2023年3月のしどろもどろ
あれこれ
三月、とてもいい。日常のはじっこに明らかに春がいて、時折涙が出そうになるくらい嬉しい。春はいい。たまに寒くなる日が許せない。なだらかに暖かくなってくれ。桜が咲く頃に雨が続いて腹が立った。以前どこかで「天気の悪い日というのはない。ただ雨が降っているだけ」みたいな表現を聞いて、素敵だなあと思った。それ以来、雨が降ってもそれはそれとしてフラットに受け止めようと思ったのだが、今回は普通に腹が立った。降るなよ。散らすな。
仕事も落ち着いていて、本当に気分が良かった。上司との面談で「最近仕事落ち着いてるね? さて、新しいプロジェクトのメンバーを募集していて……」と匂わされたので、全力で断っておいた。落ち着いたって言っても、まだ月の残業はゼロになってない。今年の目標は仕事を頑張らない。守れるように頑張っています。
仕事に必死にならない、というスタンスを守ろうとしているが、どうにも仕事というやつが人生に占める比重は大きい。こう見えて、なのか、想像通り、なのか分からないが、わたしは日々の仕事をかなりクールにこなしている。同僚と馴れ合わず、必要以上に親切にせず、ただ淡々とタスクを捌いている。それがこの前受けた適正診断では『内気』『人と打ち解けるのは苦手』と称された。そういうこと言うの、やめろよな……。
仕事の話はもうやめます。楽しくないのでね……。
読書メーターのレビュアー大賞というものの候補に選んでいただきました。感想は割と真面目に書いているので嬉しい。光栄です。もし良かったら見てみてください。
読んだ本と漫画のこと
君の教室が永遠の眠りにつくまで / 鵺野莉紗
東大に名探偵はいない(アンソロジー)
宙ごはん / 町田そのこ
答えは市役所3階に 2020心の相談室 / 辻堂ゆめ
君の地球が平らになりますように / 斜線堂有紀
ルビンの壺が割れた / 宿野かほる
選んだ孤独はよい孤独 / 山内マリコ
インシテミル / 米澤穂信 ★再読
やがて海へと届く / 彩瀬まる
太陽黒点 / 山田風太郎
鬼の話を聞かせてください / 木江恭
木挽町のあだ討ち / 永井紗耶子
特に意識したわけではないのだが、珍しく女性作家の作品が多い。そしてミステリが少ない。なので結果的に読んだ冊数もちょっと多い。本のジャンルとして一番好きなのはミステリなのだが、ミステリは読むのに時間がかかる。推理をしているからというわけではなく、ミステリを読んでいる間は常に脳のリソースの一部を本に割いておく必要があるから、という感覚だ。読むのに時間がかかるというよりは、読める時間をしっかり確保するので結果的に時間がかかる(隙間時間には読まない)、というほうが正しい。
薬屋のひとりごと(8~11巻)★再読含む
海が走るエンドロール(1~4巻)★再読含む
宝石の国(1~12巻)
ファイアパンチ(全巻)
逃げ上手の若君(全話)★再読含む
漫画はこう。宝石の国の新鮮な感想はこっちにまとめました。こういうの書いて残しておくと後々の自分の役に立つから積極的にやっていきたい。自分の心ののなかにあるものを言語化する作業ってかなり苦しくてへとへとになるのだけど。でも後で読み返すと、これだけで酒が飲めるくらい面白い。
なぜか不意に漫画熱が高まった月だった。わたしのDMMアプリには読んだことがない面白そうな漫画がたくさん入っていて(自分で買ったのだからそれはそう)、それをちまちま消化した。宝石の国のあとにファイアパンチを読んでなんだが後悔した。違う種類の地獄を味わう羽目になった。四月はいよいよ幽☆遊☆白書を読もうかな……。ア・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・ます!しようかな……。それはアニメですね。昔読んだときは蔵馬が好きだったのだが、成長するにつれて男の好みが変わったので、いま読んだら誰を好きになるのか楽しみ。
新しく読みたい漫画がたくさん溜まっている。次のセールのときに「東独にいた」「エンバンメイズ」「言葉の獣」「税金で買った本」「アフターゴッド」「メダリスト」「Thisコミュニケーション」「ショーハショーテン!」あたりを買おうかなと思っています。なんかおすすめあったら教えてください。絵がきれいなやつが好きです。
