靴紐はほどいてから脱ぐ
靴屋をしていて最近特に感じることは、ライフスタイルの変化でパンプスやビジネスシューズの需要は減りスニーカーやカジュアルシューズが増えていることです。確かに街ゆく人々はスーツにもスカートにもスニーカー、歩きやすいし実用性もあります。
老若男女、スニーカーを履いている人は増えているのですが、先日ある集会に参加した時のことです。集会所の下駄箱に10足ほどのスニーカーがあり全て靴紐を結んだまま脱がれていました。
靴紐を結んだま脱ぐということは履く時に紐をほどいてしめて結ぶことになります。脱ぐ時に靴紐をほどいていれば履く時に楽だろうと思いつつ・・・
靴紐の機能は靴を脱げなくするだけでなく足と靴の機能を引き出すことにあります。
スニーカーのファッション性と機能性
スニーカーを選ぶ基準はファッション性と答える方が多いと思いますが、スニーカーの歴史をたどるとスニーカーにファッション性が求められるようになったのは1984年にNIKEからAIR JORDANが発売されたあたりからだと思います。
それまでのスニーカーはスポーツを支えるスポーツシューズであってファッション性より機能性を求められていました。因みにアディダスのスリーストライプも靴紐でしめた時にフィット感が上がるように補強された3本のテープが由来です。
スニーカーの靴紐はしめて足と一体になっていた方がスタイリッシュと考えるか靴紐をユルユルに履いた方がファッショナブルと考えるかは個人の自由です。
ただ、長い間ユルユルに靴を履くことは、足部機能が衰えやすく結果として体に様々な負担を強いることになります。
靴紐が歩行に及ぼす影響
スニーカーで快適に歩こうとすれば、アディダスのスリーストライプからも分かるように靴紐を適度にしめることで足と靴が一体化し効率よく地面に力を伝えます。
靴屋としては複雑ですが、実際にお客様が履いてきた靴の靴紐をしめただけで歩行が劇的に改善しそのままお帰りになられる場合もあります。
このことは『靴紐の締め方で子どもの歩き方は変わります。』でも説明しています。
履きやすい工夫
靴紐はほどいて脱いでいますか?
日本の住環境ではどうしても着脱性が優先されがちですが、健康のためには靴紐を適度にしめて履いた方が良いのです。
その為の履きやすい工夫として2点
玄関には椅子を置く
靴を脱ぐ時は靴紐をほどく
脱ぐ時に靴紐をほどいておけば、逆に履く時に楽に足を入れられ簡単に紐を結ぶことが出来ます。また、その都度かわる足の状態で靴紐をしめることが可能となります。
靴紐をほどいてから脱ぐ、少し意識していただくことで愛用のスニーカーは快適に長く履き続けられます。