【即実践!】ギター練習で使える効果抜群な科学的知識・ノウハウ大全集【活用例アリ】
どうも!カンノです。
この記事ではギターの練習や上達に使える科学的な知識やノウハウを紹介していきます。
とはいえこういった話をしようとすると、もしかするとこんな風に思われるかもしれません。
「ギターはセンスや才能がすべてだ!!」
「ギターが上手くならないのは気合いや根性が足りてないからだ」
「毎日練習できないのは自分が怠惰なだけだ」
、、、たしかにギターの上達速度にセンスや才能が関わっているのは事実ですし、気合や根性がときに自分の成長を後押ししてくれるでしょう。
ですが、もしそれだけがギターの成功法則なのであれば、センスもなく、根性もなく、怠惰な人はギターを続けられないのででしょうか?うまくなれないのでしょうか?
ぼくはその問いにハッキリとNO!と答えることができます。
というのも、これを書いているぼく自身もセンスや才能はなく、根性もなく、怠惰な人間だったからです。
例えばギターを始めるもののFコードが弾けずに2週間で挫折した過去や、1曲も弾けず2ヶ月でエレキギターを辞めたこと、ダラダラとギターを続けたものの結局3年ほどあまり成長を感じられない時期もありました。
さすがにこんな失敗ばかりしていると「自分にギターは向いていなんだ、、」と何度も落ち込みました。
ですが、とあるキッカケでぼくのギターライフはガラッと変わりました。
というのも今から2年ほど前に「もう少し真面目にギターをやろう!」と思い立ち、試行錯誤しながらギター練習に取り組むようになったのです。
その結果、今ではこのような成果を出せるようになれました。
・ギターで憧れの曲を弾けるようになった(ぼくの場合は秦基博さんの鱗でした)
・ギターで好きな曲を弾き語りできるようになった
・友人たちからギターが弾けてすごいと褒められた
・ソロギターという難しい奏法で大好きなジブリ音楽が弾けた
・なにより音楽がもっと好きになった
ではなにが自分をそれほどまでに変えたのか?
その答えが今回紹介する「科学的な知識やノウハウ」でした。
ぼくはそれまで書籍や動画などで科学的な根拠(エビデンス)のある知識などを知ってはいたのですが、ギターに応用できていなかったんですよね。
ですが、ギターに真面目に取り組み試行錯誤するなかで「こうすればギターに応用できるのか!」「このノウハウはギター練習に使えそうだ!」という知見がたまってきました。
なのでここからはぼくが5年間のギター経験で得た知識と科学的なノウハウを組み合わせたテクニックを伝えていきます。
どの知識もぼくが実際に試して効果があったものだけを紹介していますので
・才能や根性だけのギター練習に疑問を感じている
・最小限の労力で効率よくギターが上手くなりたい
・物事を無理なく続けられる人になりたい
という人に読んでほしいと思っています。
そして特に過去のぼくのように”ギターに何度も挫折してきた人”には効果抜群の内容だと自信を持って言えますのでぜひどうぞ。
それではさっそく語っていきましょう!
ギター練習を習慣化させる鬼の継続テクニック
ギター練習に取り組むうえで最重要なのが「毎日継続して取り組めるか?」ということです。
例えば1日10時間以上練習できたとしてもそれが3日しか続かなければギターはなかなか上達しないでしょう。
というのもギターの技術は毎日続けることで少しずつ身につくものなので、短期的に詰め込もうとしても無理なのです。
ではどうすれば毎日ギターを続けられるようになるのでしょうか?
一般的に継続するには「気合いだ!意識を変えろ!本気を出せ!」というような根性論や精神論が語られがちですが、実は違います。
毎日続けられていることには理由があり、具体的なルールがあるのです。
例えば誰もが「歯を磨く」「スマホを触る」というような習慣を持っていますが、こういった当たり前の行動のなかにも継続のコツが秘められています。
ではどうしたら人は習慣を持ち継続できるようになるのか?
