こおりタイプのポケモンの名前、そろそろネタ切れ説【前編】

こんにちは、カノエです。

突然ですが、みなさんは『こおり』から何を連想しますか?

氷、凍る、冷たい、雪……このあたりでしょうか。この連想を続けていくと、みなさんはある『問題』にぶち当たると思います。それは……

『こおりから連想できる言葉、そんなに多くない』ということ。

まあ単なる固体の水ですからね。意味が限定されすぎている。なお水以外の物質の固体もこおりと呼ぶことがありますが(ドライアイスなど)、真っ先にこれが思いつく人は限られるのではないでしょうか。

私がこれに気づいたのは、『こおり系の必殺技名を考えなきゃいけないのに全然かっこいい名前が思いつかない!と言うか思いついても他のありきたりな名前と被るからオリジナリティが出せない!地獄か!』という状況になったことがあるからです。検索を駆使するなかで同じようなことを考えている人が何人かいましたが、その最大手はポケモンのネーミングを考えている人ではないかと思っています。スタッフは『なんでこおりとみずを別物として捉えなアカンねん!』って1日1回は思ってるはず。

そこで、この記事では『こおりタイプのポケモンの名前、そろそろネタ切れ説』を唱えたいと思います。

こおりポケモンって何?

ポケモンを知らない方に多少の解説をしますと、

・1つのポケモンは1~2個のタイプを持つ。その中に『こおりタイプ』が存在し、こおりタイプのポケモンを『こおりポケモン』と呼ぶことがある。

・フォルムチェンジやリージョンフォーム(○○のすがた)などで同じポケモンでも別のタイプになることがある。

これが基本ルールです。

この記事ではこおりポケモンを歴代出現順に見ていきながら、名前に含まれるこおりが由来っぽい単語を抜き出し、最後にそれを眺めて『そろそろネタ切れしそうだなあ』とか『もうネタ切れしてるのでは?』とか『次に来るこおりポケモンにはこういう単語が含まれてそう』とかあれやこれや勝手に考察していきます。言い忘れていましたが、メガシンカは名前が『メガ+もとのポケモンの名前』なので名前の解説を省きます。

全52匹もいるのぉ!?

思ったより多かったので1匹に対するコメントは最小限にとどめることにします。まずはカントー地方(第一世代)から。由来は現状推定できる範囲のものを書いています。

・ジュゴン

ジュゴン(実在の動物)が由来。なおポケモンのジュゴンは図鑑に寒さに強いとの記述があり、分類が『あしかポケモン』となっているため、どちらかといえば実在のジュゴンよりもアシカに近い。実在のジュゴンが熱帯・亜熱帯であることから考えると、名前と氷の関係性はほぼない。

・パルシェン

pearl(宝石)+shell(貝殻)を由来とする説がある。みず・こおりタイプであるが、名前にはみず要素があってもこおり要素がない。

・ラプラス

フランス語のla place(席)が由来らしい。背中の甲羅に人を乗せる特徴があるためこの名前になったのだろう。氷とは無関係。

・フリーザー

英語のfreeze(凍らせる)+接尾辞er(~する者)。やっと氷由来のネーミングが来た!感謝してもしきれない。

・ルージュラ

rouge(口紅)+ハワイ語のhura(踊り)が由来となった可能性が高い。確かにどっちの単語もポケモンの特徴をよく表しているが、こおりとは関係がなさそう。

カント―地方総括:ご覧の有様である。スタッフはネタ切れとか以前にあんまりこおりポケモンを意識していなかった可能性がある。初期のこおりポケモンは151匹中5匹しかいないんだぞ、もっと名前で主張していけお前たち。


次はジョウト初出(第二世代)のこおりポケモンたち。

・ウリムー

うりぼう(いのししの子ども)とタイ語のムー(ブタ)から。つまりイノブタってことなのかな?どっちもかわいいけど残念ながら氷とはノー関係ネーミング。

・イノムー

イノシシ+タイ語のムー(ブタ)じゃん!!!イノムーと同じく氷関係なし。それに実在のイノシシだって寒さに強いわけじゃない。

・デリバード

英語のdelivery(配達)+bird(鳥)から。見た目はペンギンとかサンタクロースに近いけど、名前にはこおり感がない。

・ムチュール

夢中+チューである可能性が高い。ルージュラの進化前だからまあこんなもんだとは思ってました。こおり感なし。

・ニューラ

生態を見る限り、おそらく英語のweasel(いたち)やsneak(こそこそする)と関係がある。もともと北国にも多く生息するいたちを由来としていること、寒い外気と関係が深い『かまいたち』のイメージがあることからこおりタイプになったのだろう。なお最後のラはツララのラから来てるんじゃないか説があるが、正直はいともいいえとも言えない。

ジョウト地方総括:君たちも大概だぞ。ここまでこおりと関係ないネーミングだと当時のスタッフもネタ切れの未来を予見していたんじゃないかとすら思う。


ホウエン地方(第三世代)もこんな感じだったら本当にどうしようもなくなってくるが……?

・ポワルン(ゆきぐものすがた)

ぽわぽわという擬音やフランス語のle pois(水玉模様)からだと推測できますが、それはそれとしてすがたの名前に『雪』の字が入っている。幸先のいいスタートです。

・ユキワラシ

雪+わらし(童、子どもの意)から。そういうのそういうの!そういうのでいいんだよ!!

