IT用語大全 ver2025.02
ITに関する幅広い用語を初心者向けに簡単に説明した辞典です。プログラミングやネットワーク、セキュリティ、クラウドなど主要な分野の基本用語を網羅し、それぞれ分かりやすく2~3行程度で解説します。専門用語はできるだけ噛み砕き、IT初心者でも理解できる内容となっています。
コンピューター基礎
コンピューターの基本的な構成要素や概念に関する用語です。
ハードウェア(Hardware):パソコン本体などの目に見える物理的な機器や装置のこと。CPUやディスプレイ、キーボードなどコンピューターを構成する全ての部品を指し、ソフトウェアと対になる概念です。
ソフトウェア(Software):コンピューター上で動作するプログラムやアプリケーションのこと。ハードウェア(機械)に命令を与え、パソコンやスマホを動かす役割を持つ「目に見えない存在」です。
OS(オペレーティングシステム):コンピューターを動かす基盤となる基本ソフトウェア。ハードウェアとアプリの仲立ちをし、機器内の資源や動作を管理・制御します(例:WindowsやLinux、Androidなど)。
CPU(中央処理装置):コンピューターの頭脳に当たる中心的な処理装置。プログラムの命令を高速に読み取り、各種の計算や制御を行う半導体チップです。
メモリ(主記憶装置):コンピューター内でデータを一時的に保存しておくための記憶装置。作業台のような役割で、プログラム実行中に必要なデータを蓄え、CPUが高速にアクセスできるようにします(電源を切ると内容は消えます)。
ストレージ(補助記憶装置):データを長期間保存しておくための記憶装置。ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などが該当し、電源を切っても消えない形でソフトウェアやファイルを保管します。
GPU(グラフィックス処理装置):画像や映像の描画・計算を専門に行う処理装置。ゲームや3Dグラフィックスの表示を高速化するために設計されており、CPUの負荷を分散させる役割も担います。
バックアップ:重要なデータを別の場所にコピーして保存すること。機器の故障や誤操作で元のデータが失われても復元できるようにするための対策で、定期的なバックアップがデータ保護の基本です。
プログラミング
ソフトウェア開発やプログラミングに関する基本用語です。
プログラミング:コンピューターにさせたい仕事や動作を、プログラムという形で指示すること。人間が理解できる言語(プログラミング言語)を使って手順を書き、ソフトウェアを作り上げる作業を指します。
プログラミング言語:プログラムを書くための人工的な言語。英語に似た文法や記法を持ち、コンピューターへの命令を記述します。例としてPythonやJava、C言語など多くの種類があり、用途や特徴がそれぞれ異なります。
ソースコード:プログラミング言語で記述されたプログラムの文字列(コード)のこと。人間が読める形式のプログラム本体であり、コンピューターはこれをもとに処理を実行します。
アルゴリズム:問題を解決するための手順や計算方法のこと。料理のレシピのように、決められたステップに従って処理を進めて目的を達成する処理手順の集合を指します。
データ構造:データを整理して保存・管理するための形式や構造のこと。例えば、一覧表のようにデータを並べたり、木の枝分かれのように関連付けたりと、必要な情報を効率よく扱えるようにする仕組みです。
変数:プログラム内で値(データ)を一時的に保存しておくための箱のようなもの。名前が付けられており、その名前を使って後から中身の値を読み出したり変更したりできます。
関数:一連の処理に名前を付けてまとめたプログラムの部品。何度も使う計算や操作を関数化しておくと、呼び出すだけで同じ処理を再利用でき、プログラムを整理しやすくなります。
オブジェクト指向:ソフトウェア設計のパラダイム(考え方)の一つで、データとそれに関連する処理をひとまとめにした「オブジェクト」という単位でプログラムを構成する方法。現実世界のモノを模した部品を作り、それらを組み合わせることで、再利用しやすく大規模でも管理しやすいプログラム設計が可能になります。
コンパイラ:プログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピューターが直接実行できる機械語に一括変換するソフトウェア。事前にコードをコンパイル(翻訳)して実行ファイルを作ることで、プログラムを高速に動作させることができます。
インタプリタ:ソースコードを一行ずつ読み取り、その場で逐次実行するソフトウェア。事前のコンパイルをせずに動作するため、コードを書いてすぐ実行・テストできる手軽さがあります(例:Pythonのインタプリタではコードを入力すると即座に結果が得られます)。
