クレディ・スイスによるソフトバンクグループ(9984)提訴の影響
本日クレディ・スイスがソフトバンクグループ(以下SBG)を提訴する準備をしているというニュースが出ました。
今回はこのニュースの経緯とそれが株価にどう影響するのか?をWSJの記事を元にできるだけ簡素にまとめています。
あくまで個人で調べた範囲ですが、「ふーん、そういうことだったのか」とか「だから株価はこんな感じで動いてるのかもな」とか思ってもらえると嬉しいです。
0.登場する企業
a)SBG :ソフトバンクグループ(9984)
b)クレディスイス:スイスの投資銀行
c)グリーンシル :イギリスの金融(サプライチェーンファイナンス)
d)カテラ :米国の建設テックベンチャー
1.概要
・グリーンシルがカテラへの融資を証券化し(約500億円)クレディ・ス
イスに販売
・2020年 カテラが経営難に陥る。SBGがカテラに2億ドル追加出資
・2020年末 グリーンシルがカテラの融資返済免除を決定。SBGがグリー
ンシルに4億ドル追加出資
・2021年1月 グリーンシル経営破綻
・2021年6月 カテラが経営破綻
・2021年12月 クレディスイスがSBGを提訴
2020年末にSBGがグリーンシルに追加出資した4億ドルが、カテラ向けの融資埋め合わせ(クレディ・スイスのファンドへの支払い)に使われるのではなく、自社の銀行部門に充てられた。クレディ・スイスのファンドは何も知らされないまま得られる可能性のあった資金が得られなくなったとしてSBGを提訴する準備を開始。
2.株価への影響
提訴のニュースは本日でましたが、以前からカテラやグリーンシルのニュースはでていました。株価は一つの要因だけで動くものではないのですが、今年のSBGの株価が低調な様子を見ると幾分か影響はあったのではないでしょうか。
SBGは日経平均の寄与度が大きく、逆に言うと本来日経平均と同じような動きをするはずですが、今年の日経平均が+5%なのに対し、SBGは-30%と低調です。もちろん 、金利の状況など他にも影響する要素は大きいのですが、6月に出資先のカテラが破産申請をだしてからは下落の一途となっています。
3.今後の株価への影響
あくまで予想ベースですが、係争問題の着地点が見つかるまでは厳しいのではないでしょうか。来年は米国の利上げも決定している中で、約15兆円の負債を持つSBGには厳しい年になりそうでした。もちろん、これらのニュースはある程度織り込まれていたという考え方もできなくはないですが、やはりネガティブな影響の方が強いのではないでしょうか。
また株価に直接の関係があるかはわかりませんが、ソフトバンク・ビジョンファンドのボードメンバーの多くが今年で去ることが報じられています。安定した経営のための下地ができている状態とは言えないでしょうから、どうしても不安要素として残ってしまうと思います。
今回参考にした記事はこちら
ボードメンバー脱退の参考記事はこちら
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