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ベタの気持ち

ぼくは熱帯魚のベタ。

3ヶ月前にペットショップでご主人様と出会ったんだ。

ペットショップで売られている僕たちベタは、小さな水槽で管理されている。

不自由はないけど、やっぱり狭いなって思うし、思いっきり泳げないからストレスは感じるよね。

そのストレスで病気になっちゃう子もいるんだ。

ご主人様は、初めから僕たちベタがたくさんいるコーナーに向かってきた。

もしかして飼ってくれるかな?って思いながら、水槽の中で目一杯そっちに近付いてみる。

すごく優しそうな人で、大切にしてくれそうだなって思ったんだ。

でも、しばらくして居なくなっちゃった。

気に入ってもらえなかったのかな?

少し残念に思っていると、もう一度僕に顔を見せに来てくれた。

そうしたら今度は水槽ごと移動させられて…

その日から僕は、とても優しいご主人様のペットになった。

大きな綺麗な水槽とおやすみリーフっていう寝床を二つも用意してくれて、ご飯もたくさん貰って、贅沢な生活をさせてもらった。

だけど、僕の身体が弱くって、2ヶ月経たないくらいで病気になっちゃった。

なんだかうまく泳げなくて、すぐに沈んじゃうんだ。

浮き袋障害っていうみたい。

ご主人様はお世話の仕方が悪かったせいだって自分を責めてしまって、僕の病気を治そうとたくさんの治療をしてくれた。

塩浴とか薬浴とか、少し苦しかったけど頑張ったよ。

でも、浮き袋は治らなかった。

ご主人様は諦めきれなかったみたいだけど、その後は水槽の水をブラックウォーターっていう自然の環境に近い茶色いお水にしてくれて、上手く泳げないままだけどとっても元気!

身体がまっすぐを保てないから、何かにもたれかからないといけないし、もたれない時は水槽の底で煮干しみたいな形になって休んでるんだけど、全然辛くないよ。

おうちでお仕事をしてるご主人様が毎日近くで見守ってくれててすごく安心できるんだ。

僕にストレスがかからないように水換えも数日おきに少しだけにしてくれてる。

病気になっちゃったのは僕の身体が小さくて弱いせいなのに、ずっと責任を感じてお世話してくれるんだ。

だから僕も一生懸命生きる。

せっかく出会えた優しいご主人様とできるだけ長く一緒にいたいって思うんだ。

また明日の朝、大好きなご主人様の顔が見られますように。

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