるい、めまい耳鳴り、顔色暗い、不正出血、出血色、腹痛、舌紫や瘀斑、脈沈渋)、血液凝集4項目、血小板凝集率、血液プロゲステロン・β-HCG、安胎成功率を比較する。
当帰芍薬散加減:当帰芍薬散に補腎薬を加味した処方
白朮12g、白芍12g、当帰10g、茯苓10g、沢瀉10g、菟絲子10g、桑寄生15g、続断10g、枸杞子10g、制何首烏10g、阿膠9g。
結論:当帰芍薬散加減は中医証候を改善、プロゲステロンを増やし、安胎成功率を高める。
4.討論
*実験により、当帰芍薬散は妊娠中の血液粘度を下げ、胎盤・子宮内の血液粘度を改善、活血化瘀の効果がある。その他、養血、健脾安胎の働きを持ち、寿胎丸の菟絲子、桑寄生を合わせることで、肝腎を補い、衝任脈の気血流通、安胎効果を発揮する。
5.感想
傷寒論では有名な安胎の処方である当帰芍薬散の科学的根拠を示すと言える。