・オニゴーリ

鬼+氷から。ネーミング担当の人変わった?と思うくらい安直なこおり感が演出されている。図鑑に『えもの』の記述があるので、こおり鬼とも関係しているかもしれない。

・レジアイス

ラテン語のレジ(王)+英語のice(氷)から。なんて分かりやすいんだ。これだからレジ系は最高なんだ。

・タマザラシ

おそらく玉+アザラシから(2002年に多摩川に現れたアザラシ『タマちゃん』はゲーム製作期間を考えるとおそらく無関係)。アザラシは北極圏やアイヌの文化と深い関係があることから、こおりポケモンの名に冠されるのは妥当だろう。

・トドグラー

トド+juggler(ジャグラー、大道芸師)を由来とする説が有力。実在のトドが主に北の寒い海に生息していることから、トドをこおりポケモンの名前にしたのだろう。

・トドゼルガ

トド+英語のseal(アシカ、アザラシ、オットセイあたり)が由来とされている。walrus(セイウチ)とも関係あるかも。ついでにベルセルク由来説もある。知らんけど。北の海と縁が深い生物たちからそこはかとないこおりタイプ感がにじみ出てる。

ホウエン地方総括:ちょっとちょっと~!?急に自分のタイプに従順になるじゃん!?私はこういうのを望んでました。次もこういうのでお願いします。


次のシンオウ地方(第四世代)は舞台のモデルが北海道だからこおりポケモンのネーミングに対する心配も一切ないです。

・グレイシア

英語のglacier(氷河)、gracious(親切な)から。オシャかわで意味も通る素晴らしい名前だと私は思うね。

2021/9/27追記:親切と新雪(もしくは深雪)をかけているのでは……?ごめんオシャレとか言ったけどさっきのやっぱナシで。

・ユキカブリ

雪+被る。私(雪国出身)は『雪被り』って言葉をよく聞くけど、雪降らない地方の人はあんまり使わなさそう。そういう塩梅がいい。

・ユキノオー

雪の王。大雪っぽくもある。確かに被る程度の雪と比べたら大雪のほうが手ごわい感じする。

・マンムー

マンモス+タイ語のムー(ブタ)。マンモスと言えば氷河期、氷河期といえばこおり。理にかなっている。

・ユキメノコ

雪+女の子。アイヌ語のメノコ(女)との連関もある。日本語・アイヌ語由来の名前に着物を着ている女性のような仕草も相まって、和風の雰囲気を感じる。

・マニューラ
前述のニューラに加えて英語のmanual(手の)やmaneuver(策略)が由来となっている可能性が高い。他にもニューラ+『魔』『真』という説がある。いずれにせよ氷とは無関係。

シンオウ地方総括:マニューラ以外は氷を連想できる名前になっている。雪国っぽい言葉選びにもなっていて大変good。


次はイッシュ地方(第五世代)。四季があり、氷とも縁深い地方である。

・バニプッチ

vanilla(英・バニラ)+petit(仏・小さい)が由来と見られる。外観がカップアイスなので、そのまんまちっちゃいバニラアイスって感じ。

・バニリッチ

英語のvanilla(バニラ)+rich(高価な、上等の)が由来と見られる。外観がソフトクリームなので、カップアイスよりは高めのバニラアイスって感じ。

・バイバニラ

倍、もしくは英語の接頭辞bi(2つの、複数の)+vanilla(英・バニラ)が由来と見られる。外観がソフトクリーム×2なので、パピコのようなお得感がある。

・クマシュン

クマ+クシュン(くしゃみの音)が由来とされる。クマは雪国によく出るし、寒いからくしゃみが出るのもそれっぽい。

・ツンベアー

英語のtundra(ツンドラ)+bear(クマ)から。いいですね、ツンドラってワードはどう考えても氷ですね。

・フリージオ

英語のfreeze(凍らせる)やfrigid(極寒の)、geometry(幾何学)、ギリシア語のgeo(土地、地球)から来ている可能性が高い。全体的に『霜』って感じがする。

・ロトム(フロストロトム)

ロトムはmotor(英・モーター)の逆読みとして、frost(霜)はこおりタイプならではの単語。他のフォルムとの差別化を強く図っている。

・キュレム

コキュートス、もしくは虚無+gray(英・灰色)+無が由来ではないかと言われている。あと急冷っぽさもある。コキュートスはギリシア神話において『地獄の最下層に流れるすべてを凍らせる川』であり、ダンテの神曲では『重罪人が閉じ込められる氷の地獄』として描かれる。由来としては微妙だが、こおり的な雰囲気は持っている。

イッシュ地方総括:バニラ、くしゅんあたりを見ていると『そろそろネタ切れになるのでは……?』と不安になる。バニラ単体、くしゃみ単体がそこまで氷と関係あるわけではないからかな。バニラ→よくアイスに使われる→氷、くしゃみ→寒いと出るよね→氷、みたいに一個クッションを挟むからかもしれない。

続き(カロス~ガラル編、考察)はこちらから→こおりタイプのポケモンの名前、そろそろネタ切れ説【後編】

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