食べたパフェのこと
今月は素敵なパフェが多すぎて、どれを食べるか絞るのがとても難しかった。どのお店も、一部の常設メニューを除けばパフェのメニューは期間限定だ。そして、復刻も中々されない。だから、今この時を逃すと、二度と食べれない……。心が千々に乱れそうだったが、厳選したパフェを食べに行った。そして今月も四本になってしまった。アウトです。4月は控えめにしようと思っています。これは ”マジ” です。
Patisserie De Bon Coeur
数年前に一度訪問して以来、いつかまた行きたいなあと思っていたドゥボンクーフ。いつしかカフェ営業が休止していたが、完全予約制になって帰ってきた……!との噂を聞きつけ、早速行ってきた。予約制のお店、大好き。WEB予約ができると更に加点。
何と言っても見た目がグーです。グッドルッキングパフェ。わたしは層がくっきりしているパフェを好むのだが、このパフェは混ざるのが楽しいパフェだった。パーツがとても細かく、いま口に入ったのは何だ? という楽しさがあった。
BIEN-ETRE MAISON
今年初のビヤンネートル。
最近、食べ物としての桜の良さがわかってきた。香りの食べ物なんだな。味は大体が塩辛い(塩漬けにされているので)が、鼻に抜ける香りは春そのものだ。DNAがそう叫ぶ。
あわせるのが抹茶ではなくて煎茶なのがいい。抹茶よりもあっさりしていて、しっかりとほろ苦い。蕗の薹のゼリーもかなり苦い。春の始まりには、愛らしい甘さよりもほろ苦い風味が似合う。
srecette
敬愛するsrecetteさんの新作パフェ。この佇まいの美しさ、静謐さ。惚れ惚れしてしまう。
コーヒーと柑橘という組み合わせからして味の予想がついていなかったが、srecetteのパフェはいつもそうなので、あまり色々考えすぎずに向き合った。まっさらな状態の方が、この一本に詰まった情報を吸収できるので。
ひと口目、トップのコーヒーのジェラートを口にした瞬間、世界の膜が一枚剥がれたような、目が覚めるような感覚がした。美味しすぎて涙腺が緩むという体験を稀にすることがあって、今回はそれだった。
夢見心地のまま冠のようなメレンゲを齧れば、これまた衝撃的な軽やかさ。メレンゲや飴細工って、歯に絡みつくようなべたべた感があまり得意ではないのだが、これはすごかった。こんなに空気をたっぷり含んで、さらりとして、魔法みたいな美味しさのメレンゲって存在するのか……。
ゼストとレモンカード(レモンかな?ちょっと自信ない)の爽やかさ、和柑橘の苦味、すべてがグラスの中で調和している。そして、シンプルにひとつひとつのパーツが素晴らしく美味しい。srecetteさんのパフェは「文芸と哲学」ジャンルではあるが、やっぱり食べ物なので、美味しいはそれだけで正義だ。
季節的に春のパフェなのかなと思っていたけど、実際は冬の終わりの余韻が残るパフェだった(個人的な感覚)。ナッツやコーヒーの深みのある味わいがポッと心に灯をともしてくれるような。
パフェを組み立てる様子も、いつもより更にライブ感があってとても楽しかった。アイスをスクープで掬う。砂糖を焦がす。ゼストの香りが漂ってくる。静かでヒヤリとした店内で、皆が祈るようにパフェを見つめる。パフェのこと以外は何も考えられなくなる、そういう空間。生活のことを忘れる時間がわたしには時々必要で、srecetteさんにはいつもお世話になっている。
林屋茶園
抹茶パフェを生み出したとされる「京はやしや」の支店。和のパフェって意外と食べたことないな、と気が付き、せっかくなので桜のパフェを食べに行った。ちなみにこの日は真冬の寒さで、雨風がすごかった。凍えた。温かいほうじ茶のお陰で蘇生した。
かなりクリームどっさりのルックスで怯んだが、予想に反してかなり軽いパフェだった。さすがと言ったところか、和素材のパーツが美味しい。このお店では常設の抹茶パフェが正解かもしれない。
食べた美味しいもの
寿司
わたくし、寿司が大好きなんでございますが、ご存じでしたか?