ここでは具体的な3つのテクニック・ルールを紹介しましょう。
① if then プランニング
if then(イフゼン)プランニングとは「AをしたらBをする」というフォーマットに習慣化したい行動を当てはめるというシンプルなテクニックになります。
え?そんなことでいいの?と思うかもしれませんが、その効果は抜群で科学的に最強の習慣術と呼ばれるほど。
実際にぼくも継続させたい習慣があるときはこのイフゼンプランニングを利用して習慣化させています。
※例えばギター練習を習慣化させたい場合
ぼくは朝にギター練習の時間を設けているのですが、この際に「朝食を食べて部屋でコーヒーを飲んだら(A)ギター練習(B)をする」というイフゼンプランニングを作っています。
こうすることで毎朝コーヒーを飲むたびに自然とギターを練習するようになるので、いちいち「よしやろう!」と思わなくても取り組めるようになります。
また、このときのポイントですがイフゼンプランニングの「AをしたらBをする」というAの部分には”なるべく毎日行うこと”を当てはめると、Bの”ギター練習”という行動が習慣化しやすくなります。
例えばぼくの場合なら朝のコーヒータイムは毎日行うことなので、朝にコーヒーを飲むという行為がギター練習という行動と強く結びつくからなんですよ。
なのであなたも習慣化させたいものがあるなら毎日行う行動と結び付けてイフゼンプランニングを利用することで継続力を高めてみてください。
特に続けるのが苦手という方はこのテクニックを使うだけでも効果抜群なので、ぜひ明日から実践してみてください。
② ポモドーロテクニック
「ギターは毎日弾いてるけどすぐに飽きてしまってモチベーションが続かない、、」
そんな人に試してもらいたいのがポモドーロテクニックという方法です。
このポモドーロテクニックとは25分の集中と5分の休憩を交互に繰り返すもので、シンプルながらその効果は絶大です。
というのも25分という短い時間で区切ることにより、人間の脳がタイムリミットを意識するので自然と集中力が高まるんですよね。
例えるならテスト前日の集中状態と似た感じでしょうか。このときの「もう時間がない!」という意識が自然と集中力を高めてくれるのです。
また、このポモドーロテクニックが集中力だけでなく継続力にも貢献してくれる理由があります。
それは25分という短い時間に区切られることで「もう終わりなの?まだやりたいのに!」という意識を作ってくれることです。
例えば時間を意識せずギター練習をしているとダラダラ時間だけが過ぎていきがちですが、25分という枠を設定するとタイムリミットはすぐにやってきます。
そして集中して練習している途中でタイムアップとなるわけですから「まだやりたいのに!」という意識が芽生えるのも当然でしょう。
ですがこの「まだやりたい!もっとやりたい!」という気持ちが刺激となりモチベーションを高めてくれます。
そしてその刺激が常に自分を新鮮でモチベーションの高い状態にしてくれるので、自然と練習を続けたくなっていくのです。
実際にぼくも練習のモチベーションが湧かず集中力がないときは、このポモドーロテクニックを使うことで自分を新鮮な状態に戻しています。
また、このテクニックは30分あれば実践できるので、ギターの練習時間がなかなか作れない方にもおすすめです。
✔ポモドーロテクニックの最適な休憩方法
ポモドーロテクニックでは25分の集中と5分の休憩が1セットになるわけですが、実は休憩のやり方にもコツがあります。
結論から言うとそれは「頭をボーっとさせる」ことです。
これはなぜかと言うと、頭をボーっとさせて意識を分散させることで脳が休まるからなんですよ。
というのもポモドーロテクニックでは休憩する前に25分間の集中をしますが、
この集中状態とは言い換えれば「1つのことに意識を向けた状態」になります。
当然ながら人は何時間も集中し続けることはできないので、どこかで休憩しないと脳のパフォーマンスは落ち、集中力も切れていくでしょう。
なので意識的にボーっとすることで脳を休ませ、常に集中力の高い状態にキープさせることが大切になるのです。
とはいえ具体的にどうやって休憩すればいいのか気になる方もいると思うので、こちらにおすすめの休憩方法と絶対NGの休憩方法を紹介しておきます。
✔おすすめ
・瞑想
・散歩
・昼寝
・ボーっとする
✔絶対NG
・スマホをいじる
・テレビやパソコンを見る
・その他、集中力を使うようなこと
③ 20秒ルール
20秒ルールとはハーバード大学で提唱された「やめたいことは始めるのに20秒以上かかるようにするとやめられる」という法則のこと。
おそらくですがギターが続かない人の大きな原因として、ギター以外の誘惑がある(または多すぎる)からだと思います。
ぼく自身もギターが続かなかった時期はあれこれと手を出してはやめて、結局なにも続けられなかった経験があります。
あなたはどうでしょうか?あなたの身のまわりは誘惑や集中をさえぎるものに溢れていませんか?
