心の弱さ

プロレスラーの木村花さんがネットでの誹謗中傷を苦にしてと思われる自殺で亡くなった。それ以来ツイッターなどでは誹謗中傷に関してナーバスになっている感覚がある。
中には自分から攻撃しておいて反論されたら「誹謗中傷だ!」と騒ぐ輩もいるのだから困ったものだ。

海外に目を転じると、黒人差別問題が根本にある事件がきっかけで、
アメリカを中心に自称デモだが実体は暴動が起きている。
最初は有色人種による抗議が盛んだったが、
今となっては袋叩きにされる白人を黒人男性が救出したり、影響力のある黒人の有名人がデモの不支持を呼びかけるなどもはや大義を見失ってメチャクチャである。

心の弱さというものは誰にでもあると思う。
程度の違いやどういう事に弱いかで個人差はあるとはいえ、プロレスの厳しい練習を乗り越えた人が死にたくなるくらいだ。思わぬダメージをどこで受けるかわからない。

ネットでの誹謗中傷やアメリカのデモを見ていると、
加害者や暴れている人間が、弱者という錦の御旗をかかげていかにも自分の方が弱者であって、ゆえに強い立場の人間に対して正義の暴力を振るってもかまわないだろうというチキンレースになっているように思う。テレビに出ていない、恋人がいない、そんな自分は弱者でそれらを持っている番組出演者は強者であり弱者に対して配慮を行うべきだとね。

つまりは、どれだけ自分が弱い立場にあるかのアピール合戦であり、その道具として木村花さんは生贄になったのだと思う。

その証拠に、自殺が明らかになった後、弁護士への相談が急増したそうだ。
「私の言った事は誹謗中傷には当たらないですよね?」と。

自分の方が弱い!(だから配慮しろ)いいや私のほうがもっと弱い!(もっと配慮されるべきは私)という、醜い競争はいつ収束するのだろうか。
いじめが無くならないようにゼロになる事はないだろうが、現状はちょっと行き過ぎを感じる。

そもそもアメリカはあれだけ大騒ぎしているけど、新型コロナの事は忘れたのだろうか?命よりも卑屈に権利を主張して気に食わない店をぶっ壊すのが本当に黒人のためになるのだろうか。

人はラクに儲けるほうがいいに越したことはない。
しかし心や立場の弱さの安売りをして好き放題するのは違うと思う。
アメリカも日本も自分の力を発揮して評価される国のはずだ。
歪な競争で権利だけを主張する人間にはなりたくないし、
今そうなっている人には目を覚ましてもらいたいものである。


#エッセイ #誹謗中傷 #いじめ #自由競争

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