結婚4年半記念日です。半年って祝うの? とよく訊かれるが、別に祝っているわけではない。美味いものを食べる口実なら何でも使っているだけだ。一年に一回じゃ少なすぎる。寿司は美味いのでいつだって食べたいですよね。
カツカレー
新宿の紀伊國屋書店の地下に入っていたモンスナック、再開発の影響で閉店していたが、西新宿の方に移転していることを知った。大好きなのだ。店は随分と小綺麗になっていて、壁に大量に貼られていた芸能人のサインはなぜかダチョウ倶楽部の皆さんのものだけになっていて、雰囲気がだいぶ変わった。こちらの方が入りやすいという人も多かろう。
さらりとしたスープのようなカレーだ。とんでもなく熱い。絶対に直前まで沸騰していただろうという温度である。カツも、油から取り出したものがそのまま乗っている。熱すぎる。だけど美味いんだよなあ。書店帰りに寄れなくなったのは少し寂しいが、味は全く変わっていなかった。
焼き鳥
omoemoの皆さんと食べた焼き鳥。この日も楽しくて美味しかったな。食べて、ひたすら観て、また食べるというストイックさ。楽しい。この会が終わったあとに皆さんが書いた感想が、全員違うことに言及していて面白かった。推し会っぽい。
パスタ
生トマトとブロックベーコンで作ったパスタ。汁気が多すぎるけど、こういうので良いんだよなあという美味しさで作れた。味つけは塩と粉チーズと粗挽き胡椒だけ。ベーコンとトマトが入ればそれだけで美味い。
シャニマス5thライブのこと
THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings. の話です。急に!?
非常にヤバい内容だったので、忘れないように少しだけ書いておこうかなと……(本当に少しだけだろうか)。
ライブは二日間に分けて開催されたのだが、敢えて明け透けな言葉でまとめると、一日目が "IFストーリー"、二日目が "正史" だった。更に言うと、この1日目の "IFストーリー"の内容が、「もしも事務所がなくなって、今日がアイドルたちの解散ライブだったら」という代物で、ぶっちゃけかなり悪趣味だ。しかもライブ内では、今回はこういうIFストーリーで演ります、なんて丁寧な説明は一切ない。五周年ライブだ!!!とウキウキしていたオタクたちは、担当アイドルたちが「これで最後…」とか「このステージが終わったらアイドルじゃなくなる…」とか悲しげに言っている姿を目撃することになる。何で???
最後まで理由が説明されることもなく、恒例の告知ムービーや「アイマスですよー!」もなかった。解散ライブなのだから当然といえば当然だ。アイドルたちは突然歌うことをやめ、ステージ上から静かに消え、不安に心を侵されたオタクたちだけが残されたのだった。何で???