スマホ、パソコン、テレビ、マンガ、お菓子、酒、散らかった部屋など、、、
自分にとっての誘惑が多いほど肝心なギターの優先順位はどんどん下がり、最終的に部屋のインテリアになりかねません。
こんな状態ではどんなに意志が強い人でも続けるのは不可能なので、この20秒ルールを利用してまずは誘惑を遠ざけましょう。
例えばぼくの場合はスマホは自室から出し、テレビやマンガは見えないところに移動させ、なるべくギター以外なにもないキレイな部屋を心がけています。
ここまで徹底するとギターの優先順位が上がるので、意思や忍耐を必要としなくても続けることができます。
こんな感じで、20秒ルールとはつまり「誘惑に手を付けるまでの手間を増やして面倒だと思わせる」テクニックなのです。
あなたを誘惑する身近な存在はなんでしょうか?普段の行動をチェックしてみてください。
✔20秒ルールを逆手にとって継続力をさらに高める
20秒ルールを逆に考えると「人はすぐに手を付けられることを習慣にする」という法則が見えてきます。
なので、ギター練習を習慣にしたければ、常に自分の手の届く範囲にギターを置くのが最適と言えるでしょう。
例えばぼくの場合は普段よく使う作業机のすぐ横に”ギターをすぐ弾ける状態”にして置いています。
こうすることで暇があればギターを弾くようになりますし、ギターが弾きたいと思ったときにすぐ手にすることができます。
こうなるともはやスマホをいじるようにギターをいじり始めるので、自然と練習が続けられるのです。
ぜひギターをあなたのそばに置いてみてください。
コラム①:20秒ルールを使えば単純接触効果も狙えて継続力UP
先ほど紹介した”20秒ルールの逆利用”ですが、これを実践することで心理学的にもギターが続きやすくなります。
というのも心理学では単純接触効果という法則があるのですが、これは「人は触れた頻度や回数が多いものに好感を抱く」というもの。
あなたも何度も会う人や何度も見た作品、何度も使うものなどに好感や愛着が芽生えたことはないでしょうか?
それはもしかすると単純接触効果によって自分の感情が変化した可能性があります。
、、、とまあこんな風に単純接触効果を活用すれば人はその対象に好感を持つので、この現象をギターに向けてあげれば継続も容易になるでしょう。
実際にぼくも自分の手の届く範囲にギターを置いて、暇なときにジャカジャカ弾いていますが、以前ギターをケースにしまっていた時よりも格段に練習回数や時間が増えたと思います。
そしてなによりギターが自分の相棒やパートナーと思えるくらい今は愛情もあるので、これが単純接触効果の成せる技かと驚いています笑
ですのであなたもぜひ継続したいものや好きになりたいことがあれば接触回数や頻度を高めてみてはいかがでしょうか?
目標の達成率を爆上げさせる科学的な考え方
これはギター以外でも同じですが、なにかを上達するために必要なのは「目標を決め、それを達成していくこと」でしょう。
とはいえいざ目標を作ってもなかなか達成できなかったり、計画倒れしてしまうのがよくあるパターンです。
例に漏れず以前はぼくも計画だけは入念に作るものの、いざ取り組もうとするとどこかで無理が生じて挫折、、、という経験を何度もしてきました。
ではどのように計画を立て、目標を設定すれば挫折せずに達成できるのでしょうか?
ここからはぼく自身が実際に試して「これは目標の達成率を高めてくれた!」と感じた科学的なメソッドを紹介します。
① WOOP
WOOPとは①願望(wish)、②成果(outcome)、③障害(obstacle)、④計画(plan)の頭文字を取ったもので、この法則を使うことで科学的に目標の達成率を高めるとされています。
では具体的にどうやってこのWOOPを使えばいいのか?順に解説していきましょう。
①願望(wish)
まずここでは具体的な目標や目的を設定します。
例えばギター練習で使うとしたら「あの曲が弾けるようになりたい!」とか「あのフレーズが弾きたい!」などでしょうか。
このときに大切なのが願望(wish)で設定する目標は「簡単すぎず難しすぎない適度な目標」にしてほしいということです。
というのもこのWOOPは何度も使用するサイクルなので、いきなり難しすぎるものから始めれば達成不可能になりますし、簡単すぎても意味がないからです。
ですのであなたが現在取り組みたい少し難しいレベルの目標を設定してみてください。
②成果(outcome)
ここでいう成果とは願望(wish)を達成できたときの具体的な状態やイメージのことになります。
例えば「Fコードを弾けるようにする」という願望を達成したときにはこのような成果が考えられるでしょう。
・Fコードが使えることで弾きたい曲が弾けるようになる
・弾ける曲やアーティストが増える
・ギターの腕前も上達して今よりかっこよく弾ける
・周囲からギターが弾けてすごいと褒められる
こんな風に願望を達成できたときの成果を具体的にイメージすることが大切になります。
