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哲学的キャリア論のススメ6~キャリアチェンジをどう叶える?~

「働く、生きるを、HAPPYに」をビジョンに掲げる株式会社ミライフで、キャリアデザイナー兼事業企画として働いている菅野(かんの)による「哲学的キャリア論」第6回です。

「受ける企業数」について深掘りした第5回はこちらをご覧ください!
※内容はどこから読んでも大丈夫ですのでご安心ください。

なお、このnoteでは「哲学的」という言葉をとても広い意味で使っています。

もう少しちゃんとした哲学の話が知りたいよ!という方は、Voicyで配信しているこちらの番組をお聞きいただけると嬉しいです。

それでは、さっそく始めていきましょう!


「キャリアチェンジ」の3パターン

そもそも、「キャリアチェンジ」とは何でしょうか?

ざっくり言うと、以下の定義になるようです。

業界・業種のどちらか・または両方を、これまで経験していないものに変えること

例えば、人材業界の法人営業をしている方が居たとすると

・業界チェンジ→「IT業界」の「法人営業」へ
・業種チェンジ→「人材業界」の「人事担当」へ
・両方チェンジ→「IT業界」の「人事担当」へ

といったことが考えられますね。

ここからもう一段整理していくと、一口に「キャリアチェンジ」といっても、何を求めるか?に応じて大きく分けて3つのパターンがあることが分かります。

①「経験」を取りにいく
②「やりがい」を取りにいく
③「好条件」を取りにいく

先ほどの「人材営業の法人営業」の例でいうと

・「経験」→業界を変えて営業として強くなるために「IT業界」へ
・「やりがい」→組織作りに直接的に関わるために「人事担当」へ
・「好条件」→給与と働き方を改善するために「IT業界の人事担当」へ
※「例」なので、それぞれのキャリアチェンジが必ずしも求めるものを得られるか?は別問題です!あくまでもイメージとしてご理解ください。

といった感じになりますでしょうか。

さて、ここからが本題なのですが、こうしたキャリアチェンジ、基本的には「能動的に実現するのは難しい」と言われることが多いです。

ここには、色々な文脈が絡んでいるのですが、簡単に言うと「基本的には経験者にやってもらった方が立ち上がりが早いし、仮に未経験の仕事を行う場合でも、本人がやりたいことではなく企業がやってほしいことをやってもらいたい」という考え方があるためです。

加えて、人気な業界(ITや広告、出版など)や業種(マーケティングや事業開発、人事など)は、当然なりたい人も多いので、「(なぜ他の人ではなく)あなたに任せるのか?」という考え方も加わります。

そうは言っても、キャリアチェンジを実現したい。

そんな思いを叶える役に立てばと思って書いているのが今回のnoteです。

その理由は「自分自身がキャリアチェンジをしまくってきた」からで、その辺りは最後に少し触れられればと思うのですが、やっぱり大変だったな、と振り返ると思います。

それは「転職活動が難しかった」ということではなく、「そもそも取れる選択肢が少なかった」ということに起因します。

だからこそ、本気で「キャリアチェンジ」を実現したい人を応援したいし、役立つ情報をお届けしたい。

逆に、ふわっと「キャリアチェンジしたいな~」と思っている人には、「本当にそれ、必要かな?」と少し立ち止まって考えてみてほしい。

そんな思いで、今回のnoteはお届けします。

キャリアチェンジを叶えるオススメ順選択肢

さて、ここからは具体的に「キャリアチェンジを叶えるための方法」を考えてみましょう。

個人的な整理ではありますが、キャリアチェンジを考える場合、以下の①~⑤の順で考えていくのがオススメかな、と思っています。

①社内異動で実現できないか?を考える
②副業・プロボノで関われないか?を考える
③知り合いのツテ(リファラル)での転職を考える
④エージェント経由での転職を考える
⑤求人広告経由での転職を考える

「エージェントなのにそれでいいの?」と思わなくもないですが、自分がエージェントとして色々な方の相談を受けさせていただいている場面でも、①~③の可能性を一緒に考えることが多いです。

冷静に考えるとイメージできると思うのですが、仕事のパフォーマンスはその人の持つスキルや経験に加えて、商材や顧客といった業界への理解の深さや、組織内のつながりの濃さなど、色々な要素が絡んで発揮されます。

逆に、オススメ度最下位の「⑤求人広告経由」を考えてみていただきたいのですが、たくさんの求人の中から自分に適したものを選ぶには良い手段ではあるものの、やったことがない・知識がない業界や業種の仕事を、その会社のこともほぼ知らない中で選ぶというのは、かなり無茶な話です。