デバッグ:プログラムの誤り(バグ)を見つけて修正する作業のこと。意図しない動作やエラーが発生した箇所を調べ、原因となるコードを書き直して正常に動作するようにします。
ライブラリ:特定の機能を実現するためにまとめられた再利用可能なプログラムの部品集。例えばグラフ描画やネット通信といった機能ごとにコードがパッケージ化されており、それを利用することで一から実装せずに高度な機能を自分のプログラムに取り込めます。
フレームワーク:ソフトウェア開発の土台や骨組みとなる提供済みの部品や構造。決められた枠組みに沿ってコードを書くことで、基本機能が最初から備わった効率的で一貫性のあるアプリケーション開発が可能になります(例:Web開発用のRailsやLaravelなど)。
API(Application Programming Interface):ソフトウェア同士が機能をやり取りするための窓口となる仕組み。あるアプリやサービスが提供する機能を外部から呼び出せるようにするためのインターフェースで、開発者はAPIを通じて他のサービスのデータや機能を自分のアプリに組み込めます。
IDE(統合開発環境):プログラムの編集・実行・デバッグなど開発に必要な機能が一つにまとまったソフトウェア環境。エディタやコンパイラ、デバッガ等を統合して提供し、開発効率を高めます(例:Visual StudioやEclipseなど)。
スクリプト言語:コンパイルを必要とせずそのまま実行できる手軽なプログラミング言語の総称。記述が簡潔で初心者にも扱いやすいものが多く、小規模な処理や自動化に向いています(例:PythonやJavaScriptなど)。
バージョン管理:プログラムやドキュメントの変更履歴を記録・管理すること。過去の状態にいつでも戻せるようにしたり、誰がどの部分を編集したか追跡できるようにして、チーム開発や誤って変更した場合の復元を容易にします。
Git:ソースコードの変更履歴を管理するための代表的なバージョン管理システム。複数人での開発でも各自の編集内容を統合しやすく、ブランチ(枝分かれ)を使った並行作業や履歴の記録が可能です。GitHubなどのサービスと連携し、プロジェクトの共同開発にも広く利用されています。
オープンソース:ソースコードがインターネット上で公開され、誰でも自由に利用・改良できるソフトウェアのこと。無償で提供されることが多く、世界中の開発者が協力して機能追加やバグ修正に貢献できる体制が取られています。
DevOps(デブオプス):ソフトウェア開発(Development)とIT運用(Operations)を密接に連携させて効率化する手法や文化。開発チームと運用チームが一体となって継続的にソフトウェアの改善・デプロイを繰り返し行うことで、リリースサイクルを短縮し品質向上を図ります。
Web開発
ウェブサイトやインターネットに関する用語です。
HTML(HyperText Markup Language):Webページの内容や構造を記述するためのマークアップ言語。見出しや段落、リンクなど文章の構造をタグで指定し、ブラウザがこれを解釈してページを表示します。
CSS(Cascading Style Sheets):Webページの見た目(スタイル)を定義するための言語。文字の色・サイズやレイアウト、背景の装飾などを指定し、HTMLで作られたページのデザインを整えます。
JavaScript(ジャバスクリプト):Webページに動的な機能を追加するためのプログラミング言語。ブラウザ上で実行され、ボタンをクリックしたときの動作やアニメーション表示、フォーム入力チェックなど、ページをインタラクティブにする処理を担います。
フロントエンド:ユーザーの目に触れる部分のウェブ開発(主にクライアント側)のこと。画面のデザインや操作性に関わる実装部分で、HTML・CSS・JavaScriptを用いてWebブラウザ上で動作する機能を作ります。
バックエンド:サーバー側で動作するシステムや処理の部分。データベースとのやり取りやユーザー認証、アプリケーションのロジック処理など、ユーザーから直接見えない裏方の機能を担当します。
Webサーバー:Webサイトのデータ(HTMLファイルや画像など)を保管し、ネット経由でブラウザに送り出すコンピューター(またはソフトウェア)。ユーザーからのページ閲覧リクエストを受け取り、対応するコンテンツを返す役割を持ちます(例:ApacheやNginxなどのWebサーバーソフト)。
