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宮台真司による「界隈塾」vol.4

宗教と恋愛に怯えれば、あなたは永久に生きづらい
―他責化と他罰化に勤しむクズが湧き始めた訳―

与えられた前提、即ち自分自身が、そして依って立つ土台そのものが、如何なる連環の結節点たり得るのか、という問いを紐解いてゆく手掛かりが横溢する回でした。『幻想の√5』を道標に語る中谷友香さんと、その語りの背景を学術的補足により解説する宮台真司さんの応答が生み出すエネルギーに触れて、大変良い体験となりました。

本編後の懇親会で、私が申し伝えるかどうか迷い、その場に沈んで身を任せた結果、帰路に就いた為に果たさなかった内容の覚書を記します。あくまでも「高校倫理の知識で把握可能な範囲」に留めます。

洋の東西を問わず、物事を問う方法論は種々存在しており、「無知の知」や「知之為知之、不知為不知、是知也」などありますが、そもそもの前提を問う作業はこれらとは少々趣を異にします。特に、前提を問う作業は難解でウケが悪く、現状を観察するヴィパッサナーや観、現象学的還元といったヨーガや仏教/西洋哲学の技法ほどには広まらないサマタや止、エポケーは難解で、瞑想/思考の両輪であるはずの両者が片手落ちのままにマインドフルネスなどが流行るのですから、誤解や曲解は致し方ないのでしょうか。

ともあれ、心を止める、根本的価値判断を一時停止する、などという思考は技能とでも言うべき特殊な方法論であり、勿論、行き着く先は存在論です。そして斯様な「健全なる懐疑」を積み重ねて尚、あれかこれかと言葉を弄する閉塞的束縛を超えて立ち臨む情報の共有を、と企図したのですが、私の経験不足と不慣れ故に中断を致しました。拙速は巧遅に如かず(!)と、縷々述べて来た以上の事柄は後付けに過ぎず、無理なく事故なく不足なく申し上げる前提であの場を読んだ上での今現在です。

またの機会にお目に掛かれると幸いです。

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中田コウ
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