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意外と知らない!?私たちは人をさばけない!!

みなさん、こんにちは〜🌞
弁護士法人えそらの弁護士の鹿野舞です。

さてさて(入り雑だなw)、私の…というか弁護士の業務では、法律にそんな詳しくない方に対して、「こーだよ」「あーだよ」とお伝えすることがとても多いのですが、そういった方々との会話の中で、「そっか!これ常識じゃないよな」と思うことがいくつかあります。

例えば「遺言書」!!
はい、なんて読みました?普通「ゆいごんしょ」って読みますよね。
しかし、法律的には「いごんしょ」と読むんですね。
#「ゆ」どこいったんや笑

他にも、最高裁のポジショニング?も結構知られていません。
たまにご相談時に「最高裁まで争います」と、とても強い意思をお持ちの方がいらっしゃいます(#そういう意気込みはとっても応援したいです)が、実際のところ、最高裁は、判決の憲法解釈に誤りがあること、憲法違反があること、最高裁の判例とは異なる判断が下されたことなどの厳格な上告理由がなければならないんです。高裁で負けてしまったけど納得できないという場合、最高裁でも争って判決を覆すべく、これらの条件を満たすような上告理由を書面に書いて提出はしますが、ほとんどの場合は理由を満たしていないと最高裁に判断され、棄却されてしまいます。

そんな中で、私的に結構知られていないことが、民事事件と刑事事件の違いについてです。
こんなことされて許せないから、刑罰を下したい
とか
詐欺罪だと思うので、裁判で詐欺罪の犯人にしてほしい

というご相談をいただくことがあります。
残念ながら、弁護士は人に対して○○罪です、と決定するための権限はないのです。。。

今日のテーマ

私は人を捌けません…民事事件と刑事事件の違い〜〜〜〜!!

今回もストーリーで見ていきましょう!

ストーリー(詐欺事案)

あるおばあちゃんの元にメガバングの銀行員の方がきました。
👨「おばあちゃん、最近銀行で大きなお金を下ろしましたか」
👵「いいや、おろしとらんよ」
👨「やっぱり。どうやらおばあちゃんの銀行のカードがハッキングされたみたいで、財産がたくさん使われてしまっています。私がそれを止めるので、今銀行のカードとその暗証番号を私に教えてもらえますか。手続きに必要なので」
👵「それは大変だ。すまないけれどもお願いします。暗唱番号は****です。
👨「わかりました。すぐに手続きをしますから、お預かりして行きますね。

おばあちゃんは、待っても待ってもさっきの銀行員さんが戻ってこず、後日不思議に思って銀行に尋ねると、そんな事実はない、という回答とおばあちゃんの財産がすっからかんになっている事実をしりました。
しかし、銀行の防犯カメラにお金を引き出した男の顔がばっちり写っており、その人はおばあちゃんのところに来た男と同一人物だということが発覚しました。
警察官からは、この男がこうした詐欺の常習犯だったことを聞かされるとともに「逮捕したので、あとはお任せください」と言われました。
後日聞くところによると、その男は詐欺罪で刑務所へいくことになったようです。
一件落着

…あれ??おばあちゃんの財産は??

そう、ここなんです。

刑事事件とは

刑事事件というのは、犯罪者を調べる人として警察・検察がいます。警察の上司が検察官という感じです。
警察が一生懸命調べて、検察官に調べた材料を提供し、最終的に検察官が捕まっている人物を犯罪者として裁判をするか決定します。
検察官が裁判するぞ、と決めた裁判は刑事裁判です。
HEROとか 99.9で見るあれです。
検察 VS 弁護士ですよね。
99.9とかで考えてもらうとわかりやすいのですが、弁護士は犯罪者の味方をする立場として刑事事件に関与します。
被害者の味方はどちらかと言えば検察官です(検察官は公平な立場ということなので、味方とは言い難いのですが、ここではわかりやすくするためにそう書くことにします)。
そして、刑事裁判では、犯人と疑われている人(被疑者といいます)には、○○罪という犯罪が成立するか、するとして刑罰はどのくらいにするか、という点を決定します。
検察は「こんなことしたやつだぞ〜」という主張を
弁護士は「こいつはやっていない」という無罪主張や「たしかにやったけど、すごい反省しているから寛大な処分を〜」という情状の主張を
それぞれおこないます。

で、最終的に裁判官が証拠を見ながら、結論を出します。
ここで裁判官が出す結論というのは、もちろん犯罪が成立するかどうか、するとして懲役刑?罰金刑?執行猶予?という刑の重さのみです。

刑事事件で犯罪が成立すると結論が出たとしても、そこは刑事事件内での結論であって、あくまでも犯罪と刑罰についての結論だけです。

今回で言えば👨に詐欺罪が成立すること、刑罰をどうするかということのみです。
じゃあ、おばあちゃんのお金はどうなるのでしょうか。

民事事件とは

民事事件とは個と個との間のトラブルを解決するための手続きです。
したがって、裁判でも、それぞれの個が選んだ弁護士同志の戦い…
弁護士 VS 弁護士 です。

そこではトラブル解決の方法として金銭解決がほとんどとされています。
お金の貸し借りに伴う金銭トラブルの場合のみならず、精神的に傷ついたというものも金銭解決が行われているんです。慰謝料ってやつですね。
これらは請求して初めて検討の対象になります。
刑事事件は当事者が犯罪者になれ!!と望んでいようといまいと、基本的には警察や検察が捜査をして、裁判を行うことができますが、
民事事件における弁護士はあくまでも”代理人”なので、当事者が請求します、と意思表示をして初めて手続きがスタートします。
今回の場合には、おばあちゃんは男に対して、財産をとられるという損害を被ったのでそれらを返してもらうため、不当利得返還請求権(法律上の原因がなく、勝手に人の財産を持っていった場合に返せという権利のこと)、不法行為に基づく損害賠償請求権(悪いことしたから慰謝料払え的なこと)を行う必要があります。

そこで初めて、損害額としておばあちゃんが持っていかれた金額を返してもらうことができるようになるのです。

また、刑事事件は絶対裁判を開かないと結論が出せないのに対して、民事事件は裁判せずに話し合いで結論が出て解決することもあります。
私の経験上、たいていが示談交渉で終わります。

ようするに…

今回おばあちゃんは、民事事件として男に対してお金を返せ、といわなければお金は戻りません。

刑事手続きの中で、被害弁償とか示談といって、お金を払うから被害届を取り下げてください、とか、お金を払うから寛大な処分でいいですよって検察官に言ってください、というお願いを犯人側から被害者側に対して行うことがあります。これは犯人側についている弁護士等が無罪ではないから、せめて反省の意思をしっかりと表して、寛大な処分にしてもらおうと考えるときに行うことが多いです。
こういう時は刑事事件の中で被害弁償・被害回復が行われているので、改めて民事で請求せずとも解決することができます。

おわりに

ちょっとざっくりではありましたが、民事と刑事の違いについてご説明させていただきました。
知っているようで知らないこと、たくさんあると思うのでこういった内容についても適宜解説できたらなと思っています。

では今日はここまで〜

ほいじゃ!!

弁護士法人えそら
弁護士 鹿野 舞

#弁護士 #法律 #予防法務 #民事事件 #刑事事件 #意外と知らない


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