ブラウザ(Webブラウザ):インターネット上のWebページを閲覧するためのソフトウェア。ChromeやSafariなどが代表例で、ユーザーがURLを指定するとWebサーバーからページのデータを取得し、画面に表示します。
クッキー(Cookie):Webサイトがユーザーのブラウザに一時的に保存する小さなデータ。ログイン状態の保持や訪問履歴の追跡に使われ、次に同じサイトを訪れたときにユーザーの設定や情報をサイト側が読み取ることができます。
CMS(コンテンツ管理システム):専門知識がなくてもWebサイトの内容を簡単に作成・編集できるよう支援するソフトウェア。ブログ記事や製品紹介ページなどをブラウザ上の管理画面から更新でき、WordPressのような代表的CMSが広く利用されています。
URL(Uniform Resource Locator):Web上で資源(ページや画像など)の場所を示すアドレス(住所)のこと。例えば「https://example.com/index.html」のようにプロトコル・ドメイン名・パスで構成され、ブラウザやアプリがアクセス先を特定するのに使います。
ネットワーク
コンピュータ同士の接続や通信に関する用語です。
ネットワーク:コンピューターや機器同士をケーブルや無線で繋ぎ、データの送受信ができるようにした仕組み。情報の道筋を作ることで、ファイル共有やインターネット接続など複数のデバイス間で通信が可能になります。
LAN(ローカルエリアネットワーク):比較的狭い範囲(家庭内やオフィス内など)で構成されるネットワーク。限られた区域内でパソコンやプリンターを接続し合い、データや資源を共有する環境を指します。
WAN(広域エリアネットワーク):地理的に離れた場所を結ぶ大規模なネットワーク。遠隔地にあるLAN同士を専用回線などで繋いだもので、インターネットは世界中のネットワークを相互接続した最大のWANと言えます。
インターネット:世界中のコンピュータネットワークが相互接続された巨大な通信網。標準の通信規約(TCP/IP)によって異なるネットワーク同士が繋がり、Web閲覧やメール送受信など様々なサービスが地球規模で利用できます。
IPアドレス:インターネット上でコンピュータやスマホなどの機器を識別するための数字の住所。通常は「192.168.0.1」のようにピリオドで区切られた4つの数字(IPv4)で表され、通信する際に送信先・送信元を指定するのに使われます。
ドメイン名:インターネット上のサーバーの名前(住所)を表す、人間に読みやすい識別子。例えば「example.com」のような文字列で、内部では対応するIPアドレスに変換されて目標のサーバーに接続されます。
DNS(ドメインネームシステム):ドメイン名とIPアドレスを対応付けて管理するインターネット上の仕組み。ユーザーが「www.example.com」といったドメイン名でアクセスすると、DNSサーバーが対応するIPアドレスを教え、正しいサーバーへ通信を導きます。
TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol):インターネットで標準的に使われる基本的な通信プロトコル群の総称。データを小包(パケット)に分割して送受信する仕組みで、TCPはデータを確実に届ける役割、IPは送り先の住所指定(ルーティング)の役割を担います。
HTTP(HyperText Transfer Protocol):Webのブラウザとサーバーがページデータをやり取りするための通信ルール(プロトコル)。ブラウザがページを要求し、サーバーがHTMLや画像などコンテンツを返す際の約束事で、インターネットでのWeb通信の基本となります。
HTTPS(HTTP Secure):HTTPにセキュリティ強化を加えた通信プロトコル。通信内容を暗号化することで盗聴や改ざんを防止し、より安全なデータ送受信を実現します。WebサイトのURLが「https://~」で始まる場合、この暗号化された安全な通信が使われていることを示します。
ルーター:ネットワークとネットワークを中継し、データを適切な経路に転送する装置。家庭用ルーターは家のLANと外部のインターネットを繋ぐ橋渡しを行い、複数の機器をインターネットに接続できるようにします。
スイッチ:同じネットワーク内で複数の機器を接続するための装置(集線装置)。接続された各機器(ポート)間でデータを中継し、必要な相手先にのみデータを転送することでネットワーク内の通信を効率化します。
サーバー(Server):ネットワーク上で他のコンピューター(クライアント)にサービスを提供する側のコンピューター。ファイルの配信やWebページの提供、メールの送受信など役割に応じたサーバーがあり、常時起動してリクエストに応答します。
