NIPTの結果 「陽性」でも5人に1人は健康な赤ちゃん?
NIPT陽性と結果を知らされ、混乱したり、頭が真っ白になることは当然だと思います。
それだけたくさんのことを考えていたのだと思います。
少し偏った見出しにしましたが、この検査は偽陽性の可能性がある検査であることを理解してください。
「陽性」と結果が出ても、「確定」ではありません。偽陽性の可能性があります。
検査の精度的な問題で、間違って陽性と判定されることがあります。それを「偽陽性」と言います。
例えば、下記の例では、5人に1人は偽陽性と判定される可能性があります。
母体年齢 「25歳」
疾患名 21トリソミー(ダウン症)
「年齢」と「疾患名」で偽陽性の確率は変わります。
下記の表を確認してください。
陽性とされた人の陽性的中率(※)について
※陽性と判定された人の、真の陽性である確率
NIPTコンソーシアムの実測によって得られた感度・特異度と過去に報告された年齢別罹患率を用いて算出した推定値です。年齢別罹患率はSnijdersらの報告(Diagn Ther. 1995;10:356–67)に基づきます。
【この表の元になった文献】
J Obstet Gynaecol Res. 2021 47:3437-3446. (一部を当委員会で加筆・改変)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34355471/
年齢や疾患によっては、想像以上に陽性的中率が低いと感じませんか。
【陰性の場合】
その病気が実際にない確率は、どの年齢層においても、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーいずれにおいても、99.99%以上あります。この結果を確定するための羊水検査は通常おこなわれません。ただし、1万人に1人以下の割合で、陰性だったのに実際には病気があった「偽陰性」があります。
【判定保留の場合】
報告によると、NIPTは0.3~0.4%の確率で判定保留があります。この場合は、遺伝カウンセリングでどうするかを相談します。「もう一度NIPTをおこなう」「NIPTでの検査をあきらめる」「羊水検査をおこなう」などの選択肢があります。
※判定保留は、病気の有無というより、検査の問題との理解
なお、今回の記事は、こちらからの引用を多くしていますので、ご確認ください。
最後までありがとうございました。