「お月さまへようこそ」感想などなど※ネタバレあり
7月17日、両国駅から歩いて10分ぐらいのところにあるblack Aさんで行われている「お月さまへようこそ」という演劇を観に行ってきました!
午前中はせっせと仕事をし、新幹線でびゅーんと東京まで。
雨降らなくて本当によかったなぁ
なんてったって最前列だったですよ。びしょ濡れで髪の毛爆発してたら目も当てられない。あと帰りが夜行バスの予定だったので荷物が多かったし。
と、そんなことはどうだっていいんです。
お月さまへ招待されたので(押しかけたともいう)、まずはお写真撮らせていただきました。
ここからガンガンネタバレしていきますよ!
シンプルな舞台。演奏はピアノだけ。なんかもうこれだけで小難しい演劇のにおいがぷんぷんしますね〜
こういうの好きな人いるよね。小規模な劇ってだいたいこんな感じだよね。私はそういうのよく知りませんけど。
ぷりっつさん(山野靖博さん)がいなかったら絶対出会ってないなこれは、というのが正直なところ。そしてこれが50席とはいえ満員って凄いな、と思いました。
さて静まり返った場内で突如現れるキャストさん達。どこから出てきたのか全然分からなくてびっくりしました(笑)全員茶色の革靴だった。
ぷりっつさんの背が高すぎて首がつらい!
そして唐突に始まるキャストさんによる不気味な場内アナウンス。圧倒的いかにも感。既にロックな爆音が恋しくなっていた私。何が起きているのかさっぱり分からないよ!
〜ここから先は考察とも言えないお粗末な感想をつらつら好き勝手に述べています。解釈違い、記憶違いなどなどあると思われますので、ご了承ください〜
☽ 星降る夜に出掛けよう
なるほどわからん!
"女"役の鈴木美緒さんにガンつけられ…じゃない、見つめられて、とっても美人なのでドギマギしました(笑)
真剣に物事について議論したいのに、そういう相手がいないのが辛いってことなら、そのまんま私のことだなとは思った。
政治のこと、哲学的なこと、音楽のこと、ミュージカルのこと。興味のあることを人に話そうと思っても、難しそうに感じることってだいたいスルーされるよね。
逆に引かれちゃう時もあるから、皆の興味のありそうなところだけを話す。
坂本龍馬がどれほど活躍したかを語るより、福山雅治かっこよかったねって話した方が世間には馴染めるの。でもそれは全然楽しくないし、孤独だよ。場合によってはとても苛立つ。
同じ言語で(日本語でという意味ではなく、共通の認識の中でということ)話せる相手を見つけるというのは、そしてその価値観も共通しているのなら、それは奇跡に近いのではないか。
ふと、映画アベンジャーズを思い出しました。
アイアンマンことトニー・スタークは、天才すぎて周囲がついてこれなかった。彼の言葉は普通の人間には理解できなかった。しかし同じく才能をもつブルース・バナー博士とは、ちゃんと意思疎通がとれる。同じ世界で議論できることが、お互いの孤独を癒している…と私は解釈しているので、つまりはそういうことかなと感じました。蛇足。
☽どん底
鉛筆と魂は何を表してるんだろう?
終盤、銀色に輝くお金を見て、詩人が魂の箱を開けようとしたシーン。
さっきまでいじくり回してた三角のおもちゃが椅子にぽつりと置かれていて、すごく惨めで切なかった。
あれはきっと順番が大切なんだなぁ。
鉛筆が送られてくる前に魂の箱を開けたらダメ。かといって鉛筆を手にしてからずっと開けずにおくのもダメ。もちろんお金と引き換えに魂を売ってもダメ。
ごくごく単純に考えると、鉛筆はツールだ。その人が夢を叶えるために必要な道具。それからチャンスやタイミングもこれに含まれるかも。魂は、命そのものでもあり、この場合は夢に向かっていく気力とか、そうやって生きるための誇りとか精神的なものの意味合いが強いかもしれない。
やる気だけがあっても、手段を手に入れられないなら目的には到達しない。お金に目がくらみ、信じるものを明け渡してしまっては元も子もない。道具や機会がどれだけあっても、自分の中で前に進む力が育っていなくちゃ意味がない。
そしてその苦しみの時、そっとそばにいてくれる人がいる。だからこそ魂の箱をあの時開けることができた。よくできてるな、としみじみ思います。
昔狼は怖くなかったことと、今狼は怖くないことは、きっと意味合いが違いますよね。
☽喜びの孤独な衝動
徹底的に理解し合えない人達の話。
物語こそ人魚に恋する男、なんて突飛な話になっているけど、これは日々現実で起きていることなんじゃないかな。ウォルターにとって人魚がいることは真実なんだ。それが事実であろうとなかろうと。どれだけ仲の良い親友同士でも、真実を共有することはできない。二人は確実に(絶望的にといってもいい)別の人間で別の個体だ。そして真実は人の数だけ存在する。だから人間は孤独から逃れることはできない。
そう考えると、サリーが事実存在したのかどうかも、私と他のお客さんとでは違うのかもしれない。あるいは、観ている私たちの心次第で、存在したりしなかったりするのかも。
ただ、タイトルの意味は全然分からないんだよねぇ…
☽お月さまへようこそ
これは一言でいいですよね?
ヴィニーとロニー、末永く爆発しろ
え。ダメ?
ええ…大人になって、というか社会人になって、かつての仲間たちがバラバラになると、今まで同じ空間で共有していた空気感が霧散していくじゃないですか。各々自分の職場で他の仲間を作ったりして、そこでまた共通認識みたいなのが生まれて、昔の仲間が知らないことを覚えていく。そうしてしばらく経ってから顔を合わせると、なんとなく自分の知っている人物とは齟齬があって、寂しいような感じがすることってあるよね。元の仲間たちに戻っても、霧散した空気感が全て元通りになるわけじゃない。でも皆とまた会うことができたのは嬉しい。そんな少し大人になってしまった、そして大人になったからこそ感じる哀愁を絶妙に感じられる作品でした。
超ポジティブな自殺志願者ロニーが不謹慎ながら面白すぎたし、泣きわめくスティーブンとロニーに「今君たちに必要なのはベーコンチーズサンドだ」って食べさせるところは思わず頷いちゃったし(あれ?ベーコンチーズであってる?ハムエッグだっけ?まぁいいや)、さっきまでアルコールをバカみたいに呷ってたヤツらが最終的にコーラに落ち着くのが、昔の彼らに戻れたみたいでいい演出でした。
ちなみに終演後の写真がこれ
小道具のちっちゃい蓄音機、あれ鉛筆削りのやつかなぁ?って最初の登場から思ってました(笑)
そうそう、要所要所で演奏されるピアノがとってもオシャレでよかったです!
ネットで配信とかしてくれないかなぁ
ああ結局帰りの夜行バスではほとんど眠れず、家に帰ってからずっとこの記事を書いてるので、めちゃくちゃ疲れたですよ私は…
脳ミソが瀕死の状態で書きましたので多少の誤字脱字はお許しください。また思いっきり好き勝手語りましたが、別にこれが正解ってわけじゃもちろんありませんので、ひろーい心で受け止めてくださるとうれしいです。
それでは、ここまでお読みいただきありかとうございました!
またどこかでお会いできたら幸いです。
疲れた〜(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?