クライアント:ネットワーク経由でサーバーからサービスを受け取る側のコンピューターやソフトウェア。WebブラウザはWebサーバーのクライアントの例で、ユーザーの要求に応じてサーバーに接続し、データ(Webページなど)を取得・表示します。
ポート:ネットワーク通信で、一台のコンピューター内のどのサービス(アプリケーション)宛ての通信かを識別するための番号。例えばWebサーバーは通常ポート80番(HTTP)や443番(HTTPS)を使用し、メール送信は25番といったように、サービスごとに固有のポート番号が割り当てられています。
Wi-Fi(ワイファイ):無線LAN(Local Area Network)の一種で、ケーブルを使わず無線でデータ通信を行う技術規格。電波を利用してパソコンやスマホをネット接続でき、家庭やカフェに設置されたWi-Fiアクセスポイントを介してインターネットにワイヤレス接続できます。
Bluetooth(ブルートゥース):近距離間でデータをやり取りするための無線通信規格。キーボードやイヤホンをスマホ・PCと接続する場合などに使われ、Wi-Fiより通信範囲は短いですが消費電力が抑えられており、小型機器同士の接続に適しています。
VPN(仮想プライベートネットワーク):インターネット上に作られた暗号化された仮想的な専用ネットワーク。遠隔地から社内ネットワークに安全にアクセスしたり、公衆Wi-Fi利用時に通信を保護したりするために用いられます。トンネルのように暗号化された経路を作り、あたかも直接接続しているかのように安全な通信を実現します。
セキュリティ
コンピューターやネットワークの安全対策・脅威に関する用語です。
サイバーセキュリティ(Cyber Security):コンピューターやネットワーク上の情報資産を、不正アクセスやサイバー攻撃から守るための技術や対策全般。ウイルス対策ソフトの導入、ファイアウォール設定、データの暗号化など、デジタル社会で安全を確保するための取り組みを指します。
マルウェア(Malware):悪意を持って作成された有害なソフトウェア(悪性プログラム)の総称。コンピュータウイルスやトロイの木馬、スパイウェアなど様々な種類が含まれ、感染するとデータ破壊や情報漏洩などの被害を引き起こします。
コンピュータウイルス:自己増殖したり他のファイルに寄生したりする特徴を持つ悪意あるプログラムの一種。ユーザーの許可なくシステムに侵入し、データを破壊したり、ネットワーク経由で他のコンピューターに広がったりする性質があります。
トロイの木馬(Trojan horse):有用なソフトウェアを装いながら内部に悪意あるコードを潜ませたマルウェアの一種。見た目は無害に見えるためユーザーにインストールさせやすく、導入後に裏で不正な動作(データ窃盗や破壊など)を行います。名前はギリシャ神話のトロイの木馬の故事に由来します。
ランサムウェア(Ransomware):感染したコンピューター内のファイルを勝手に暗号化して使用不能にし、元に戻すための身代金(ランサム)を要求するマルウェア。企業や個人を問わず被害が報告されており、重要データのバックアップやセキュリティソフトによる防御が重要です。
フィッシング(Phishing):銀行や有名サービスからのメール等を装ってユーザーを騙し、パスワードやクレジットカード番号などの機密情報を盗み取る詐欺手口。偽のログインページに誘導し、ユーザーに自ら情報を入力させることで個人情報を詐取します。
ハッキング(Hacking):コンピューターシステムやネットワークに対し、本来は許可されていない不正な操作や侵入を行うこと。システムの弱点(脆弱性)を突いて権限のないデータにアクセスしたり、動作を乗っ取ったりする行為を指します。
ファイアウォール(Firewall):外部ネットワーク(インターネット)と内部ネットワークの間に設置し、不正な通信や侵入を遮断する仕組み。許可されていないポート番号やIPアドレスからのアクセスをブロックし、ネットワーク内部を防御します。
暗号化(Encryption):データを第三者に読み取れないよう、一定の規則に従って意味の分からない形式に変換すること。特定の鍵(パスワード)を持つ人だけが復号(元に戻す)できるようにすることで、通信や保存された情報の盗聴・改ざんを防ぎます。
認証(Authentication):アクセスしてきたユーザーやシステムが本物であることを確認すること。パスワードや指紋、顔認証、ワンタイムコードなど様々な方法で本人確認を行い、正当な権限を持つ者だけがサービスを利用できるようにします。
二要素認証:異なる2種類の認証要素を組み合わせて本人確認を行うセキュリティ手法。例えば「知っている情報(パスワード)」と「持っている物(スマホに届く認証コード)」の両方を要求することで、片方だけ漏洩しても不正ログインされにくくします。
