(2)婚外恋愛へのブレーキ欠如の背景
夫以外の人に惹かれて
身も心も焦げ付いてしまっているわたしだけれど
婚外恋愛へと踏み切るその背景には、
夫との長年のセックスレスという
底なし沼のような哀しみの中、
じぶん自身を女として見てくれる人がいるという証明、
そして正当防衛のような気持ちがあった。
わたしとのイトナミについて、
夫はいつしか、
プレッシャーでしかなくなっていたのだと思う
そしておそらく、”妻だけED”。
そのことで、
"夫婦のイトナミ"が、どんどん、遠のいていく。
長い夫婦生活の中で、
なんどもなんども、
泣いて、
重たい空気になって、
夫が黙り込んで、
そして最後に謝って、
わたしも謝って、
そしてまた何もないまま時が過ぎ…
また哀しくなって…
そんなことを繰り返してきた。
彼に求められないわたしは自分を女として魅力がない上に無価値だと思ったし、
その思いを彼に伝えたりもした。
そうじゃない、と夫は言ったけれど、
現実は、変わらなかった。
そんな中で、
つらくて、
ある日、ほかの人としてもいいかと夫に聞いてみた。
夫は、少し考えて、
いいよ、
と答えた。
だけど、匂わせないのが、マナーだよ。
と、付け加えた。
それは、本音だと思う。
わたしに求められて困るより、
どこか知らないところでわたしが満足して、
日々が平穏ならそれでいいのだろう。
そういう背景があって、
わたしの、婚外恋愛に対するブレーキみたいなものは、
最初から、なかったようにおもう。