当然オタクたちは眠れぬ夜を過ごすことになった。ライブタイトルの「If I_wings」が発表されたときから不穏な気配があり、空白部分に何か単語が入ることになるだろうと実しやかに囁かれたはいたものの、まさかこんなことになるとは、と困惑していた。わたし自身は自宅から配信で観ていたのだが、やはり困惑していた。本当にシャニマスが終わるとは思っていなかったが、こんなこと許されるのか…? わからなかった。
さて二日目。わたしは現地で観たのだが、初日とは打って変わって「未来に向かってこれからも頑張るぞ!」という内容だった。控えめに言って最高で、どデカい新情報も出た。そして、この新情報の一つによって、今回の二日間のライブの演出の意図が分かる仕組みになっていたと思う。つまりはこれです。
このあたりの経緯を詳しく書くと本当に長大な怪文書を生み出してしまうことになるので割愛するが、要は作中のプロデューサーがこの決断をした上で、交渉(斑鳩ルカさんは別事務所のアイドルなので、移籍に伴う交渉が発生したはず)が決裂した世界線が一日目、成功した世界線が二日目なのだと理解している。ちなみにこの二つの分岐については、ゲーム内の直近のイベントストーリー内の選択肢が伏線になっている。
そして、この二日目の世界線にたどり着くにあたって、分岐点となったのは七曲目、イルミネーションスターズのパフォーマンスだった。それまでは一日目と全く同じセットリストだったため「セトリ変わらないのかな?」と思ったプロデューサーも多かったのではと思う。この日、七曲目がイルミネの歌唱であったことは一日目と変わらなかったが、披露されたのは初期曲である『ヒカリのdestination』だった。
ここで恐らく鍵になってくるのが、イルミネの風野灯織さん(あえて役名で呼びます)の存在。彼女はアイドルの中で唯一、二日目のみの参加だった。そして、灯織はSHHisの二人以外では唯一ルカと接触のある283プロのアイドルだ。更に言うと、ライブ後に発表されたルカが加わった状態の5thライブのキービジュアルで、灯織のみその目線が若干ルカ寄りに動いている。
一日目の演出について、公式からは「アイドルたちがアイドルでいることは当然ではなくて、彼女たちが都合よくアイドルであり続けると決めつけるのは不誠実である。でも、アイドルでいてくれるならその輝きを絶やさないようにしたい」というような説明が成された(説明かな?)。それで納得した人もいれば、どういうことやねん!知るか!そういうのはゲーム内でやれ!こっちは金払って来てるんやぞ!とお気持ちを示す人もいる。さもありなんである。わたしはと言えば、正直こういうの好きである。二日目が "正史" だと言ったが、おそらく本当にやりたかったのは、一日目なのだろうなと思っている。シャニマスの世界は所謂サザエさん方式で、アイドルたちは年を取らないし、おそらく本当にアイドルを引退することはない。だからこそ、あのライブをやる意味があったのだろう。いつまでもアイドルで居続ける彼女たちに、解散ライブをさせる。ひどく捻くれていて歪だが、何となく良いよな、とわたしは思う。
別記事にしたほうがいい長さになってしまいました。いいですか、これは全てオタクの妄言ですよ。あまり人には言っていないのだが、わたしは本当にシャニマスが(より正確に言えば283プロダクションのアイドルたちが)大好きで、彼女たちの色々な未来を描こうとしてくれる運営の誠実さはとても信頼している。アニメ化も発表されたので、気になった方は観てくれると嬉しいな……サブスクも解禁しているから、曲から入っても良いかもね……。
4月に向けたあれこれ
4月なんて一番いいですからね。一ヶ月頑張ればGWがあるという喜び。夏休みよりもGWが好きです。気候がいいから。
そういえば、先月の月記に家の裏の桜の木の話を書いたが、あの木がいつの間にかなくなっていることに気がついた。かなり立派で、塀を突き破らんばかりに育っていたので、安全面の理由で伐採されたのかもしれない。理由はわからないのだが、とにかくなくなっていた。天気のいい日に散歩に出かけたわたしは、偶然そのことに気がついて誇張なしで膝から崩れ落ちそうになった。とても悲しい。心から悲しい。濃いピンク色の豪奢な花びらがかわいくて、見ると明るい気持ちになった。
うえ~ん。
探したら写真が残っていたので載せておく。
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