DDoS(分散型サービス拒否攻撃):多数のコンピューターから標的のサーバーに一斉に過剰な通信を送りつけ、過負荷状態にしてサービスを妨害する攻撃。分散した大量のマシン(ボットネット等)を悪用するため防ぎにくく、Webサイトがダウンするなどの被害が生じます。
SQLインジェクション(SQL Injection):Webアプリの入力欄に不正なSQL文を混入させ、データベースを不正操作する攻撃手法。認証を突破して機密情報を抜き出したり、データを改ざん・削除したりする恐れがあり、入力値のチェックや安全なコーディングによる対策が重要です。
セキュリティパッチ:ソフトウェアの既知の脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を修正するための更新プログラム。開発元が問題発見後に提供し、ユーザーがこれを適用(アップデート)することで、新たに判明した攻撃手段からシステムを保護できます。
XSS(クロスサイトスクリプティング):Webページに悪意あるスクリプトを注入する攻撃の一種。掲示板やコメント欄に巧妙なコードを投稿し、他の閲覧者のブラウザでそのコードを実行させてクッキー情報を盗み出す等の不正を行います。入力内容をそのまま表示するWebサイトで発生しやすく、適切なエスケープ処理などで防止します。
クラウド
クラウドコンピューティングやインフラに関する用語です。
クラウドコンピューティング(Cloud Computing):インターネット経由で必要なときに必要なだけ計算資源やソフトウェアを利用できる形態。自前でサーバー等の機器を持たず、クラウド事業者(AWSやAzureなど)が提供するコンピュータ資源をオンデマンドで活用できるのが特徴です。
仮想化(Virtualization):1台のコンピューター上で複数の仮想的なマシンや環境を動かす技術。ハードウェア資源をソフトウェアで抽象化し、独立した複数のシステムとして動作させることで、サーバーの集約や効率的な利用が可能になります。
データセンター:大量のサーバーやネットワーク機器を設置した施設。インターネットサービスを支えるインフラ拠点で、安定した電源供給や冷却設備、高速な通信回線が整備されており、クラウドサービスの物理的土台として機能しています。
IaaS(Infrastructure as a Service):サーバーやストレージなどITインフラ資源をインターネット経由で提供するクラウドサービス形態。利用者はクラウド上に仮想サーバーやネットワークを借りることができ、その上に自由にOSやアプリケーションを導入して利用します。
PaaS(Platform as a Service):アプリケーションを実行するためのプラットフォーム(OSやランタイム環境、開発ツールなど)を提供するクラウドサービス形態。利用者は用意された環境上でアプリケーションの開発・実行ができ、サーバーやミドルウェアの管理はクラウド側に任されます。
SaaS(Software as a Service):ソフトウェア自体をサービスとしてインターネット経由で提供するクラウド形態。ユーザーはアプリをインストールせずとも、Webブラウザなどを通じて必要な機能を利用でき、データもクラウド上に保存されます(例:オンラインのメールサービスやOffice365など)。
パブリッククラウド:不特定多数のユーザー向けに公開されているクラウドサービス環境。大規模クラウド事業者が運営し、誰でもアカウントを作成してサーバーやストレージ等を利用できます。コストや規模の面でメリットが大きい一方、資源を他社と共有する形態です。
プライベートクラウド:特定の組織専用に構築されたクラウド環境。他の利用者と共有せず、自社データセンター内や専用のインフラ上でクラウド技術を用いて運用されます。セキュリティやカスタマイズ性に優れ、企業の機密データや特定要件に合わせて利用されます。
ハイブリッドクラウド:パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせて利用する形態。例えば機密性が高いシステムはプライベートクラウド上に置き、一般的な業務システムはパブリッククラウドを使うといったように、両者の長所を活かして柔軟に運用します。
コンテナ:アプリケーションを実行するために必要なソフトウェアやライブラリを一まとめにした軽量な仮想環境。OS上で他のアプリとは隔離された独立空間を作り出し、Dockerのようなツールを使って容易に作成・配布・実行できます。仮想マシンに比べ起動が速くリソース効率に優れています。