それよりも、すでに事業のことや社内の人間関係が分かっている「①社内異動」の可能性を探ったり、フルコミットではなく期待値が高くない状態で「②副業・プロボノで関わる」という方が、よほどリスクが少なく、実現可能性も高いです。

また、仮に現職では絶対に実現できず、フルコミットでやり切りたいという場合でも、まずは知り合いを通じて可能性を探る方がオススメです。

なぜなら、知り合いであれば少なくとも、貴方が「どんな人で、どんな実力があって、新しいチャレンジをやり切れそうか?」といったイメージを、ある程度は持つことができるからです。

これも逆にいうと、「初めましてでとりあえず求人紹介を行う」ようなエージェントの場合、未経験の貴方を企業にオススメできるだけの理由を持つことが難しいです。

※「未経験可」と明記されている求人の場合は別で、これであれば知人経由でもエージェント経由でもそんなに変わらないかなと思いますが、それでも「その仕事に向いている理由」が明確化されていることは重要です。

ですので、「④エージェント経由」を選ぶのは

・社内での実現が難しく
・フルコミットを行いたく
・頼れる知人やコネクションがない(あるいはすでに試したがダメだった)

場合になると思いますが、その際でも「未経験領域へのキャリアチェンジなので、自分がそれを実現できる理由を一緒に掘り下げてほしい」という要望をしっかり伝え、それに応えてくれる担当者と進めていく方がよい、と思います。

ここまでの話をまとめると、「キャリアチェンジを叶えたい」と思った時点で、「それは実は難しいことにチャレンジしようとしている」と思うことが大事です。

その上で、それを叶えるためには相応の努力が必要ですし、その努力を「したくない」と思うなら、もしかするとチャレンジするのは「今じゃない」のかもしれません。

その意味では、①~⑤のアクションを取る前に、信頼できる人やキャリアアドバイザー、エージェントに一度方向性を相談してみるというのも、よい選択肢かなと思います。

とはいえ、選択肢はそう多くないという話

ここからは少し現実的な(=夢のない)話になります。

先ほどお伝えしたように、異動や知人紹介など、取れる選択肢はいくつかはあるものの、不確実性が高いことは否めません。

異動の相談をしても「確約はできないが1年後なら」といった形で宙ぶらりんになってしまうこともあります。

思いつく知人に声をかけて「1回つないでみるけれど」と言われても、その後音沙汰無しということもあるでしょう。

すでに実績を積み、「これまで培ったスキルや経験を活かして別の業界で貢献したい」といった方ならまだしも、「全然やったことないけどデジタルマーケティングの仕事に何とか携わりたい」という方には、そこまで多くの選択肢がありません。

そして何を隠そう、後者の理由で転職をしたのが自分自身です。

その時は、新卒で入ったエンタメ会社の人事から、デジタルマーケティングの支援職に何とか移れましたが、「未経験可でも行ける」という求人がほとんどなく、その1社だけしか受けていませんでした
(このときは信頼できるエージェントの方に大いに助けていただきました。)

今から考えれば当たり前なのですが、デジタルマーケティングの実務経験どころか、業界も業種もまったく違い、営業=クライアントワークの経験すら無かった自分が受けれる求人は非常に少なかったですし、それでも採用してくれた会社には本当に感謝しかありません。
(ちなみに1年半で辞めてしまい、申し訳しかないとも言えるのですが・・・)

そして、当時の20代半ばの自分には、「社内で異動したら?」や「まずは知り合いに聞いてみては?」という発想はありませんでしたし、そういったアドバイスをくれる人も居ませんでした

とりあえず「今の環境ではダメだ!」という想いから、「何かを変えなくてはいけない!」という、半ば強迫観念的な想いからキャリアを変えたことで、不安や後悔に苛まれたことも事実です。

だからこそ、安易な「キャリアチェンジ」は避けた方がよいと思いますし、本気であればそれを叶えるために、少しでも健やかな道を歩んでほしい

そして、自分に最適な道のりを考えるために、あるいは色々な可能性を試した後で頼っていただけるのなら、ぜひ力になりたい。

そんな風な想いをお伝えして、今回のnoteを終わりにしたいと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

いつにも増して個人的なことも書いてしまいましたが、今回は「キャリアチェンジをどう叶えるか?」という問いを手掛かりに、取りうる選択肢と歩み方について考えてみました。

「キャリアチェンジをするかどうかも含めて考えたい」「キャリアチェンジを実現するために最適な進め方をすり合わせたい」という方がいましたら、ぜひ気軽にこちらのフォームからご連絡いただけたら嬉しいです。

それでは次回も、どうぞよろしくお願いいたします!


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