『バサラオ』観劇感想(8/18)ネタバレあり②全体の感想(と妄想)
こちらでは全体の感想(と妄想)を。
ストーリー・キャラクター・役者さん、みたいにジャンル分けしようと思ったんですが、キリがないので思いつくまま順不同に書いていきます。
(セリフ、役名等、聞き間違い、勘違いがあるかもしれません。ご承知おきください)
<9/4・ライブビューイング観て、明らかに違ったな!というところは訂正しています>
・オープニング、というか主役の初登場シーン。
まあ派手に出てくるんだろうなー、とは思ってましたが、まさかああいう形とは!
さすが「商業演劇の殿堂」だー!!
・対照的だったのがエンディング。
普段の新感線のパターンとは違いましたが、それがこの作品に合ってる気がして、これはこれですごく良かった。
・今回の古田新太さん、というかゴノミカドというキャラクターがめちゃくちゃ私のツボでした!!
初登場のシーンの歌、低い声で「我こそはゴノミカド・・・、ゴノミカド・・・」「我が祈り叶えたまえ・・・」と詠唱というかラップのような呪詛を呟くように歌ってるのが、すごい好みでー!
一幕終わったあとの幕間で(サントラCDを買ってきた後)、「古田さん素敵ー!格好いいー、すごい良かった・・・」とうわごとのように繰り返しておりました。
古田さんが格好いいことなんて、今さら言うまでもないことなんですが、最近の作品だとどうしても「客演キャストのサポート」的な立場だったり、はたまた「ラスボス」的であまり出番が多くはなかったり。
今回のゴノミカドはストーリー上、いったん主人公サイドの上に立てて崇められたり、敵に回ったり味方になったりと、いろんな立場になるので、それぞれの場面に応じたキャラクターが見れる。
初登場シーンの歌で禍々しさと荘厳さを見せておいて、そこから「あかんあかん~」と”インチキ関西弁”(笑)のとぼけた感じで緩急がつくのがたまらない。
とぼけた感じ、かと思えば「けっこう武闘派」でがらりと雰囲気が変わり殺陣がはじまったり、場面場面で切り替えていろんなキャラクター、というか性格の演技が見れるのがほんとよかったです。
最後の最後、ヒュウガに激高するシーンも良かったなー。
あと、「すごく偉かったり高貴だったりする人が、砕けた態度・物言いをする」っていうのが、どうやら私のツボらしくて・・・。
大河ドラマ『新選組!』で野田秀樹さん演じる勝海舟がべらんめえの江戸弁で喋ってましたが、ああいう感じとか。
そんな訳でゴノミカドがカイリやサキドの所に出張ってくるシーンが好きです。
しかし、「武闘派」なミカドということで、まどろっこしい呪詛なんかじゃなく、執権キタタカと決闘、というか衆人環視の中でタイマンはったら
ゴノミカドの圧勝だったんじゃ・・・?と思ったりしました(苦笑)
上に担がれるんじゃなく、前線出るほうが向いてそう。
キタタカの方が密偵使ったり、「ねちっこい」と評されたり、策略を巡らす公家っぽいですよね。
武士と公家、それぞれ環境と逆なところに置かれたキャラクター、というのが構成上の面白さなのかなー。
・ポスターにもなってる、ヒュウガの女装・・・、というか女性の扮装。
実はちょっと違和感がありました。
斗真さんはそりゃもう格好よく、39歳と思えぬ容姿の持ち主ですが、「女装が似合う」タイプの顔立ちではないと思うんですよね(←私個人の好みです)。
ストーリー上でも、ヒュウガは女性のなりをしていますが、言動は男のそれ。
女性をたぶらかすなら、「美しい『男』」という男性性を押し出した方がいいのでは?
わざわざ「女装する」、という意義がイマイチわかんないなー、と思っていたのですが。
こちらのツイートを見つけました。
デヴィット・ボウイがオマージュ元なのかー!!
うんうん、島のシーンで笛吹いて出てくる時、漢字が書いてあるボンタンみたいな白パンツ履いてて、(なんで特攻服みたいになってんの?)と思ったのですが、デヴィット・ボウイならば仕方ない。
衣装だけでなく、「デヴィッド・ボウイの有り様」もバサラオのオマージュ元なんだな、と思ったら、いろんなことが腑に落ちました。
「化粧をした美しい男」に対する、社会の反感とか異物としての受け入れなさ具合とか、反面、その存在に熱狂するファンとか。
いっぱい衣装替えをしながらも、ずっと白い服装だったヒュウガが最後の衣装だけ赤なんですよね(そしてカイリの衣装は真っ白)。
<9/4追記・記憶違いでした!