ですので目標とあわせてあなたがそれを達成できたときのイメージを具体的に考えてみてください。
③障害(obstacle)
ステップ③の障害とは願望(目標)を達成するまでに考えられる困難を予想することです。
ポジティブなイメージだけでなく障害や問題などのネガティブ要素もあわせて考えることがこのWOOP最大の特徴と言えるでしょう。
例えば先ほどステップ②で紹介したFコードを例にしてみると、、、
・最初はFコードがうまく押さえられないだろう
・しばらくはFコードの音がキレイにならないだろう
・パッとFコードが使えるようになるまでには時間がかかるだろう
・Fコードの練習をすることで指が痛くなるだろう
このような障害や困難が予想されます。
ですので、あなたもご自身が達成したい目標に立ちはだかるであろう壁や問題をイメージしながら書き出してみてください。
④計画(plan)
そして最後はステップ③で想定した障害や困難を乗り越えるための具体的な計画を立てていきましょう。
ここでも先ほどのFコードの例でお話ししますが、例えばステップ③で想定した障害への対策は以下のようなものが考えられます。
問題①:最初はFコードがうまく押さえられないだろう
対策:あらかじめマスターするには時間がかかると考えておく
問題②しばらくはFコードの音がキレイにならないだろう
対策:Fコードの押さえ方やコツを調べて試行錯誤する
問題③パッとFコードが使えるようになるまでには時間がかかるだろう
対策:普段からFコードを使う曲や練習を増やす
問題④Fコードの練習をすることで指が痛くなるだろう
対策:弦を細くしたり弦高を下げるなどの工夫をしてなるべく負担を軽減する
こんな風に自分がぶつかるであろう困難に対してあらかじめ解決策を用意しておくことが大切になります。
というわけで、以上4つのステップを踏んでWOOPは完成するわけですが、最初はこれらを考えるだけでも大変だと思います。
ぼく自身も最初は「う~ん、、」と悩みながら実践していましたが、何度もWOOPのサイクルを回していくことで次第に頭の中で考えられるようになっていきました。
ここまでこれば、あとは淡々と目標達成のための努力に取り組めると思いますのでぜひ実践してみてください。
ぼくはこのWOOPをギター練習に活用することでモチベーションを下げず2年以上毎日練習でき、結果的に弾きたい曲を確実に弾けるようにすることができました。
② 50/50の目標
前述したWOOPのステップ①でも似たようなことを書きましたが、なにか目標を作るときは簡単すぎず難しすぎない目標設定がおすすめです。
その目標をぼくは「50/50の目標」と呼んでいるのですが、これはできるかできないかが半々くらいの難易度の目標という意味になります。
なぜこの「50/50の目標」がいいのかというと、科学的に人は”できるかできないかわからないくらいの課題”に取り組んでいるときに一番パフォーマンスを発揮するとされているからなんですよ。
この話はゲームで例えるとわかりやすいのですが、例えば簡単すぎるゲームだと人は退屈を感じますし、逆に難しすぎるとモチベーションが下がりますよね。
ですが、簡単すぎず頑張ればなんとかクリアできそうなゲームであれば人はそれに没頭しハマっていきます。
(余談ですが、人気のゲームや売れてるゲームはこのプレイヤーへの目標設定が絶妙だから人々を魅了しているのかもしれません)
、、、ですのでこの法則をギター練習に取り入れない手はないでしょう。
「今の自分がギリギリ達成できそうな目標はなにか?課題はなにか?」
ギターの上達が感じられないときやモチベーションが下がってきたときに、ぜひ一度この問いかけをしてみてはいかがでしょうか?
ぼくも「ギター練習がマンネリ化してきたな、、」と思ったら50/50の目標を設定することで状況を打破しています。
③ 余裕のある達成期限にする
期限やタイムリミットを作るのは目標達成において重要ですが、その反面計画倒れしてしまうとモチベーションは下がり、最悪挫折する可能性もあります。
なので、目標の期限を作るときはある程度余裕を持たせた方が確実でしょう。
というのも、心理学の実験で学生に「今自分が取り組んでいる課題はどれくらいで終わると思いますか?」という質問をして、実際に課題が終わった時間と比較したそうなのですが
大半の学生は自分があらかじめ予想した時間よりも遅く課題が終わっていたのです。
ここから考えられるのは「人は自分が立てた計画を甘く見積もる傾向がある」ということでしょう。
ですので、これから期限付きの目標を作る人は、ぜひ自分が立てた計画をもう一度見直してみてください。
具体的な指標としては自分が立てた計画や目標を「一番早く達成できる場合」と「一番遅く達成できる場合」を考え、そのちょうど中間点あたりが現実的だとされています。
期限やタイムリミットを作るのはアメにもムチにもなりますのでご利用は計画的に笑
コラム②:周囲への宣言(パブリックコミットメント)が達成率を加速させる
あなたはパブリックコミットメントをご存じでしょうか?
