1.11
まーたシャニマスがやらかしやがった!(誉め言葉)
283 Production LIVE Performance [liminal;marginal;eternal]
初日です。
XRライブを現地で体験したことがなく、是非一度観てみたいと思っていたものの、大抵のXRライブは超人気コンテンツであり。ファンでない自分がチケット争奪戦に混ざるのも申し訳ない気持ちになって遠慮していたのですが、今回シャニマスがXRライブをやるということで、初日の前半[never;1]公演のチケットが取れたこともあり嬉々として立川ステージガーデンまで足を伸ばしてきました。
そもそも、このイベント新宿ユニカビジョンで発表という、ある種の事件からスタートしたことは、ファンの皆様ならよく覚えていらっしゃると思います。
これまでにない……いや、ルカが参入した時も渋谷ビジョン占拠とかやってたのですが、ユニカビジョンで発表する際は、単なる告知ではなく、1時間前から予告動画を流しておりました。それがこちら。
『空白』という言葉通り、1時間、ある意味では虚無ともとれる映像を流し続けるという蛮勇とも言える行い。
個人的にはシャニマスらしいなあと思い、そもそも新宿の発表の時間に合わせないとおかしいと考えていたので、真ん中は飛ばして頭と最後の方だけ見ていたためにダメージは少なかったのですが。
真面目に最初から最後まで注視していた方々の評判はあまり良くなかった印象を持っておりました。
個人的にはシャニマスらしいなあと思うのですが。
そして会場となる立川ステージガーデンは、席によってはステージが観れないということで、評判が二分されており心配しておりました。ですが、自分は運良く1階席の前の方の列に。最近は席運がなかったので、今年最初のラッキーを得た気分です。
肝心のXRライブの中身ですが、技術が凄い! と感心しきり。
本当に目の前に『アイドル』が立っている感覚がある。
https://x.com/shinyc_official/status/1877991669213356526
これが本当に目の前で繰り広げられているんです。
ここまでか、というレベル。
これまで配信等の映像で見たことはありましたが、現地で目の前にすると『存在感』がとてつもない。3Dモデルにも力が入っており、今の技術力の高さには驚きっぱなしでした。
(本公演はスクショのSNS投稿はOKなのですが、noteがSNS扱いになるか不明のため、URLだけで)
演者が疲れないから、無茶な密度。1時間半という短時間ながら満足度は低くはなく、十分にチケット代分は楽しませてもらえました。
但し、満足度が高くもないのは、生歌ではないからの部分かなと思っています。
前述の通り、3Dモデルは素晴らしく。ある意味でダンスパフォーマンスもキャラによっての差がより明確になっておりました。そのため、キャラごとの『ダンスの意味』がより強く伝わってきたように思えます。
ここで言う、生身と3Dモデルのダンスパフォーマンスの違いは、とても感覚的なものになるのですが。
・完璧にできるものを敢えて崩す(3Dモデル)
・完璧を目指して自らを鍛える(生身)
この違いかな、と思っております。
(恐らく)歌に関しては録音、ダンスも先に作られたものだと思うために、ライブではありますがライブ感は薄く、言い方が悪いかもしれませんが超高級アニクラという印象でした。
但し演出としては素晴らしいものがあり、良い音響で重低音を浴びることができたこともあり、完成度の高い体験的映像作品と言う方が言葉としては正しいと思います。
配信アーカイブもチラ見しておりますが、映像表現としては、現地の方が圧倒的に良い。光の使い方がお見事すぎて。
3Dモデルを対象にしても、あんなにも光の影響を与えられるんだなと感心しきりでした。
どちらかというと技術面でどう作り上げたのかが気になる、という視点でライブを見ておりました。とにかく、今のXR技術の高さに脱帽しっぱなしでした。
完璧・永遠であることは美徳であり
彼女達は幾度も到達の機会を与えられる
このキャッチコピー通り。
XR技術で実現しようというものなのだろうな。
……私は愚かにもそう考えておりました。
相手がシャニマスだということを忘れて。
昨晩の作業から、ほぼ寝ずの状態でライブに行ってしまったため、疲労困憊で帰宅後寝落ちしてしまい、後半の部は後でアーカイブで見れば良いやと思っていたのですが……それが失敗でした。
起床後、SNSのざわめきを見て慌てて調べたのですが……。
まさか、こんなことが起きようとは……。