ラストのカイリの衣装は紫の濃淡。白い衣装はもっと早めに出てきた…>
(これは狂い桜が吸った人々の血なのでは・・・)とか思ってたけど、デヴィッド・ボウイの衣装で赤いものがあるのかしら。
このラストシーンのヒュウガ、確かほとんど化粧をしてなかったと思うんですが、それがすごく怖い形相に見えた・・・。
<9/4追記・これまた記憶違いでした!ライブビューイングのアップで見たら、アイメイクもリップもしてた!
アイラインなしで赤系のアイシャドウだったので、オペラグラスで見ると光で色が飛んで見えちゃったのか?
怖い形相に見えたのは、眉が白く塗りつぶされて「眉なし」状態だったからかもしれません>
・斗真さんが演技も歌も上手いことはこれまたいうまでもないですが、今回ソロダンスが!
舞台中央で踊る姿を見た時は、感慨と興奮が入り混じりました。
俳優活動だと、意外と「歌い踊る姿」って見れないですよね。
(ミュージカル俳優、というのもあるけど、またジャンル違ってくる気がするし)
ネタバレなし感想で「扇子タイムが分かりにくい」と書きましたが、正直言うと「斗真のダンスを注視したいので、他のことをしてる余裕がない」のもあります・・・。
・記者会見のYouTubeを見直してたら中村倫也さんの紹介で「ヒュウガとバディを組むカイリを演じる・・・」と言われてて、「バディ」?バディ・・・。
『神州無頼街』の草臥&永流とはだいぶおもむきの違うバディですよね・・・。
最初っから「同じ村で育った昔馴染み」という設定が出てきて(おおっ!?)と思いました。
ストーリー紹介や宣伝の時点ではこの設定出てなかった気がするのと、あと、カイリは「偶然をよそおい近づくが最後の最後に因縁があったことを明かす」みたいなキャラクターっぽいな、と思ってたので。
カイリが密偵を辞めたのには何か理由があって、それがラストに結びついてくるのではないか・・・、と思ってたのですが、ほんとにイヤになっただけだったのか。
ヒュウガを殺そうとするそのわけが、惚れていたけど一言も口をきいたことのない女の復讐のため、というのはなんだか妙に納得してしまいました(ちゃんと伏線も張ってある)。
しかもその女自身、復讐されてもみじんも嬉しくないだろうのに、ほんとに自己満足のため、という。
なんだそりゃ!となりそうだけど、妙に納得してしまう。
倫也さんの演技の上手さの所以か。
カイリがいちばんおかしい、というのはこの辺かなー。
最後の対決で、ヒュウガはカイリに「お前はおれが虐められてるところを見ておれに惹かれていて、おれを殺すお前を夢見たんだ」みたいなこと言いますが、個人的にはこれはヒュウガのたぶらかし手段、であってほしい。
子供のころからカイリは(こいつに関わったら危険なことになる・・・)と察知していて(もちろんそれゆえに惹かれるものもあったけど)、距離を取っていた、であるといいなー。
倫也さんもこれまた演技の上手さは言うまでもないですが、歌上手いですよねー!
なんでか聴くたびに(この人、歌まで上手いのか!?)とびっくりしてしまいます。
・戦女・アキノちゃん。
「公家の血を引く」が、めっぽう強い「ミカドの護衛」で、「自分が殺した相手しか愛せず、殺した男たちのしゃれこうべを胸に飾っており」、
「戦場には蘭陵王の仮面をかぶって現れるのでついたあだ名が『髑髏の蘭陵王』」。
オタク好みの設定てんこ盛り・・・!!