これは心理学者のクルト・レヴィン氏が提唱したもので、わかりやすく言うと「周囲に自分の目標を宣言することで達成率が高まる」という法則になります。
例えば「ギターで弾き語りできるようになりたい!」という目標があるとしたら、その目標を友人、家族、SNSなどに宣言するとしましょう。
こうすることで「宣言したんだからやりとげないと!」という強制力や「達成できなかったらカッコ悪い」という他者の目が働くので、自然と目標達成率が高まるのです。
実際にぼくもこのパブリックコミットメントを使って目標を達成したことがあるので、こちらにいくつか例を出しておきます。よければ参考にしてみてください
・ブログやTwitterで練習風景や目標を発信し、実際に達成できた(ジブリのソロギターを弾くという目標でした)
・「自分の曲を作って歌う」と友人たちに宣言して、実際に発表した
・「外でジブリ音楽をギターで演奏する」と周囲に宣言して、実際に演奏した
・「自転車で日本一周する」と親や友人、仕事先や学校に宣言して実際にやり遂げた
本当にやってみたいことであるほどパブリックコミットメントの効果は高まると思いますので、ぜひあなたの本気を周囲に宣言してみては?
ギターの上達スピードを高速化させる3種の神器
ぼくはギターを音楽であると同時にスポーツや学習でもあると解釈しています。
というのもギターを弾くには体を動かすという運動神経が必要ですし、技術を高めていくには知らないことを学ぶ必要があるからです。
そしてこれら音楽、スポーツ、学習の3つを1つに結ぶのがぼくは科学だと考えています。
なのでここからは科学(特に脳科学)をベースにしたギターの上達速度を高める3種の神器を紹介しましょう。
どれもシンプルですが、ぼく自身が「これは効果的だな」と思ったテクニックだけを用意したので気になるものから試してみてください。
①小さな変化を加える
ギター練習は同じことを反復して、何度も練習することで上達していくもの。
ですが、同じことばかり繰り返していると「正直飽きたな」「なんだか退屈、、」という状態になっていくでしょう。
とはいえ反復練習は成長に欠かせないものなので無視するわけにはいきません。
そんなときに使えるテクニックが「反復練習のなかに小さな変化を加える」という方法です。
もしかすると「え、それだけでいいの?」と思われるかもしれませんが、この「小さな変化」を加えるだけで上達速度が2倍になるという研究結果があるのです。
とはいえ、これだけでは抽象的でわかりづらいと思うので、こちらにギター練習を例にしたときの「小さな変化」を挙げておきました。
✔コードの練習・・力加減を変える、フォームを少し変える
✔ストロークの練習・・弾く角度を変える、抑揚をつける、ピックの持ち方を深く(浅く)する、ピックを変える、力加減を変える
✔アルペジオの練習・・爪の長さを変える、力加減を変える、フォームを少し変える、弦を鳴らす意識を変える
✔曲の練習・・テンポを変える、抑揚をつける、原曲と一緒に弾く、リズムをとる、力加減を変える
1つ注意点としてこの「小さな変化」は反復練習をするときに効果を発揮するテクニックですので、新しいことを学ぶときにはそこまで効力が期待できない可能性があります。
また、練習曲を変える、弾き方をガラッと変えるなどの大きすぎる変化も場合によっては上達速度の妨げになるかもしれません。
ですので反復練習や慣れた曲や練習などに「小さな変化」を加えると、よりいっそう技術に磨きがかかるでしょう。
②ゆっくり演奏する
苦手なフレーズやコードチェンジ、運指などに直面したときに使えるのが、この「ゆっくり演奏する」というテクニックです。
というのも普段よりゆっくり演奏することで苦手を克服しやすくなるんですよ。
ではなぜゆっくり演奏することが苦手克服に貢献してくれるのでしょうか?