サーバーレス:サーバーの存在を意識せずにコードを実行できるクラウドサービス形態(「サーバーがない」わけではなく、利用者が管理しないという意味)。イベントに応じて関数単位のコードがクラウド上で自動実行され、必要なリソースはプロバイダ側が動的に割り当てます。開発者はインフラ管理から解放され、実行時間や回数に応じた課金モデルで効率的に利用できます(例:AWS Lambda)。
クラウドストレージ:インターネット経由で利用できるオンライン上のデータ保存サービス。DropboxやGoogle Driveなどが代表例で、自分のPCやスマホからネットを通じてファイルをアップロード・共有し、どこからでもアクセスできるようになります。
データベース
データの管理や活用に関する用語です。
データベース:大量のデータを整理して蓄積し、必要なときに素早く検索・利用できるようにしたデータの集まり。顧客名簿や商品在庫など関連する情報を構造化して保存し、専用のシステムを通じてデータの追加・更新・検索を行います。
RDBMS(Relational Database Management System):リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェア。データを表形式(テーブル)で扱い、複数のテーブル間の関係性を定義して効率よく操作します。OracleやMySQL、PostgreSQLなど、多くの業務システムで採用されています。
SQL(Structured Query Language):リレーショナルデータベースを操作するための問合せ用言語。データの検索(SELECT)、登録(INSERT)、更新(UPDATE)、削除(DELETE)などを比較的わかりやすい文法で指示でき、多くのデータベースで共通に利用されます。
NoSQL:従来のRDBMSとは異なる方式でデータを管理するデータベースシステムの総称(「Not Only SQL」の略とされる)。表形式ではなくキーと値の組み合わせやドキュメント形式でデータを保存し、柔軟なデータ構造や高いスケーラビリティを持つのが特徴です(例:MongoDBやRedisなど)。
テーブル:データベースにおけるデータの表(スプレッドシートのような形式)。行(レコード)と列(項目)から構成され、同じ種類の情報を一覧表の形でまとめています(例:顧客テーブルには氏名や住所などの列があり、それらの値を持つ各顧客の行が並ぶ)。
レコード:データベースのテーブルにおける1行分のデータ。ひとまとまりの関連情報の集合で、各列に対応する値を持ちます。例えば「田中太郎・東京・30歳・男性」のように、一人の顧客に関するデータ一式が一つのレコードです。
クエリ:データベースに対する問い合わせ(指示)のこと。必要なデータの検索要求や更新命令をデータベースに送ることで、該当する情報を取得したり変更を加えたりします。一般にSQL文の形で記述され、データベース管理システムがこれを解釈して処理します。
インデックス:データベースで検索を高速化するために特定の列に作成する索引。図書館の本の索引のように、目的のデータがどこにあるかを素早く見つけられるようにする仕組みです。インデックスを設定すると検索速度は向上しますが、その代わりデータ更新時に索引も更新する必要があり処理が増えます。
主キー(プライマリキー):テーブル内で各レコードを一意に識別するための項目(列)。他と重複しない値(ID番号など)を主キーとして指定し、それによって特定のレコードを効率よく検索したり、別のテーブルと関連付けたりします。
トランザクション:データベースにおける一連の操作をまとめて一つの処理単位としたもの。例えば銀行振込では「口座Aから引き落とし、口座Bに入金」を一つのトランザクションとして扱い、途中で失敗した場合は両方の操作を取り消す(なかったことにする)ことでデータの矛盾を防ぎます。これにより複数の操作を確実に完了させる仕組みを提供します。
AI・データサイエンス
人工知能(AI)やデータ分析に関する用語です。
AI(人工知能):人間の知能のような高度な判断や学習をコンピューターで実現する技術・システムの総称。自動運転や音声アシスタントのように、データをもとに自律的に最適な判断・行動を行う仕組みを指します。
機械学習(Machine Learning):大量のデータからコンピューターにパターンやルールを学習させる技術。明示的にプログラムを組まなくても、データから経験を積んで予測モデルを構築し、分類や数値予測などを高い精度で実行できるようになります。
