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オーガズミックバース『気持ちいいお産』

出産とは、「痛い、苦しいもの」というイメージが強い。むしろ、私の周りの出産経験者からは、それしか聞いたことがなかった。案の定、私はそれで出産が怖くてたまらなかった。しかし、そんな私が出産に対して興味を持ったきっかけがこのオーガズミックバースというものとの出逢いだった。

<このnoteは『COTETE Labo』掲載記事です>

オーガズミックバースとは、出産の時に痛みを感じない、気持ちいい感覚を味わうという現象のこと。それを体験するには、「女性がどれだけリラックスできる状況にあるか」が重要である。それが出来きればそれは「オーガズム出産」となる。

オーガズミックバースを知るきっかけ

主人からの提案だった。出産をものすごく怖がっている私に「出産について学ぶところがあるから一緒に行かない?」って誘われた。
私は、「考えとく」と答えた。

私にとって出産は、ドラマなどで出産シーンが出てくるとチャンネルを変えるかテレビを消すくらい、怖いものだった。
なんなら、出産のことについて知るのすら怖いと思っていた。だから、提案してくれた主人にも向き合わずに流していた。

数日経って、また主人から「この前の話、考えてくれた?申し込み今日までなんだ。」と言われた。
私は、「今回は…いいかな。」マイナスな言葉で返すと、
「わかった。じゃ、俺一人でいってくるね!のあ(私の事)が少しでも気持ちが楽になれるかもしれないから。」

そう言って階段を上がっていく主人の背中を見ながら、そのセミナーみたいなやつに行くのを想像した。もしかしたら、みんな女性なんじゃないか?主人はその中に一人で飛び込むのだろうか。想像した私は罪悪感を覚えて。咄嗟に階段の下から声をかけた。
「ごめん、私…も…行く!!」

これは作戦だったのか。いや、違う。いつも直球できてくれる主人だから、本気で一人でも行こうとしていたのかもしれない。


オーガズミックバース上映会

当日、私は仕事を休んで、主人と高速に乗りその会場へ向かった。気持ち的にはかなり緊張していたのと仕事を休んだ罪悪感に狩られて、行きの車で朝ごはんのパンもろくに食べれなかった。

会場へ着くと、そこは古民家だった。
普段は古民家カフェで、今回は貸切ということだった。中に入ると、温かい雰囲気が広がるどこか懐かしい母屋。主催の女性が数名いて受付をしてくれた。
「こんにちは。今日は来てくれてありがとうございます。お名前書いてください。」畳で座布団を並べる女性が「奥様妊娠してらっしゃるの?」と声をかけてくれた。
私は「いえ、違います。結構間違えられるんですよね〜最近太ったからかな?笑」
こんな会話をしてアットホームな空間に安心した。
その後、後から何人かが入ってきて、雑談しているうちに定刻になった。

初めにオーガズミックバースという題名の映画が流れ始めた。
私は出産シーンであれば普段はテレビを消してしまう程怖がりだから、想像は怖くて仕方なかった。

映像では全て外国人。しかも病院ではなかった。自宅出産だった。オーガズミック出産とは、女性がいかにリラックスできる状況でいられるか?ということだ。その映画は自宅で旦那さんとゆっくり過ごして陣痛を待つシーンから始まった。

やがて陣痛がきて、庭にあるバランスボールにもたれかかった妊婦さんを包むように優しく撫でる旦那さん。ここで産むの?え?うそでしょ?私の頭の中がぐるぐる回っていた。しかし、しばらくして家の中に入ったようだ。家の中では、助産師が待っていて空気を膨らまして使う温水プールまで用意されていた。

妊婦さんは旦那さんと温水に入ると、旦那さんに抱きしめられながら陣痛に耐えていた。そして、産む瞬間は旦那さんと見つめ合い凄く気持ちがいい顔をしていた。
赤ちゃんをプールの中に産み出し、赤ちゃんを胸元に抱き抱えて旦那さんとキスをしながら喜んでいた。

すると、私は涙がポロポロ落ちた。え?私泣いているの?なんでだろう。怖いはずなのに。


体験者のお話


それからも何組ものカップルが出産を乗り越えていくが、産まれた赤ちゃんを見る度に私はポロポロ泣いていた。よく分からない。怖いんじゃなくて…自分は感動している。
出産は怖くて痛くてマイナスな事だらけだと思い込んでいた自分が、今こんなに感動している。

上映の後に、日本でも助産院で出産したオーガズ厶出産経験者が出てきて色々話してくれた。中でも私が一番びっくりしたのが、「産んだ直後も、またこの感覚を味わいたい。もう一度出産したい。と思ったんです。」と話していたことだ。

産む時に声を上げてぎゃーっと叫んでいるイメージがあるが、オーガズム出産だと、気持ちよくて声が出ちゃうというのだ。
これを聞いた時、私がお産に対するイメージは180度変わった。
それから、私はお産に対して興味を持ち始め、今まで怖くて避けてきた周りの人のお産の体験談について積極的に聞くことにした。

すると、「痛かったよー!」ばかりではなく、それ以外にも「赤ちゃんに逢えた喜びと幸せいっぱいで痛さなんか忘れたよ!」というのが多かったのだ。それがオーガズミックバースかは分からないが、とにかくお産に対して喜びでいっぱいの話をしてくれた事が、私の中の「恐怖」を緩めてくれた。


まとめ

お産は女性にとって素晴らしい体験でありかけがえのないものというイメージがついた。

確かに、お産の話を聞いた中で「産まなければよかった」なんて言って後悔している人は一人もいなかった。
私はこのオーガズミックバースとの出逢いでお産に対して『早く体験したい!赤ちゃんに会いたい』という気持ちで前向きになれた。

そして、その気持ちにさせてくれたきっかけを作ってくれた主人がいるから、きっとお産は乗り越えられる!という自信にも繋がった。

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