その理由は人間の脳が持つ「人はできることしか再現できない」という性質を理解することでひも解けます。
例えば”いつも同じところでミスしてしまう苦手なフレーズ”があったとしましょう。
そのフレーズを弾けるようにするために同じテンポで何度も繰り返し練習しますがいっこうに弾けるようになりません。
あなたもこんな経験はないでしょうか?
もしかすると「どれだけ練習しても弾けるようにならない自分には才能がないんだ、、、」と落ち込むこともあったかもしれませんね。
ですが、実はこの状態は脳が「ミスをすることが正しい動きだ」と誤認することで起きてしまっているのです。
というのも練習で常に同じようなミスをすると、頭では「キレイ弾こう!」と考えていても実際はミスした動きをしているので、脳や神経回路は「ミス=正しい動きに違いない!」と考えてしまうのです。
なので脳に「これが正しい動きなんですよ~」と教えるために、まずはゆっくり確実に演奏できるようにするアプローチが重要になります。
最初はもどかしいかもしれませんが、苦手なことほどまずはゆっくり確実にできるようにしてみてください。
そうして脳に正しい回路が作られたら、徐々にテンポを通常に戻していけばOKです。
ちなみにぼくもこのテクニックを使うことで曲の練習を乗り越え、憧れの曲や大好きな音楽が弾けるようになれました。
弾きたい気持ちが強いほど焦って練習してしまいますが「急がば回れ」の気持ちを持って、まずはスローテンポで弾けるようにしてみてください。
③自分について考えない(無意識になる)
自分について考えず、無意識になることがギター上達の近道だ。
こんな話をするともしかしたら「頭で考えないとうまくなれないでしょ!」と思われるかもしれませんね。
たしかに練習の初期段階や頭で理解するフェーズでは考えることが大切になります(例:新しいことを覚えたり、楽譜を読み込んだりするなど)
ですがある程度頭で理解できたら、そこからは何も考えず無意識になる方が上達速度や技術を高めてくれるのです。
というのも、人間は無意識の状態でいるときに一番パフォーマンスを発揮できるからなんですよ。
例えばギターのストロークやアルペジオの練習を思い出してみてください。
楽譜には正確にストロークのパターンやアルペジオの運指が書かれていますが、これらを頭で考えながら弾いてみたらどうでしょうか?
おそらく頭の中がパニックになってうまく演奏できないと思います。
今度は逆にあなたが得意な練習や曲を思い出してみてください。
おそらく頭で楽譜のことを考えずともスムーズに弾けますよね。
こんな風に人間は無意識になっているときほどパフォーマンスを発揮しやすい性質があるのです。
なのでこの性質をギター練習に取り入れることで技術の習得をよりスムーズにし、演奏レベルも引き上げてくれるでしょう。
最後にこちらには無意識をギター練習に活用する例を紹介しておくので、ぜひあなたも普段の練習に取り入れてみてください。
・ある程度覚えた曲を頭で考えずボーっとしながら弾く
・ある程度覚えたフレーズを頭で考えず何度も繰り返す
・苦手なフレーズをゆっくり弾けるようになったら、無意識になって何度も繰り返す
※ちなみにここでいう無意識やボーっとするという状態は演奏中に「自分や他のことについて考えない状態」になります。
イメージとしては少し自分がアホになったようなイメージで取り組むと無意識を作りやすいです(冗談みたいですが本当です笑)
コラム③:マルチタスク練習をやめてフロー状態になれれば無敵
科学的に人間の脳はマルチタスク(複数のことを同時こなす)が苦手とされているので、シングルタスク(1つのことにだけ取り組む)になると高いパフォーマンスを発揮します。
なので、現状で「いろんなことに手を出すマルチタスク的な練習」をしてる方はある程度方向性を絞った方がいいかもしれません。
例えば練習曲を何曲も作らす2~3曲に絞るとか、テレビやスマホを見ながらのながら練習をやめるなどでしょうか。
そうしてマルチタスクな状態を削ぎ、徐々にシングルタスクに切り替えていくと中身のある質の高い練習ができるので成長も実感しやすいでしょう。
またシングルタスクを極めていくと「フロー状態」と呼ばれる最強の集中状態になることがあります。
ただしこのフロー状態を作るのは難しく、オリンピック選手でもごく稀になれるかどうか?というレベルだそうです。
ですのでこちらには参考程度に「どういう条件ならフロー状態になれるのか?」という項目をまとめておきましたので、ギター練習に活用できるものがあればお使いください。
【フロー状態に入る9つの条件】
①明確な目的がある(なんのためにそれをしているか?)