XRライブということで、生身の演者さんがいなくても成り立つ。
だから機材トラブルでも起きない限り、何度でも同じことを繰り返せる。そのための技術。……そういった認識となっていたところに、突き付けられた緋田美琴の体調不良。
知らない方に軽く説明しますと、シャニマスは『アイドルは生きている』を常々強調しておりまして。
メタ視点になりますが、本来はフィクションであるはずのアイドルキャラクターたちの実在性を意識させられるような展開、演出を行うコンテンツなのです。
なので、XRライブであろうとも、登場人物、アイドルであるキャラクターは生きているので、体調不良にもなってしまう……という理屈です。
失神というのもうまい。 キャラブレとか関係ない、本当の人体トラブル。 パフォーマンスにストイックなキャラだからこそ、緊張と責任感でぶっ倒れたと言われても、違和感がない。
というのも、緋田美琴はSHHisという二人組ユニットのうちのひとりなのですが。端的に言えば、とにかくアイドルとしてステージパフォーマンスに人生を賭けているキャラクターです。
つい一昨日、彼女が今の事務所(283事務所)に来るまでの物語が公開されまして。その内容のネタバレに触れてしまうのですが、今の事務所に来る前に、仕事がなくて一日中レッスンするしかない、ステージに立ちたくて立ちたくて仕方なく、昔の事務所から今の事務所に移籍する……という流れ。これまでのシナリオでも、ストイックすぎて、アイドルパフォーマンスしかないキャラとして描かれてきました。なので「ステージに賭ける想いの強さ」を、自分は理解していたはずなのですよ。
ですが、今回の緊張からの失神ということを前に、これまでのライブで素晴らしいパフォーマンスを発揮してきていましたが、『実は余裕がありそうに見えて、心の中はギリギリだった』のかもしれない……という視点が生まれてしまったことでして (天然赤ちゃん系キャラなので、余計に)。
これを生み出している人達、変態ですよ。
そして美琴の今のパートナーである七草にちかもまた、積み重ねてきた物語があり。美琴のかつてのパートナーであった斑鳩ルカにも、深い過去の物語があり……。
にちかは、美琴がいない中、ひとりでステージに立ちパフォーマンスを行う。「じゃない方」「バラエティー担当」と自虐しつつ、見事にトラブルを乗り越える姿。
カメラが最初、リハ通り美琴を追っちゃって、何もない空間を映すんですけど、慌ててにちかにフォーカスするとか芸がこまけぇ~!
にちかが乗り越えることができたのも、実装から今日までの物語での成長があったから。『じゃない方』であった彼女が、美琴不在のSHHisを支えられるまでになっている。
美琴パートがない中、にちかがソロで歌うFly and Fly、これ、めちゃくちゃグッとくる……。現地か、生歌だったら泣いてた……。
そしてルカのアンコール後のマイク。
吐息と、「ステージは降りねえ」もまた印象的な演出……。
(それはそれとして、羽那とはるきにあまり動揺が見られないの、メンタルバケモノなのか、強気であろうとしているのか……)
こんなコンテンツ好きになったら、そりゃ人生狂う……。
緋田美琴の人生を考えたら、最悪の演出という意見もSNSで見られましたが、人生は何があるかわからない。
アイドルに命を賭けているからこそ、不遇な出来事に見舞われることだってある。この件を機に、美琴、他のアイドルがどう絡み、そして再び羽ばたくか……!(面倒くさい顔でろくろを回す)
構成が素晴らしすぎる。
初回で技術力の凄さを見せて、XRだから無茶なセトリだな!とか思わせたことが伏線とか……。 これ、明日、どうするんだ。と思わせる点まで含めて、キャラクターが好きな方々には申し訳ないが、シャニのこういった部分が好きな自分としては拍手せざるを得ない。
一点、自分の認識が正しかったと思うのは、今回のライブは『体感型映像作品』だったという点だろうか。
そこまで考えついていたのに、こういった演出ぶち込んでくる予想ができなかったのが本当に悔しいです。
とにかく、映像表現と割り切って、思い込んで。
その裏をかかれてしまったことに対する敗北感が強い。
自分は技術として見てしまっていたのですが。
そうだよね、シャニのアイドルは「生きて」いるんだもんね!
本当はもっと書きたい気持ちもあるのですが。
お仕事も残っているので、にじさんじ麻雀杯をBGMに作業へと戻ります。
乱筆乱文、失礼いたしました。
シャニマスは、文脈がすぎる。
変態が作ったものを見た後だと、自分自身のクリエイティブ欲も強まっていく。良いインプットができた。