歩きやすい靴の選び方
靴の役割は、ファッションとしてのパンプス、足を守る安全靴、足が濡れない長靴、運動競技別のシューズ、学校の上履き、など様々です。ただ、どの靴を履いても良い靴の指標に『歩きやすさ』は必ず入っています。
どの靴を選ぶにしても、歩きやすい靴かを見極める大事なポイントがあるのでお伝えします。
軽い靴は歩きやすい?
この動画の歩行ロボットには動力がなく、位置エネルギーだけで振り子のように歩いています。効率よく歩くには極端に重い靴でなければ軽さばかりを気にするより、履いて歩いて振り子のように歩けているか、手に持って軽く感じるより、歩いて軽く感じることの方が大事です。
歩きやすいと歩幅は自然に伸びる
この動画のモデルはスムーズに歩き、上体は前に送り出されていることが分かります。
図1は動画の歩行を分解していますが、正しく歩けているかのポイントは①の歩幅と③の歩幅が同じであることです。
②では足首を中心に回転して上体が前に送り出されていますが、体重が載ってくるまでが不安定であったり、歩行に必要な関節の動きが悪いと、②で上体はスムーズに送り出せなくなります。そうなると①の歩幅に比べ③の歩幅は狭くなります。
足底は①で踵を着いて、②で足底のアーチが柔らかくなり地面からの衝撃を吸収、体重が載ってくると足を固くして踏み返し、③では親指で蹴りだします。
歩きやすい靴は甲を固定できること
歩きやすい靴に必要なのは足と靴が一体となっていること、図1の①、②、③の動きを阻害しないこと、その中でもポイントをしぼれば②です。
この部分をいかに安定させて足首をスムーズに動かせるようにできるかです。
その為には、先ずは甲を靴紐やベルトで固定する必要があります。
サンダルや長靴などは甲の固定がなく、足の動きに履物がついてきませんので、歩きやすいとは言えません。
プレーンパンプスは踵とボール部の2部位支持なのでダイナミックな歩行は困難ですが、それでも甲ベルトなどで固定できると歩きやすくなります。
歩くことに特化したウォーキングシューズは紐靴タイプが主流、カジュアルスニーカーでもスリッポンタイプよりは紐靴タイプが歩きやすいのです。
ただ、紐靴を履いていたとしても靴紐を緩くしていると歩きにくく、逆に靴紐を適度に締めればアーチも安定して歩きやすくなります。