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【じいじの放送大学便り:ゲーム理論②】ゲーム理論でわかる民主主義の危機 トランプ現象への考察


レポートを提出した!


先日始まった放送大学のゲーム理論ですが、年明けには早くもレポート提出の期限となり、何とか昨日頑張って提出しました。
提出したレポートを見返すといろいろコピペしたとはいえ、自分には本来縁もゆかりも無かったはずの「数式」が書き連ねられております。まるで悪魔が乗り移ったようです(怖)
「自分がやった事とはとても思えません」とは犯罪者がバレた時に言う台詞ですが、まさしくそんな心境です。
本当は勉強の賜物と思いたいのですが(笑)

この調子では一週間もすれば勉強したことはきれいさっぱり忘れてしまうんちゃうかと思い、ノートに要点などを書き留めています。

シャープレイ値について

今回学んだゲーム理論で特に印象に残るのがシャープレイ値( Shapley value)の考え方でした。
これは主に利得の配分や影響度の算定に用いられる考え方の一つなのですが、計算の根拠にそれぞれの貢献度を積み上げて計算するところに特色があります。

例えば、ある会議のメンバーが10名いたとしてそれぞれのメンバーの議決に対する影響度はいくらかという質問があったとします。
これは計算するまでもなくそれぞれのメンバーは10%の影響度を持つと言う事で良いと思います。

しかしこれに加えて、この人がノーと言ったら多数決をひっくり返して否決出来る権利を持ったメンバーが参加すれば各メンバーの影響度はどう変化するでしょうか?
さらにその特権メンバーが5人となればどうでしょうか?

そうです。これは国連の安全保障理事会の事を言っているわけです。
この場合は計算が必要なのですが、シャープレイ値の考え方では15カ国が順番に投票する組み合わせを全て想定します。つまりこの場合ですと15の階乗です。
そこから特権メンバー(国)Aの影響度を算定するには、組み合わせの中から、すでにA国以外の特権国が賛成しておりさらにA国が賛成することによって多数決が成立する、ないしはすでに多数決が成立している場合をA国が採決に貢献するケースとしてカウントします。
そしてそんなケースの合計を全ての組み合わせの数(15の階乗)で割ります。
一方、一般国が採決に貢献出来るケースは既に全ての特権メンバーが賛成しており、自分が投票することで多数決が成立する時のみです。

さて、これを計算した結果ですが
特権国の影響度はそれぞれ19.6%
その他の国の影響度は0.2%になります。これはあくまで各国が平等に振る舞うと言う仮定ですので実態はそうでは無いと思いますがそれにしても常任理事国合計の影響度は98%で、非常任理事国10カ国が集まっても影響度は2%ってどうでしょうか?
私は正直、今の国連を見てるとそんなもんじゃ無いかと思います。
逆に常任理事国については各国の拒否権に対して残りの国が団結しても対抗できないわけですから、それぞれが19.6%と言うよりそれぞれが5カ国分の98%を共有していると言う印象があります。

このことより国連における安全保障理事会はいかにも民主的な合議制で物事を決めているような体裁こそありますが特権国の存在によって少なくとも合議制の組織では無いと言うことがゲーム理論からも言えると思います。

しかし、周りを見渡せば大概の組織って合議制が機能不全してませんか?
会社等でもガバナンス強化が叫ばれていますが、様々な組織には少数ないしは一人の「特権者」や個別のルールが存在し合議制による民主的な運用を妨げています。特定の役員の顔色で決議が左右されたり、長年のボスの存在が公正な議論を妨げたり。
あなたの組織はどうでしょうか?

トランプ大統領に対する考察


しかし、最近は何てったってトランプさんですね。先日の新聞には「カナダを51番目の州にする」とか書いてありました。まさに言いたい放題。
対するマスコミや各国首脳の発信もトランプありきですから。
凄いもんです。
もう、大統領になる前から「特権者」です。

しかし、私の経験からはっきり言えるのは「特権者」や「特権国家」は自らなるものでは無く、周りが忖度して作り上げるものだと思うのです。
普通の考え方なら「本来はこうだけど〇〇さんはこう言ってました」ですが忖度し出すとまずは「〇〇さんがこう言ってました」から始まってくる訳です。この考え方が「特権者」を作ります。
どうですか?こんな忖度する人、周りにいっぱいいるでしょ。

今月末にはトランプさんが大統領になるわけですが何とか石破首相には「トランプ大統領が」では無く「あるべき姿は」で処して欲しいものです。