雑記(20240730、お前の夏はインターネット)
夏といえばホラーだと相場が決まっているのは『ホツマツタヱ』にも書いてありますが(ところで「ツタヱ」が「伝え」なら「ヱ」じゃなくて「ヘ」じゃない? どうでもいいけど)、今年の夏はホラー関連の特番といえば「日本で一番コワい夜」が映像の無断使用で怒られたくらいしか面白いことがない。「ほんとにあった怖い話」も未だに放映予定を出さないという体たらく。これは由々しき事態なので、都内で開催されていたホラー系のイベントをハシゴして「恐怖」を充填することとしました。
こんな厄い展示が同時期に開催されるなんてもう東京は終わりだよ。
行方不明展
新進気鋭のホラー作家・梨氏が手掛ける「行方不明」をテーマにした展示。
ここでいう「行方不明」とは、ここではない「何処か」へ人智を超えた何らかの方法で行く、通常とは異なる現象(だと思われます)。結果、元いた世界では忘れ去られ、あるいは痕跡が消え、前後の文脈が喪失し、残されたまるでオーパーツのように場違いな品々が展示されていました。
正直なところ、展示品それ自体ではほとんど恐ろしくはありません。公衆電話、古びたシャツ、枕、山中から持ち出したという巨大な土塊。ただ「行方不明」という情報が付加され、背後にある「行方不明」という現象に思いを馳せた時、確かに「恐怖」を抱くことができます。我々は一体何を以て「怖い』と感じることができるのか、その衝動の起因を突き詰めるような展示でした。(『ラーメン発見伝』の芹沢サンによる「情報を食ってるんだ!」という言葉が思い浮かばないでもない)
……ただ苦言を言うことが許されるのならば。展示場の雰囲気優先なのは分かるけれど、説明書きが小さすぎてマジで読み辛いので次回があれば改善してほしい。展示品(あるいは映像など)を見ている人の前にしゃがみこんで、説明をガン見して読むの気まずいんだよ。
祝祭の呪物展 2024
「行方不明展」が「黙して語らず」とするならば、こちらはゴリッゴリに見せる。語る。全部教える。
オカルトコレクター・田中俊行氏が集めた曰くつきの品々。墓場から頭蓋骨を借用して作られたという戦士像(借用つっても返す気絶対ないだろ)、骨刀、頭蓋骨の器、人気の呪物素材であるマフィアの骨(骨ばっかりだな)、「インディーズお母さん幽霊の人形」、藁人形、抱くと死ぬ人形、老婆の喋るデスマスク、「ガンギマリフロッグ」などなど家に置きたくないどころか図録も買いたくない(買ったが)ド級にヤバいブツが会場狭し、写真(ほぼ)OKで並べられていました。
こちらは会場に掲示されているQRコードを読み込むことで展示品の説明がスマホから全て閲覧できたので、この仕組みは積極的に広まればいいなと思います。
……ただこちらの会場は大きさに反して人が多数入場し、また順路が明確に決まっていないため正・逆の順番から同時に来場者が進んだ結果、人の流れが完全に膠着していました。展示とは難しいものですね。
後はビアホールで肉を食べたり、心霊ドキュメンタリーで出しゃばるスタッフへの文句を言ったり、ビックカメラでサメマゲドンを買ったりしました。たのしかったです。
甲冑積立金にします。