②集中している(シングルタスクになっている)
③自意識の低下(自分について考えることがない)
④時間の歪み(時間の流れが速く感じる)
⑤レスポンスの速さ(すぐに効果を実感できる)
⑥適切な難易度(簡単すぎず難しすぎない)
⑦自己コントロール感がある(自分が望む方へコントロールできているか)
⑧活動自体に価値を見出している(報酬ではなくそれ自体が好きか)
⑨他者に妨害されない環境(邪魔は入らないか)
今の自分の状態と照らし合わせながらベストな練習環境を整えてみてください。
ギター練習で役に立つ科学的なトピックス
最後はギター練習で使えそうな科学的トピックスをいろいろと紹介しておきます。
ここで紹介しているものはギターだけでなく他の分野でも応用できるノウハウですので、日常生活の中で意識してみると暮らしが捗るかもしれません。
①暗譜のコツは”頑張って思い出そうとする”だけでOK
楽譜を暗記することを「暗譜」と言いますが、ギタリストはこの暗譜が苦手な人が多い印象があります。
かくいうぼくも暗譜や暗記といったことはあまり得意ではないのですが、”ある科学的な法則”を知ったことで格段に覚えられるようになりました。
それが「覚えたいものを頑張って思い出そうとする」ということ。
一見するとあたりまえの話に思えますが、意外とできていない人が多いのです。
例えば楽譜を覚えようとするときに常に楽譜を見ながら覚えようとしていませんか?
これでは「頑張って思い出す」ということをしないので記憶に定着しづらいのです。
というのも人間の脳は「頑張って思い出す(思い出そうとする)」ことで脳が「これは大切な情報なんだな」と認識し、記憶されやすくなる性質があるんですよ。
逆に思い出すことをしない情報は、脳が「これは大して重要じゃないな」と判断してなかなか覚えないのです。
これは科学的に「検索学習」と呼ばれる方法でして、シンプルかつオーソドックスな学習方法だと言われています。
なので「暗譜が苦手、、」「効率よく覚えたい」という方は楽譜を思い出そうとする癖をつけてみてください。
少しずつですが確実に覚えやすくなっていくと思います。
✔このテクニックの実践例
・ギターを持って思い出しながら楽譜をパートごとに弾く
・ギターを持って思い出しながら曲のコード進行を弾く
・すぐに答え(楽譜)を見ないようにして、思い出せなくても思い出そうとする時間を作る
②学習転移を利用してできることを増やそう
学習転移とは近しいカテゴリーのものであれば、学んだことを別の分野でも活かせて、スピーディーに上達できる人間の性質になります。
例えばギターをやっている方であれば似たジャンルのウクレレやベース、三味線などをやらせると、初心者だとしてもスムーズに習得できるという感じです。
なのでこの学習転移を利用すればギターという1つの楽器ができるようになれば、他の弦楽器も比較的すぐに弾けるようになるという嬉しい効果が期待できます。
また、学習転移はギターという楽器のなかでも使えたりします。
例えば初心者最大の壁とされる「Fコード」ですが、これをマスターできればBmやFmのような人差し指をセーハする他の難コードもマスターしやすくなります。
また、指で弦を弾く「アルペジオ」という弾き語りの奏法に慣れていれば、指で曲を弾く「ソロギター」というジャンルに取り組むときにも比較的スムーズに弾けるようになるはすです。
こんな風にギターに限らず音楽というのは学んだことを他で活用できる「学習転移」が起こりやすいジャンルなので、まさに”強くてニューゲーム”状態なわけですね。
③飽き性なら常に変化という刺激を用意しよう
「ぼくは飽き性だからなにをしても続かないんだよね~~」という人が良くいますが、飽き性とは具体的にどんな性質を持つ人なのでしょうか?