ディープラーニング(Deep Learning):機械学習の手法の一つで、多層(ディープ)な人工ニューラルネットワークを用いてデータの特徴を自動的に学習する技術。画像認識や音声認識で飛躍的な性能向上をもたらし、人間に近い精度での識別や判断が可能になりました。
ニューラルネットワーク(Neural Network):人間の脳神経回路を模した構造を持つ機械学習モデル。多数のノード(人工ニューロン)とそれらを繋ぐ結合からなり、入力データから徐々に特徴を抽出して最終的な結果を出力します。ディープラーニングではこのニューラルネットワークを多層に重ねて用います。
ビッグデータ(Big Data):従来の手法では処理が困難なほど巨大かつ多種多様なデータ群。ソーシャルメディアの投稿やセンサーの計測データなど膨大な情報を指し、これをリアルタイムに分析することで新たな知見やサービス価値を生み出そうという取り組みを指します。
データサイエンス:データから有用な知識や洞察を引き出すための学問・技術分野。統計分析や機械学習などの手法を駆使して大量のデータを分析し、ビジネスの意思決定支援や問題解決につなげます。データサイエンティストと呼ばれる専門家がこの分析を担います。
IoT(Internet of Things):家電や車など様々な「モノ」にセンサーや通信機能を搭載し、インターネットに接続して相互にデータをやり取りする仕組み。IoTデバイスから集まる情報を分析・活用することで、自動制御や遠隔監視、スマートホームなど新たなサービスや効率化が可能になります。
先端技術・トレンド
最近注目されているIT分野の技術や概念に関する用語です。
VR(仮想現実):コンピューター上に作られた仮想の環境を現実のように体験できる技術。ヘッドマウントディスプレイなど専用デバイスを装着して視覚や聴覚を覆うことで、高い没入感の中でゲームやシミュレーションを行えます。
AR(拡張現実):現実世界の映像にデジタル情報やCGを重ね合わせて表示する技術。スマホのカメラ越しにポケモンGOのキャラクターが現実の風景に現れるように、実在する環境に仮想のオブジェクトを融合させて体験を拡張します。
ブロックチェーン:取引データを「ブロック」という単位にまとめて連鎖(チェーン)状に繋いで記録する分散型の台帳技術。暗号技術によって改ざんが極めて困難に担保されており、ビットコインなど暗号資産の基盤技術として広く活用されています。
5G(第5世代移動通信システム):スマートフォンなどモバイル通信の新世代規格(第5世代)。超高速・大容量かつ低遅延の通信が可能で、多数の機器を同時接続できるのが特徴です。スマートシティや自動運転、遠隔医療など次世代のサービスインフラを支える通信基盤として期待されています。
メタバース(Metaverse):インターネット上に構築された三次元の仮想空間や共有プラットフォームの概念。ユーザーはアバター(分身)を介して参加し、ゲームや社交、ビジネス会議など様々な活動が行えます。現実の経済や社会と連動する新たなオンライン世界として注目されています。
ITインフラ(サーバー・ストレージ・ネットワーク機器)
インターネットやシステムを支える基盤技術に関する用語。
ロードバランサー:複数のサーバーへトラフィックを分散させる装置やソフトウェア。負荷を均等に分配することで、サーバーの過負荷を防ぎ、システムの安定性を向上させる。
NAS(Network Attached Storage):ネットワーク経由でアクセスできるストレージ装置。ファイル共有やバックアップ用に企業や家庭で利用される。
SAN(Storage Area Network):専用の高速ネットワークでサーバーとストレージを接続する仕組み。大規模なデータセンターや企業向けのストレージ環境で利用される。
RAID(Redundant Array of Independent Disks):複数のHDDやSSDを組み合わせてデータの冗長性や速度を向上させる技術。RAID 1(ミラーリング)やRAID 5(分散パリティ)などの方式がある。
プロキシサーバー:クライアントの代わりに外部サイトへアクセスする中継サーバー。セキュリティの向上やキャッシュによる速度改善、匿名性確保などに利用される。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol):IPアドレスを自動的に割り当てるプロトコル。ルーターやサーバーがクライアントPCへIPアドレスを提供し、手動設定の手間を省く。
NAT(Network Address Translation):プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換する技術。ルーターがインターネット接続時に用いる。