ピカレスクロマンに出てくる女性って、たいてい男主人公にたぶらかされ野望のため利用されてしまうので、真面目なタイプだと見てて気の毒になってしまうのですが、アキノくらいぶっ飛んでると、「・・・うん、まあどっちもどっちか!」って気持ちになれるのでありがたかったです(笑)
カコ様とアキノの関係性でまた百合が!?と思いましたが、アキノからはあんまり矢印出てない感じですね・・・。
迷惑とまではいかなくても、なんでこんなに構われるのかピンときてないような。
カコもLOVEというよりは、身近にいる人が少なくて近しい同性がアキノくらいしかいないとか、お姉ちゃんぶりたいとかそういう感じなのかなー。
西野七瀬さんは『月影花之丞大逆転』で、(かわいくてお芝居上手いなー)と思ってたので、また見れて嬉しかった。
今回、通路横の席だったので、すぐ横をキャストの方々が入退場のため通っていくのですが、照明の当たらないところのため、真横にいても真っ暗で顔とか見えない。
せっかく近いのになー、とちょっと残念でしたが、アキノがナガスケの生首掲げながら高笑いして横を走って行ったときは(見えなくて良かった!!!)と心底思いました。
河野さんの生首(しかも苦悶の形相)を間近で見るなんて怖すぎる。
・よく考えたら河野さんは舞台上で毎回、元アイドルの美女に両手で顔を包まれて至近距離で見つめられながら「好き♡」って言われてるわけですよね・・・。
うわあ役得!(笑)
・前述のとおり通路横の席だったのですが、皆さま無言で駆け抜けてゆく。
唯一、河野さんだけ(置いて行かれそうになるシーンだったので)「待って、待ってー」と繰り返しセリフ言いながら走ってゆきました。
・インディさんは今回も不憫。
・右近さん、ゴノミカド絡みの歌には必ずコーラスやシャウトしてて格好いい。ゴノミカドに「景気づけやー!」みたいに言われて、「はーいエエエエエエエー!!」と返事がそのまま曲のシャウトにつながっていくところが好き<9/7追記・↑これ、それぞれ違う曲でした。>
・ゴロウザの息子の話が出てきた時は、(あっ、これはのちの展開の伏線に・・・)と思ったらやっぱりでした。
しかし、ちょっと息子が成長しすぎていた・・・(苦笑)
これくらい大きいなら、もう戦力になるんでは?と思ってしまった。
いちおう元服前の少年、の設定だと思うんですが、男性アンサンブルの人(ですよね?)だとどうしてもある程度より上の年齢に見えてしまう。
5歳とか10歳とかそれくらいの「こども」だと、人質にする卑怯さが際立つと思うんですが、子役の人だと他の役への汎用性(←言い方・・・)がないから仕方ないかー。
・サキド様のことは完全に忘れてたので、最後出てきた時は(あー、やられたー!!)と思いました。
もう「途中退場」みたいな気持ちでいた。
しかし友人は(死んでないなら、これはのちのち出てくるな・・・)と思っていたそうな。
さすが、新感線ファン歴長いので展開の読みが鋭い。
・今回は日替わりネタみたいなのはなかった気がする・・・。見逃してるだけかな?
ゴノミカドの晩御飯のおかずが日替わりだったらどうしよう。
・「ヒノモト」という国の物語だ、と言ってるのに、スクリーンに投影された地図は日本列島そのまんまだなー、と思ってたら、「鎌倉」とか「京」とか「駿河」とか地名もそのまんま!!
まあ話が複雑なところに、地形や地名も創作にしたら、見てる方の理解が追い付かないか・・・。
・配役表を見直したら「ナレーション:生田竜聖(フジテレビアナウンサー)」と書いてあって、気がつかなかったー!
その後には「六方指導:尾上松也」とあって、ああ、あそこか・・・、と。
・カーテンコール時のおもいで。
斗真&倫也が歌ってる時、他のキャストが囃し立てながら扇子振ってて、すごく楽しそうでした。
私も本編で上手く振れなかった鬱憤を晴らすがごとく振りましたよ・・・。
しかし盛り上がってる時って、やっぱり顔より高い位置に腕を振り上げたくなるんですよね。
特にアップテンポな曲でテンションあがるので、どうしても上の方で扇子振りたくなってしまい、その衝動をとどめるのに苦労します。
さとみさん&女性アンサンブル陣が音楽に合わせて、両手を顔の前で左右に振るような(ワイパーみたいな感じ)振りをしていて、かわいかった。
最終的に粟根さんもやっていた。かわいかった・・・。
いったん終了、とキャストが舞台後方に整列していくとき、西野さんが客席前方に手を振っていて戻り遅れてしまい、同じく戻り遅れた公家姿のメタルさんと顔を合わせて笑いあいながら後方へ下がっていったんですが、身長差がすごくあるふたりが視線を合わせてるさまがかわいくて萌えた。
カーテンコールは全員が一斉にいろんなところでいろんなことをやっているので、目で追い切れず、(録画させてー!後でゆっくりひとりずつ確認させてー!!)と叫びそうになります。