防犯
包丁を持った男が小学生を襲った事件は記憶に新しいと思う。
「最近は物騒だねえ…」という会話になるが、
この手の事件は子供の頃から報道される頻度は大して変わってないと思う。
川崎の事件では子供たちが自力で身を護るのはまず無理な話だ。
ではあの場で犯人を取り押さえる事ができる人がいたとしたら、
それは警察の機動隊員や自衛隊員くらいなものだろう。
武器になるものについて、案外誤解が多いなと感じる。
やはり刃物は脅威だ。
たかが包丁という感じは否定できない。
あまりにも身近でほとんどの家庭にあるものだから。
なので格闘技経験者ならば刑事ドラマのように華麗にかわして、
一発かませば勝てるように思うが、
やみくもに振り回される包丁が小指の先や耳たぶなどを1センチふっ飛ばしただけで、大変な痛みを感じるし激しく動揺するだろう。
ゆえに警察官が制圧する時は盾で囲んで警棒でどつきまわしているのだ。
たまに動画付きで「やりすぎだ!」なんて意見がネットに挙がるが、
警察官も人間ですからねえ。鍛えてても痛いものは痛いんです。
同じように我々一般人も「守り」に徹する事が重要だ。
宅間守の事件が起きた後、小学校などに配布されたのは「さすまた」だ。
ご存知の通りこれで攻撃しても仕方がない。
刃物をもった人間をできれば複数の角度から胴体を押さえつけて無力化する武器である。
さすまたの長所は距離がとれる事。
相手が日本刀を持っていても届かないと思う。
やけっぱちに包丁をぶん投げてこられた時だけはピンチだが、
刃物が手から離れてしまえばそいつはもう脅威ではなくなる。
同じ理由で、刃物で自衛するのは危険だ。
うっかり落とした場合、相手の手に渡れば護身具だったもので命を落とす皮肉な結末になる事も容易に想像がつく。
スタンガンも接近戦になる事を考えると、
訓練を受けていなければ両刃の剣になるのではないか。
なんでも、成人男性が素手でいい勝負になる動物は犬がせいぜいらしいですよ。それも柴犬あたりだそうで。
自宅での備えには木刀や金属バットをオススメしたい。
これらは暴走族などが持っている画が思い浮かぶのではないだろうか。
奴らは経験則で使いやすく強力だとわかっているから持つのだろう。
なかなか考えとるな。
これらは素振りなど本来の用途でも活かせる。
というかほとんどの場合本来の用途だけで終わるのだろうけど。
さすまたの場合は素振りするわけにも洗濯物を干すわけにもいかないしね。
で。
金属バットで戦わざるを得ない状態になった時、
おそらくフルスイングする姿を想像されると思う。
確かにそれが頭を捉えれば逆転満塁ホームランでKO間違いなし。
めでたしめでたしなのだが、
空振りをすると試合終了である。大きな隙ができてアウトだ。
もしかして野球で一死二死とカウントするのはここから採ったのではあるまいか。嘘だけど。
そこでオススメなのがこれ!
剣道の突きのように、金属バットで突く。
剣道にこだわらず、フェンシングでもビリヤードでもいい。
そのイメージで突いて距離をとる。
突きのダメージは想像しづらいと思うが、
少なくとも拳で殴るよりも痛い。
とにかく距離を取って当たれば儲けものくらいの気持ちでいい。
ラッキーパンチで鼻にでも当たればそれこそ悶絶するだろう。
「金属バットをキャッチされたらどうすんのさ」という懸念もあるだろうが、刃物を持っている以上、相手は片手が塞がっている。片手で突きを見事にキャッチする離れ業はそう容易くできるものではない。
その場に自分の仲間や守るべき人がいれば、何でもいいからモノを投げて援護するとより効果は抜群。屋内なら椅子などがいいし、調味料を投げるのもいい。仮に醤油が目に入れば相手は視覚を奪われる。同じように屋外なら石ころはもちろん、砂の目潰しも同様に時間を稼げる。
もし上手く視界を奪う事ができれば、衣類やバッグを頭にかぶせて物理的に視界をさらに奪えば逃げる隙も十分に稼げるだろう。
そうこうしているうちに、お巡りさんやセコムなどがかけつけてくれる。
結局、さすまたと同じ考え方に落ち着くのだが、
兎にも角にも距離をとって守りに徹するのが一番。
三十六計逃げるに如かずという。
風林火山で有名な武田信玄も侵略だけではなく退却も風の如くを心がけたであろうことは想像に難くない。
もちろん防犯ブザーなど文明の利器もあわせて使いましょう。
大声が聞こえても他人は顔を出さないけども、
警報音はもちろん、窓ガラスがガシャーンと割れる音を聞けば顔をだすのが人の習性みたいなもの。
そもそも危険人物に関わらないのが大前提だけど、
いざという時は距離をとって守り、逃げる。
ああそうか。長々と書いたけど「ヒット・アンド・アウェイ」で全てが説明つきますな。たった10文字の事を2000文字も使って書いてしまった。謎の使命感で書きたくなっただけなんだ。許してね。