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【番外編】三峰が手にした二本の傘の話

ご挨拶

お久しぶりです、かのかです。前回の三峰ソロnoteを読んでいただいた方、ありがとうございました。「我儘なまま」まであと一週間を切りました、楽しみですね。
今回筆を執ったのは前回のnoteに書かなかった内容を改めて書くためです。
ベンプさんの我儘なnote連作企画と、私の前回のnoteについてはコチラを御覧ください。

今回は三峰結華CVの希水しおさんと、前任CVである成海瑠奈さんの歌うそれぞれのプラスチック・アンブレラについてのお話です。
可能であればお手元に「プラスチック・アンブレラ」と「プラスチック・アンブレラ(2022 Ver.)」をご用意ください。

三峰が手にした二本目の傘

三峰は現状でただひとり、ソロ曲をふたつ渡されています。成海さんの件があって以降ソロを聴く勇気が出ない時期もありました。今でも成海さんの歌を聴いていて涙が滲むこともあります。知人の三峰Pの中には逆に「希水さんのソロをまだ聴けていない(聴く勇気が出ない)」という方もいます。
そして二年近くが経った今、あの件は三峰にとって不幸なことしかなかったのだろうかと考えるようになり「我儘なまま」の開催発表を受けてよりその思いは強くなりました。

「歌ってみた」とは違うもの

黛冬優子の「SOS」や斑鳩ルカの「神様は死んだ、って」をVtuberの方が公式でカバーされていましたが、あれはつまり「カラオケ」です。
原曲をリスペクトしつつ自身の歌い方で表現をする、「アイドルの歌う曲を自分ならどう歌うか」というスタンスで歌われていると思います。
ですが希水さんはそうではありません、彼女は「アイドル三峰結華”本人”としての歌」を求められます。さらに成海さんのコピーになってしまっていては希水さんが歌う意味はないのです。
歌詞や曲は歌い手が変わっても変わりません、制作陣もキャストが変わったからといって「”アイドル三峰結華”に対するディレクション」はほぼ変わらないでしょう。
役者さんは台本を読んで、咀嚼して飲み込んで、自身の経験から削り出して役を演じます。同じ作品、同じキャラ、同じ台本を渡されても演じる人が違えば収録に持ってくるものは各々で違います。
同様に「プラスチック・アンブレラ」という同じ楽曲を渡されても、その解釈や表現は成海さんと希水さんで異なっています。

それぞれの「プラスチック・アンブレラ」

成海さんの歌う「プラスチック・アンブレラ」は改めて聴き直すと、序盤はかなり感情の起伏を抑えて歌っていることに気づきます。
Lunaのリリイベで成海さんは「こわかったの」の部分への想いを強調されていたり”情景や音”を意識しながら、どんな景色や色が見えているのかを考えて歌ったと語られていました。
対して希水さんがどのような想いで歌われているのかはまだ公に語られていませんが、歌から感じられる情動は成海さんのそれとは大きく違います。

希水さんの「プラスチック・アンブレラ(2022 Ver.)」は成海さんと比べるととても感情的に歌われています。初めて聴いた時、一番Aメロから跳ねるような歌い方をされていたのはとても驚きました。
さらに特筆すべきはコーラスの部分、曲中で随所に入る希水さんのコーラスは成海さんに比べてかなりはっきり聴こえるようにMIXがされています。明らかに意図があってそうしていると私は感じます。

二本の傘から垣間見る三峰結華

三峰結華という子は心の中で常に傘を差していて、相手に見せる部分と見せない部分を意識して選んで隠してきました。しかし【雨に祝福】で語られたようにこれからはその見せる範囲を広げていこうと努力を始めています。
曲の中で成海さん演じる三峰結華は「見せるのを躊躇っている三峰」の心情から静かに歌い始めます。これから内面を見せていく怖さや戸惑いがこちらにも伝わるようです。そこから徐々に勇気を出して少しずつ傘を閉じていきます。
リリイベでは「どんな時に聴いて欲しいか?」という質問に対して「勇気が欲しい時」と答えられていました。強く背中を叩いて応援……というよりは、ほんの少し、そっと背中を押して欲しい時に聴いて欲しいと。

希水さん演じる三峰結華は「自分を見せることへの決意」が感じられる曲になっています。序盤から感情をあまり隠さずに音と歌声に乗せて、私達の元に届けてくれます。コーラスがはっきりと聴こえるのも心の内側にある気持ちを隠さないことの表れでしょうか。
こちらは後ろから背中を押すのではなく隣で一緒に歩いてくれるような、ほんのちょっとだけ前を歩いて「怖くないよ」と手を引いてくれるような、そんな歌になっています。

こうして別々のアプローチのアイドル三峰結華を、他作品の言葉を借りるなら「違う世界線の三峰結華」を見られることはある意味でとても幸運なのかもしれないですね。

消したい、もしくは覚えていたい

【お試し/みつゴコロ】のコミュタイトルより。
かつての声を、思い出を、記憶から消してしまいたいと思う人もいるかもしれません、ショックのあまりシャニマスを辞めてしまった人がいました、担当を変更された方もいました。私も当時、担当を続けるかどうか真剣に考え、悩みました。
ゲームのボイスを切り、私が読むことのできたコミュをPカード/Sカードはもちろん育成シナリオからイベントまで全て読みました。
拭いきれない不安を抱えながらもう一度自分の中の芯の部分を確かめて「この先どうなっても自分は三峰の担当だ」という決意を固めました。そして新CV希水しおさんの発表から様々な時間を経て、今日まで過ごしてきました。
忘れもしない4th幕張、今回と同会場のムゲンビート、MOIW、いまだ記憶に新しい5th。どれも本当に素晴らしかったです。

今でも成海さんの声が聞こえる時があります、何度も何度も読み返したから。
もう成海さんの声が聞こえない時があります、記憶は時間と共に薄れていくから。
「忘れる」というのは人が持つ大事な能力なのでそれでいいと思っていますが、無かったことになんて絶対にできないし、しません。三峰結華が三年半もの時間を歩んだその隣には、ずっと成海瑠奈さんが立っていたんです。
今は希水しおさんがそれを引き継いでこの一年半、三峰と共に歩んでくれています。これから先もずっと、ずっと。

三峰の大事な時にはいつも、雨が寄り添ってくれていました。暖かく優しい雨もあれば、立っていられない嵐のような雨もありました。
人によって向き合い方はそれぞれだと思いますが、私は記憶も痛みも全て抱えて前を向いて歩きます。両手で握りしめて、手放さないように。

彼女が、歌い踊る限り。

最後に

シャニマス公式Twitterで発表された画像、ご覧になりましたか?
雛菜と三峰のピンスポットシルエット、そして翌日に”DAY1メインキャスト”の雛菜からのコメントが出ました。

と、いうことは三峰はまさかDAY2の……?

どうなるかわかりませんが、週末が楽しみですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

かのか

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