SNMP(Simple Network Management Protocol):ネットワーク機器の状態監視や管理を行うための通信プロトコル。
BGP(Border Gateway Protocol):インターネット上のネットワーク間の経路を決定するためのルーティングプロトコル。ISP(インターネットサービスプロバイダー)間の通信に用いられる。
ソフトウェア開発(CI/CD・アジャイル開発・テスト手法など)
ソフトウェア開発のプロセスや手法に関する用語。
CI(Continuous Integration):開発したコードを頻繁に統合し、継続的にビルド・テストを行う手法。開発の品質向上やバグの早期発見に役立つ。
CD(Continuous Delivery / Deployment):CIで統合されたコードを、ステージング環境や本番環境へ自動デプロイする手法。
アジャイル開発:短期間のサイクルで開発・テストを繰り返し、柔軟に仕様変更を行う開発手法。スクラムやXP(エクストリームプログラミング)などの手法がある。
ウォーターフォール開発:開発工程を「要件定義 → 設計 → 実装 → テスト → 運用」の順に段階的に進める手法。一度決めた仕様を変更しにくい。
TDD(Test Driven Development):テストを先に作成し、それをクリアするコードを書くことで品質を確保する開発手法。
単体テスト:プログラムの一部分(関数やクラス)単位で行うテスト。バグを早期発見する目的で用いられる。
結合テスト:複数のモジュールやコンポーネントを組み合わせて正しく動作するか確認するテスト。
UIテスト:アプリやWebサイトのユーザーインターフェースが正常に動作するかを確認するテスト。
コードレビュー:開発者同士でソースコードをチェックし、バグの発見や設計の改善を行うプロセス。
クラウド技術(AWS・Azure・GCPの各種サービス)
クラウドサービスや主要なプロバイダーに関する用語。
AWS(Amazon Web Services):Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービス。IaaS、PaaS、SaaSなど幅広い機能を提供。
Azure:Microsoftが提供するクラウドプラットフォーム。企業向けシステムとの親和性が高い。
GCP(Google Cloud Platform):Googleが提供するクラウドサービス。データ分析やAI分野に強みを持つ。
EC2(Elastic Compute Cloud):AWSが提供する仮想サーバーサービス。必要に応じてスケール可能。
S3(Simple Storage Service):AWSのオブジェクトストレージサービス。大量のデータ保存に適している。
Lambda:AWSのサーバーレス実行環境。コードをイベント駆動で実行でき、インフラ管理不要。
BigQuery:GCPのデータ分析向けクラウドサービス。大規模データの高速クエリが可能。
データ分析(BIツール・データウェアハウス・ETLなど)
データを分析・可視化するための技術やツールに関する用語。
BIツール(Business Intelligenceツール):データを可視化し、分析・レポートを作成するためのツール。代表例にTableau、Power BIなどがある。
ETL(Extract, Transform, Load):データを抽出(Extract)、変換(Transform)、格納(Load)するデータ統合プロセス。
データウェアハウス(DWH):企業が収集したデータを蓄積し、分析に利用するためのデータベース。
セキュリティ対策(ゼロトラスト・エンドポイント保護など)
ゼロトラスト:「すべてのアクセスを信用せず、常に検証する」というセキュリティモデル。従来の境界防御型セキュリティとは異なり、アクセスの都度認証・検証を行う。
EDR(Endpoint Detection and Response):エンドポイント(PC・スマホなど)における脅威検知・対応のためのセキュリティソリューション。
Web技術(SPA・SSR・PWAなど)
最新のWeb技術に関する用語。
SPA(Single Page Application):ページ遷移なしで動作するWebアプリケーション。JavaScriptで動的にコンテンツを更新。
SSR(Server Side Rendering):サーバー側でHTMLを生成して送信する方式。SEOや初回表示速度に有利。
PWA(Progressive Web App):Webアプリをネイティブアプリのように利用できる技術。オフライン対応やプッシュ通知などが可能。
間違いや追記して欲しい単語があればコメントください。