この問いに対して科学的に答えると飽き性とは「刺激に慣れて退屈を感じる性質」と言えます。
例えばギターを買った当初はモチベーションも高く、初めてのことばかりでしばらくは飽きることがないでしょう。
これはギターという新しい刺激にまだ自分自身が飽きていないからです。
ですが1ヶ月もすると次第にギターという刺激に慣れていき、練習にも身が入らず、難しいことも増えてきて退屈を感じるようになる。
「なんだかモチベーションが上がらないからやめようかな、、」
こうしてギターが続けられず飽き性な自分に幻滅してしまう。というパターンがよくあります。
、、、、実はこれを書いてるぼく自身も飽き性なのですが、ギターは5年以上続けられていてここ2年くらいは毎日練習できてます。
「それはあなたの意志が強いだけなんじゃないの?」もしかしたらこう思われるかもしれませんね。
ですが、それは違うと断言できます。
というのも、なぜ飽き性な自分がここまで1つのことを継続できたのか?というと、それは変化という刺激を常に用意してきたからなんですよ。
先ほど「飽き性は刺激に慣れて退屈を感じやすい人」と言いましたが、まさにこの性質を逆手にとって自分を飽きさせないように新たな刺激をどんどん用意したのです。
その新たな刺激を一言で表すと「変化」なのですが、その内容は多岐にわたるのでここではぼくが実践してる変化をまとめて紹介しておきます。
✔飽き性な人に試してほしい変化まとめ
・意識を変える(フォーム、力加減、考え方など)
・場所を変える(練習場所を転々とする)
・内容を変える(練習メニュー、課題曲など)
・目標を変える(簡単すぎず難しすぎないものにする)
・人を巻き込む(一緒にギターをする、ギターを教える)
・自分を追い込む(目標を宣言する)
・人前で演奏する(動画投稿、ライブ、野外練習など)
・演奏スタイルを変える(弾き語り、ソロギター、アルペジオ、ストローク、エレキなど)
などなど、、、、、、
こんな風にぼくは飽き性だからこそ飽きないようにいろいろな刺激を用意することで、5年以上ギターを続けてこれました。
もしかしたら「そんなにいろいろやるのは面倒じゃない?」と思うかもしれませんが、実はこうして無理やりにでも変化するほうが楽しいですし、ギターの上達にも貢献してくれるのです。
どれだけお金持ちでなんでも買える人でもその状況に慣れてしまえば退屈を感じますが、どれだけ平凡でも工夫して変化を楽しめる人は一生幸せを感じられるのと同じかもしれませんね。
コラム④:ギターは浪費それとも投資?【幸せなお金の使い方】
どうせお金を使うなら幸せになれる使い方をしたい。
これは人間なら誰しも考えることだと思いますが、では具体的にどんなものにお金を使えば幸せになれるのでしょうか?
そしてこのテキストではギターをテーマにしていますが、はたしてギターは人を幸せにするのでしょうか?
この問いへの答えは「YESともいえるしNOともいえる」ということになります。
というのも、なにかモノを買ったときはどんな人でも一時的な幸福を感じるのですが、その感情はあっという間に消えてしまいます。
なのでギターを買ってもその喜びはすぐに消えるので、その点ではギターは”デカくて高いコスパの悪い浪費”と言えるでしょう。
ですがモノを買っても使い方によってはすぐに幸福感が消えない方法があります。
それはモノを通して”経験”を味わえるということ。
ただモノを消費するだけでは幸福感はすぐに消えますが、そこから経験が得られると半永久的に幸せを感じられるのです。
例えばギターを通してライブをするという経験ができたり、人を楽しませる、人に教える、人とつながる、退屈な時間が減るという経験にもつながるでしょう。
こうなるとギターを買うことで消費の他にもいろいろな喜びが味わえて、幸せなお金の使い方だと言えますよね。
なので冒頭の問いへの答えを申し上げると、「ギターを消費するだけでは幸せになれないが、経験に結び付けられると幸せになれる」と言えましょう。
、、、ぼくも最近10万円近くするギターを買ったのですが「これは消費じゃなくていろんな経験への投資なんだ!きっとそうに違いない!」と暗示をかけながら買いましたしね笑
というわけで、これからギターを買われる方は「ご利用は計画的に」を合言葉にしてみてください(あはは)
おわりに
ギターはセンスや才能の世界だ。
ギターをやってみて挫折した経験のある方はもしかしたらこう思うかもしれません。
ぼく自身これまで何度も(正確には3回ほど)ギターに挫折してきたので、その気持ちは本当によくわかります。
ですがその才能やセンスみたいなものをひも解いて、ギターが上手い人のエッセンスを言語化してくれるのが科学なんですよね。
ぼくは自分のことを凡人だと思っていますが、それでも憧れの曲が弾けるようになったり日々成長を感じられるのは科学のおかげだと感じています。
そしてギターを始めて5年経った今は「ギターはセンスや才能もあるけど、知識を学んで試行錯誤すれば誰でも上手くなれる」と心から思っています。
ですのでこれを最後まで読んでくださったあなたもぜひ1つでもいいので気になったものから試してみてください。
特にギターがなかなか続けられず、上達せず、がむしゃらな努力や根性論に疑問を感じてる以前のぼくみたいな人に届けば幸いです。
グッドラック!!
カンノ
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